第57回 日本生気象学会大会(京都) その1

10月27・28日は第57回  日本生気象学会大会(京都)に参加しました。

会場は京都府立大学 稲盛記念会館です。

 

初日の午前中には「若手発表コンテスト」がありました。

なんと、研究室の大学院生の栗原くんが「優秀発表賞」を受賞しました!

指導学生の成果が認められるのはうれしいことです。

 

大会長の京都府立大学・長野先生と受賞者のみなさんで記念撮影(栗原くんは一番右です)。

 

 

多くの方から励ましやアドバイスをいただいた栗原くん。

みなさんのご期待に応えるよう、次は研究成果を査読付きの論文としてまとめなければ。がんばりましょう!

 

懇親会の会場には懐かしい顔も。

研究室OBの松川くんが来てくれました。

松川くんは指揮者を目指して京都市立芸術大学で音楽を勉強中です。

頑張っている卒業生・修了生と会えるのもうれしいことです。

将来、「音楽 × 環境・建築」という新しいフィールドを開拓し、活躍してくれることを期待しています!頑張れ!

 

松川くん(左から2番目)と研究室のみんなで記念撮影。

光環境の測定演習

秋学期、私が主に担当している授業は「建築環境計画論」です。

今日は光環境(照度)の実測演習を行いました。

さて、どんな結果が得られたのでしょうか?

来週の発表が楽しみです。

 

論文掲載

「日本生気象学会雑誌 第55巻 第2号」に研究室の論文が掲載されました。

 

題目は「連続した屋敷森が夏季日中における集落気候形成に及ぼす影響」です。

 

茨城県つくば市の北部、筑波山の西側に位置する列村である洞下集落の屋敷森に関する研究です。

連続する屋敷森の夏季暑熱環境を緩和する効果を明らかにしています。

屋敷森により夏季日中の気温が涼しくなることを実証的に明らかにしました。

この効果は、エアコンにより涼しさをえる現代的な暮らしでも、省エネに寄与するものです。

このように、伝統的な民家・集落の熱環境手法を研究することで、現代における自然環境と調和した建築・都市デザイン手法への知見が得られます。

伝統的な民家・集落の暮らしには、単なる「省エネ」の手法だけではなく、現代的な暮らしが失いつつある環境体験の豊かさや、自然環境との付き合い方を再考するためのヒントや具体的な知見が蓄積されていると考えています。

 

連続する屋敷森の向こう側に列村が隠れています。遠くに見えるのは筑波山です。つくば市は芝の生産も有名です。

 

集落内には伝統的な建築物も少なくありません。
立派な長屋門です。

台風一過

今日は絵に描いたような台風一過。

昨晩は茨城でも台風24号による強い風が吹きました。

10数年前、私が筑波大学に着任した頃はつくば市に勢力の強い台風が来ることは稀でしたが、最近は毎年のように強い台風に襲われている気がします。

気候変動、地球温暖化の影響なのでしょうか。

 

研究室のある建物の前の木の枝がばっさりと折られていました。

屋敷森が伐採される理由のひとつに、「強風時に枝が(木が)折れるようになった。折れた枝が(木が)隣家にご迷惑になるといけないので屋敷森を切った」というような話を聞きます。

 

エントランスの前に大きな木の枝が。

 

枝がばっさりと折られているのがわかりますか?

秋学期に向けて

昨日は研究室ゼミでした。

秋学期に向けて、ゼミのスケジュール調整等を行いました。

筑波大学では、春学期・秋学期の2学期制でカリキュラムが編成されています。

 

今年の秋学期は、学群4年生の伊藤さんの卒業研究を中心に、ゼミが行われる予定です。

筑波大学芸術専門学群デザイン専攻では、卒業研究として、卒論・卒制の両方に取り組みます。

最近では、卒論、卒制のどちらか一方にだけ取り組む建築系の大学が増えてきているようですが、やっぱり集大成として理論(研究)と実践(設計)の両方に取り組むことは大事なことだと思います。大変ですけど。

伊藤さんは、鹿児島県の加計呂麻島にある須子茂集落を対象地として卒論・卒制に挑戦中です。

 

須子茂集落の伝統的な生垣景観を調査中の伊藤さん。

みかん小屋調査2018夏 その2

みかん小屋調査の追記です。

前回は三和(さんわ)のみかん小屋を紹介しましたが、灰石のみかん小屋も魅力的です。

灰石のみかん小屋。

 

換気のための越屋根やクールチューブが備えられているものもあり、温熱環境デザイン手法にも注目です。

クールチューブの排気口。地下に横穴が通されています。
床にクールチューブの排気口(蓋が閉じらています)があるのがわかりますか?

 

津久見のお隣、臼杵市では、丸い石を綺麗に並べた三和(さんわ)の建物もありました。

丸い石が綺麗に並べられています。
角から見てもいい感じ。美意識が高い。

 

津久見はマグロも有名で、お昼は加茂さんのお店「浜茶屋」さんでマグロ三昧。

浜茶屋名物 マグロステーキ。
津久見名物 ひゅうが丼。

週末西へ

先週末は名古屋・大阪へと行ってきました。

土曜日は名城大学で行われた「大同大学 渡邊研究室・京都府立大学 長野研究室・名城大学 石井研究室 合同卒論中間発表会」に出席させていただきました。

すでに調査・分析が進んでいる学生もいれば、これから実験を行う予定の学生も。

渡邊先生、長野先生、石井先生は私と同じく名古屋工業大学・堀越研究室の出身で年齢も近く、各研究室の活動は刺激になります。

発表会には堀越先生も出席していただけました。堀越先生は現在、愛知産業大学の学長です。

日曜日は大阪で人間-生活環境系学会の理事会がありました。

 

合同卒論中間発表会の会場。
会津若松市二日町集落での調査結果の中間発表もありました。

 

 

 

建築学会大会2018(東北)

今日から3日間、東北大学で2018年度日本建築学会大会が行われており、研究室のみんなで参加しています。

初日の今日は橋本の発表がありました。板倉実験棟の冬季調査の報告です。

明日は大学院生の栗原くんの発表、明後日は大学院生の今くんの発表があります。

夜明けの板倉実験棟。断熱化の影響を検証しました。

みかん小屋調査2018夏 その1

斜面地のみかん畑に点在するみかん小屋。

大分県津久見市でみかん小屋の調査を行いました。

津久見市でプロジェクトの実績がある原忠信准教授とみかん小屋に詳しい加茂恵介さんに案内していただきました。

加茂さん(右)の説明を聞く大学院生の栗原くん(左)。

他の地域でも見られるような木造・土壁・漆喰仕上げの小屋もありますが、三和(さんわ)と呼ばれる石積みを三和土(たたき)で固めた小屋や、灰石の組積造の小屋が魅力的です。

三和(さんわ)のみかん小屋。かっこ良くもあり、かわいくもあり、まさにヴァナキュラー建築。

会津若松調査2018夏 その2

今年の夏は各地で猛暑や熱中症が話題となっていますが、会津若松も暑かったです。

調査の合間に気温が40度を超えることもありました。

それでも、日陰に入り風が吹くとそれなりに気持ち良く感じました。

日射遮蔽と通風の効果を改めて実感した次第です。

 

さて、今回の調査は大同大学・渡邊慎一先生の研究室と名城大学・石井仁先生の研究室との合同調査でした。

昨年・一昨年は奄美大島での合同調査を行いましたが、今年は会津若松に行きました。

気温・湿度・気流・放射を観測することによる、温熱環境指標を用いた体感温度での環境評価が目的です。

また、紫外線の観測を同時に行っているのも独自な点です。

 

渡邊先生と石井先生は紫外線対策をバッチリ行っていましたが、私は帽子をかぶるくらいでほぼノーガード。

随分と日焼けしました。

日中は西風が吹くことが多く、結果的に左腕の方がよく焼けました。方位別の紫外線分布の把握も重要なのかも。

(風向風速は風下側で観測するため、西風が吹くと体の左側が南を向くことになります。)

 

かつての洗い場を利用して、水路沿いでの観測を行いました。さて、水路の冷却効果はどの程度あるのでしょうか???

 

調査も無事終わり、最後に記念撮影。学生さんたちもかなり日焼けして、夏らしい感じになっていました。