秋の調査の報告はこれで最後です。
今回の調査で新たに確認できたのは、みかんの種類の多さです。
なんと、この斜面のみかん畑(下の写真)には10種類以上のみかんがあると聞きました。


みかんの分布と歴史を調べる農景観研究も興味深く、挑戦してみたくなりました。
ここまでくると、建築デザインではなく、やはり環境デザインですね。
この他にも、イヌマキなどの生垣やみかん畑に点在するビワやイチジクも気になりました。


調査活動の報告です。
秋の調査の報告はこれで最後です。
今回の調査で新たに確認できたのは、みかんの種類の多さです。
なんと、この斜面のみかん畑(下の写真)には10種類以上のみかんがあると聞きました。
みかんの分布と歴史を調べる農景観研究も興味深く、挑戦してみたくなりました。
ここまでくると、建築デザインではなく、やはり環境デザインですね。
この他にも、イヌマキなどの生垣やみかん畑に点在するビワやイチジクも気になりました。
調査2日目は千怒の太田と藤内へ。
みかん畑で作業中の方たちに調査へのご協力をお願いに行きました。
斜面地のみかん畑を登ったり降りたりした結果、翌日にはふくらはぎが張りました。
大分県津久見市へ、みかん小屋の調査に行ってきました。
12月に室内温熱環境のプレ調査を名城大学・石井研究室との共同研究として行うことになり、今回は調査対象の小屋の選定と調査協力依頼が主な目的です。
初日は津久見市長目浦代へ。
津久見市役所農林水産課の五十川さんのご協力もあって、灰石のみかん小屋で調査できることになりました。
第57回 日本生気象学会大会(京都)の2日目にはポスター発表のセッションがありました。
大学院生の今くんが取手の水屋等に関する調査結果を発表しました。
また、共同研究者の渡邊先生(大同大学)と石井先生(名城大学)が昨年行った加計呂麻島での調査結果を、佐藤先生(名城大学)が今年行った牡鹿半島での調査結果を発表しました。
みかん小屋調査の追記です。
前回は三和(さんわ)のみかん小屋を紹介しましたが、灰石のみかん小屋も魅力的です。
換気のための越屋根やクールチューブが備えられているものもあり、温熱環境デザイン手法にも注目です。
津久見のお隣、臼杵市では、丸い石を綺麗に並べた三和(さんわ)の建物もありました。
津久見はマグロも有名で、お昼は加茂さんのお店「浜茶屋」さんでマグロ三昧。
大分県津久見市でみかん小屋の調査を行いました。
津久見市でプロジェクトの実績がある原忠信准教授とみかん小屋に詳しい加茂恵介さんに案内していただきました。
他の地域でも見られるような木造・土壁・漆喰仕上げの小屋もありますが、三和(さんわ)と呼ばれる石積みを三和土(たたき)で固めた小屋や、灰石の組積造の小屋が魅力的です。
今年の夏は各地で猛暑や熱中症が話題となっていますが、会津若松も暑かったです。
調査の合間に気温が40度を超えることもありました。
それでも、日陰に入り風が吹くとそれなりに気持ち良く感じました。
日射遮蔽と通風の効果を改めて実感した次第です。
さて、今回の調査は大同大学・渡邊慎一先生の研究室と名城大学・石井仁先生の研究室との合同調査でした。
昨年・一昨年は奄美大島での合同調査を行いましたが、今年は会津若松に行きました。
気温・湿度・気流・放射を観測することによる、温熱環境指標を用いた体感温度での環境評価が目的です。
また、紫外線の観測を同時に行っているのも独自な点です。
渡邊先生と石井先生は紫外線対策をバッチリ行っていましたが、私は帽子をかぶるくらいでほぼノーガード。
随分と日焼けしました。
日中は西風が吹くことが多く、結果的に左腕の方がよく焼けました。方位別の紫外線分布の把握も重要なのかも。
(風向風速は風下側で観測するため、西風が吹くと体の左側が南を向くことになります。)
8月上旬に会津若松市北会津町二日町集落で小気候観測等の現地調査を行いました。
景観要素としては集落内に点在する屋敷森と水路や石垣が特徴的で、環境調節だけでなく水害対策としての機能も有しています。
茅葺き屋根にトタンを被せた昔ながらの民家や、土蔵や納屋といった付属屋も多くみられます。
この集落では、2013年にも調査を行ったことがあります。
集落内の建物配置の調査や冬の小気候観測調査を行い、屋敷森や付属屋は冬の季節風から集落を守るような配置となっており、一定の防風効果が期待できることを確認しました。
その時の中心メンバーだった佐藤布武くんは、その後、博士の学位を取得し、筑波大学助教を経て、現在は名城大学の助教です。
早いものであれから5年も経つのですね。
残念ながら、その後、屋敷森は減少傾向にあるようですが、水路の水は以前よりも綺麗になったとのこと。
伝統集落に蓄積されてきた環境デザインの効果を検証することで、伝統的な景観の維持だけでなく、新たなデザイン手法の発想・提案へと繋げていきたいと思っています。
関連論文:
佐藤布武,橋本 剛,豊川 尚,石井 仁:季節風と洪水に備えた伝統集落の集落構成原理と屋敷森の防風効果,日本生気象学会雑誌,第52巻,第4号,pp.185-197,2015
佐藤布武,橋本 剛:複合扇状地における集落規模での屋敷森の近年における変化と維持・継承,日本建築学会計画系論文集,第81巻,第722号,pp.889-898,2016