データ回収

9月に入り、新型コロナウイルス感染第5波の状況もあり、調査を自粛しております。

ですが、設置した測定機器のデータ回収・再設置は必須です。

というわけで、調査中の板倉構法住宅で作業してきました。

千葉県流山市のE邸では、昨年度の猛暑の中で行なった調査結果を踏まえ、室内温熱環境の改善を目指して様々な工夫を実践しています。

ロフト部分の西側開口部にルーバーを設け暖められた空気の排出を試みたり、越屋根の使い方を工夫してみたり、あるいは壁面緑化に挑戦してみたり。

パッシブデザイン的な工夫のみならず、エアコンを設置して猛暑に備えたりと、柔軟に対応されているそうです。

建物は建てたら完成ではないんですよね。

住みながら、生活しながら、環境がより快適になるように工夫していくことが大事なんですよね。

ということを、あらためて感じました。

秋田へ

秋田県に行ってきました。

私は、一応、47都道府県すべての土地を自分の足で踏んだことがあります。

ですが、「訪れたことがある」とハッキリ言い切れないところが3箇所ありました。

その一つが秋田県です。残りの2箇所は青森県と佐賀県です。

今回は、山形大学の濱先生と秋田県立大学の李先生にご案内していただき、堆肥小屋と風除けの板塀を中心に現地調査を行ってきました。

堆肥小屋、想像していたものと異なり、組積造が魅力的な立派な付属屋でした。百聞は一見に如かず。現地に行ってみてよかったです。

板塀もなかなか興味深いものがありました。現在でも新設したり補修したりしているとのこと。じっくりと調べてみたいな、と思いました。「風」の研究は私の原点ですし、新しい研究テーマとして魅力を感じました。

秋田を再訪出来る日が楽しみです。そして、青森県と佐賀県もちゃんと?訪れて、早くスッキリとした気持ちで「47都道府県に行ったことがあります」と言えるようになりたいな、とあらためて思いました。

堆肥小屋の例。
堆肥小屋を撮影する山形大学の濱先生。
沿岸部で見られる風除けの板塀。
板塀と松林と風力発電。秋田沿岸部の「風の気候景観3点セット」。
畑の敷地境界にも板塀が。
秋田県の沿岸部にはたくさんの風力発電施設があり、風が強いことを教えてくれます。

奄美調査 2021年8月

再び、奄美大島へ調査に行ってきました。

今回は、大同大学の渡邊先生、名城大学の石井先生との合同調査でした。

高倉の空間実測と温熱環境実測を行いました。

奄美に着いたその日に台風が発生し、調査が実施できるか、帰りの飛行機は欠航にならないのかと、不安な状態でのスタートでしたが、幸いなことに前半は晴れの日もあり、帰りの飛行機も無事に飛びました。

学生たちは雨の中を頑張って調査してくれました。

 

板倉構法住宅の室内温熱環境調査

オリンピックの開会式まであと一週間。

いよいよ関東地方も梅雨明けでしょうか。

 

今週は、2軒の板倉構法住宅にお伺いしました。

室内温熱環境の実測調査を実施すべく測定機器を設置してきました。

 

千葉県流山市のE邸。山武杉が使用されています。

設置した測定機器。

奄美調査 2021年7月

奄美大島で一週間ほど調査を行なってきました。

今回は主に高倉に関する調査を行なってきました。

 

かつては大切なお米や黒糖などを保存するために用いられてきた奄美の高倉。

現在ではその多くがトタン葺きとなり、形も変わり、住宅敷地内に現存するもののほとんどは物置となっています。

 

ですが、床下に形成された半屋外空間は、コミュニティスペースとして受け継がれてきているように感じました。

公共施設等に移築された高倉は東屋のように利用されています。

きっと、金属製の屋根の東屋よりも快適な空間が形成されていることでしょう。

地域を象徴する伝統的な建築物を移築して新たな役割を与える・・・こんな保存・活用方法も「アリ」ではないかと思います。

 

調査中の学群4年生の井本さん。

庭の東屋としてリノベーションした高倉の事例。

公園に隣接して移築された龍郷町の高倉。

高倉を利用する人たち。吹き抜ける風が心地良かったです。

雀も高倉の下がお気に入りのようでした。

津久見調査2021年5月

みかん小屋などの調査で大分県津久見市に行ってきました。

梅雨入り前に・・・と思って計画したのですが、運悪く、梅雨入り。

あまりにも梅雨入りが早すぎる気が・・・。

 

雨の中、雨後の蒸し暑い中、調査を進めて、なんとかノルマ達成。

脹脛がちょっと筋肉痛です。

 

アメニモマケズ。

まるでお城のように石垣の上に建てられています。かっこいい。

ちょうど、みかんの花の季節でした。空にはモンシロチョウが飛び交っていました。

科研費が採択されました!

科研費が採択されました。ありがたいことです。

 

基盤研究(B)

研究課題名:伝統的な民家・集落に学ぶ暑熱環境適応策としての屋外・半屋外空間デザイン手法の構築

 

大同大学・渡邊教授、名城大学・石井教授との共同研究です。

 

河内町調査 2021春 その2

再び、河内町へ水屋・水塚の調査に行ってきました。

この日は春というよりも、初夏のような陽気でした。

河内町の水塚は本当に規模が大きいです。

水屋がなくなった水塚を庭としてきれいにしている例が散見されました。

 

庭として整えられた水塚。ソテツを植えているところもいくつかありました。

きれいな生垣もありました。

鬼滅の刃!?

河内町調査 2021春

水屋・水塚の調査で河内町に行きました。

コロナ禍で外出する機会が減り、久しぶりにたくさん歩いた気がします。

現地調査や学会などへ気兼ねなく行ける日が早く来ることを祈ります。

河内町の水塚は規模の大きいものが多かったです。

水屋の建築物が、倉や納屋ではなく離れの住宅のものもいくつかありました。

 

離れ(住民の方は「書院」と呼んでいました)が水塚の上に建てられています。

舟を所有している方も。

論文が掲載されました【Journal of the Human-Environment System Vol.23 No.2】

Journal of the Human-Environment System Vol.23 No.2に研究室の論文2編が掲載されました。

論文のタイトルは、

Outdoor thermal environment of a traditional settlement with a group of wooden storehouses in summer daytime at Tsushima Island, Japan

(対馬の群倉を有する集落・鰐浦を対象とした熱環境の実測調査の研究です)

Microclimate in the Fields with Cycas Hedges in Amami Oshima,Japan

(奄美大島のソテツバテを対象とした熱環境の実測調査の研究です)

です。

 

対馬・鰐浦集落の群倉。

奄美のソテツバテ。