みかん小屋調査2019年7月 その1

大分県津久見市へ、みかん小屋の調査に行きました。

今回は学生2名とともに、みかん小屋のリスト化に向けて一歩進めるための調査を開始しました。

事前の天気予報は調査期間中ずっと雨。激しい雨も予想されていました。

ですが、初日は弱い雨に降られたものの、翌日からは梅雨前線が南下して、晴れ間も出てきました。

 

これまでに確認できたみかん小屋のチェックだけでなく、新たにみかん小屋を確認することもできました。

津久見市役所でも貴重な資料をいただきました。ご協力に感謝いたします。

 

みかん小屋を調査する学生たち。
みかん畑の中にレモンを発見。

飯豊町調査2019年6月

山形県飯豊町の調査に行ってきました。

今回の調査は、筑波大学・世界遺産専攻の黒田研究室・伊藤研究室、山形大学・濱研究室、名城大学・佐藤研究室との共同研究プロジェクトの一環で、総勢10名で飯豊町をまわりました。

やっぱり茅葺き民家はいいなぁ、とあらためて感じました。

 

調査の様子。この日は気温があまり高くならず、薪ストーブを使用中。
次の葺き替えに向けて、茅を乾燥中。
部分的に葺き替えられた屋根。一度にすべてを葺き替えるのではなく、毎年コツコツ維持補修するスタイル。
こちらも、順次、葺き替えられていく様子がよくわかります。

会津若松調査2019初夏

会津若松市の北会津町に調査に行きました。

今回は、水路ネットワークの調査です。

北会津町は阿賀川と宮川に挟まれた複合扇状地で、かつては水害常襲地域でした。

水路は日常的な利水の役割だけではなく、水害時の防水・排水の役割も担っていたそうです。

調査風景。
北会津町の西側を流れる宮川。西風が吹くと宮川が洪水になると言われたそうです。

加計呂麻島調査2019春 その2

今回は、調査で発見した、巨樹などの緑陰を活用した休憩スペースやコミュニティスペースなどの事例を紹介したいと思います。

地球温暖化やヒートアイランドの影響で日本の夏の暑さは年々厳しくなっているように感じますが、都市の中にもこのようなスペースがあったら、夏の暑さを愉しめるのではないかと思うのですが、どうでしょうか?

 

加計呂麻島調査2019春 その1

加計呂麻島の調査に行ってきました。

今回は、名城大学の石井教授と2人で加計呂麻島の全30集落をみてきました。

ノロ祭祀に関わるアシャゲやトネヤといった奄美地方独特の伝統的な建築物に加え、ガジュマルなどの巨樹の現況調査を行いました。

 

須子茂集落には新しいトネヤが建てられていました。
ガジュマルの木陰を利用した休憩スペースの一例。

対馬調査 2019冬 その2

今回の対馬での調査の主な目的は、鰐浦集落を対象とした小気候観測調査の実施でした。

特に注目しているのは風環境です。

今回の観測では強風日に当たりました。

最大風速9m/s以上を観測しました。

私の観測体験で最も強い風だったのではないでしょうか。

鰐浦集落は北側が海に向かって開いた地形になっており、冬季の季節風が集落に直撃する様子が観測できました。

この様な厳しい気候条件とコヤの群倉の立地との関係の一端を明らかにすることが調査の目的です。

 

風が強く、防波堤に守られた漁港内でも波が立っていました。風に乗った海水が体に吹き付けられることも。
北風を受けて風速計がすごい勢いでグルグル回転しました。
調査方法の再確認を行う大学院生の今くんと栗原くん。

対馬調査 2019冬 その1

長崎県対馬市へ調査に行きました。

今回訪れたのは対馬最北部に位置する鰐浦集落。

鰐浦集落はコヤの群倉で有名です。

ヒトツバタゴの群生地としても知られています。

数多くのコヤが押し競饅頭の様に集まっている景観には独特の迫力が感じられます。

 

みかん小屋調査2018冬 その3

室内温熱環境の実測調査の他にも、現地調査でわかってきたことがありました。

灰石の産地である臼杵市では、灰石を塀や基礎に利用している事例は確認できましたが、灰石のみかん小屋はみつかりませんでした。

海沿いの集落には漁業を生業としている集落が多いようですが、かつてみかんの栽培に力を入れていたという集落もみつかりました。

そこでは、漁業を営む集落の背後地にもみかん畑を広げていったとのことです。

調査中、みかん畑はあってもみかん小屋のない漁村集落がいくつかあって謎でしたが、ヒアリングで確認でき、納得。

基礎に灰石が利用されている事例。
臼杵市のみかん小屋の事例。かつて背後の斜面地は一面のみかん畑だったとのこと。その斜面地には、防風林として植えたというスギが見えます。

そして、斜面地のみかん畑で見られるイヌマキは、やはり防風林のようでした。津久見で、イヌマキの生垣が連続するみかん畑を確認できました。

イヌマキの生垣に守られたみかん畑。

調査の最終日、津久見市では「軽トラ市」が開催されていました。

小雨の降る中、大勢の人たちで賑わっていました。

みかん小屋の調査も、将来的には何らかのかたちでまちづくりに貢献できるよう、頑張りたいところです。

軽トラ市の様子。大勢のお客さんで賑わっていました。もちろん、みかんも販売されていましたよ。

みかん小屋調査2018冬 その2

今回の調査では予想外の獣害にあいました。

現地踏査中にイノシシに出会ったり、住民の方からもイノシシ、シカ、サル、タヌキなどが出ると聞いてはいたのですが、まさか測定器が被害に遭うとは思いませんでした。

本調査の時には何らかの対策が必要なことがわかりました。

予備調査の大切さをあらためて痛感した次第です。

アースチューブの出口に設置した温湿度センサが噛み切られていました。
アースチューブの吸気口(写真右下)から小動物が侵入したのでしょうか?
みかん小屋の横に設置した屋外気象測定器。その後、何者かに倒されてひっくり返っていました。住民の方の話では、イノシシの仕業のようです。壊れなくてよかった。

みかん小屋調査2018冬 その1

先月に続き、今月もみかん小屋の調査で大分県津久見市などへ行ってきました。

今回の主な目的は室内温熱環境の予備調査です。

みかん小屋の室内に温湿度計を設置。

タイプや立地の異なる複数のみかん小屋で調査を行うことができました。

アースチューブの出口にも温度計を設置しました。

この地中に埋めたチューブを前回までは「クールチューブ」と紹介していましたが、よく考えると小屋にみかんを貯蔵するのは冬なので、クールチューブと呼ぶのはおかしいですね。

2箇所のアースチューブの出口に温湿度計を設置。

今回の調査は、名城大学石井研究室との合同調査でした。