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2014年05月 アーカイブ

2013.05.29

弘前へ

5月の25日〜28日まで青森県の弘前市へ。
昨日、28日夜につくば着。
今日午前中授業を2コマ、これからいわき市へ出張。

新幹線を新青森駅で降り、電車を乗り継ぎ弘前へ。
車窓から、リンゴの花が咲くなか田植えの風景が目に入る。
つくばとひと月違う感じ。植生も違っていて、景色を眺めるのが楽しい。
田んぼには苗、リンゴ畑には白い花、菜の花やイタドリ、フキの群生が田んぼと畑の隙間を埋める。
枯れたすすきは、雪でぴたっと地面に押しつぶされたまま。
木の折れ方も違う。簡単に作られた板塀、作業小屋も雪で痛んでいる。
弘前の市内では、除雪車や重機の跡が地面に刻まれている。
春の雪国に冬が残っている。

もう10年程前になるが、日本文化財漆協会の仕事で浄法寺に通っていた頃、浄法寺地区の漆樹育成のご担当が斎藤さんだった。そんな縁もあり斎藤さんの工房で実際に津軽塗の実習をしながら、数百枚の手板(塗りのサンプル)について聞き取り調査を行った。
変り塗の技法から、唐塗り、紋紗塗り、七々子塗りについて教わる。
唐塗りは特徴のある篦を使う。篦はイタヤカエデで作られる。七々子塗りは、菜種を紋様の仕掛けに使用する。紋紗塗りは籾殻粉を炭にした素材を用いる。籾殻や菜種などの身近かな素材を漆塗りの中に積極的に取り入れ様々な表情を生み出す。
農関工芸的には、その辺にある「ありもの」、身近な素材を有効に扱う技術と言える。
調査の間、ホテルから弘前城内を通って、斎藤さんの工房へ通う。
桜で有名な弘前城は古い桜の樹が多く並ぶ。まだほんの少しだけ、桜の花がついている。
場内を抜けると岩木山が目に入る。山の上半分ほど雪が残っている。
斎藤さんの工房は、小学校のとなり。グランドの脇に小高く四角い山がある。冬の体育のミニスキー場。所変わればである。青森ではこれが当たり前との事。
長野では、冬になるとグランドにスケート場が現れる。保護者たちがせっせと、枕木を積んで枠をつくり、大きなビニールシートをはって池を作る。するとスケート場になる。体育は毎回スケート。
朝、自分のスケート靴を専用の研ぎ代にセットして、キングの800番で研ぐ。「カエリ」がつくまで砥石を八の字にまわしながら研ぐ。刃がつくと氷面を捉える事ができる。研ぎの大切さを体感した初めての経験。
帰りに青森市に立ち寄る。青森県立郷土館、青森森林博物館、みちのく北方船博物館へ。
郷土館は臨時休業。残念。
最近出かけた三重県鳥羽市の海の博物館が素晴らしかったので、青森でも船の博物館へ。
木船が所狭しと並ぶ。海、川。漁の方法によって船の形は異なる。木と縄。縄文の建築と共通する所が多い。
機能美。これにつきる。
マイブームの多くの垢取りも見る事ができた。

これから出張なので続きはまた。

2013.05.22

どうやら研究室横の原っぱにキジが縄張りをつくった。
毎日ケンケン。今日もケンケン。
ウグイスも鳴く練習を始めた。ケキョケキョケキョ ホ。

今日は念願のホウキ職人さんの工房を見学。
ゼミ生と総勢7名でつくば市内の酒井さんの工房へ。
今年は酒井さんのご協力を得て、ホウキ草(ホキモロコシ)の栽培から、収穫、乾燥、そしてホウキの制作を行う予定。
そのようなお願いをして、ご快諾いただけた。
そして、早速の種まき。畑へ行くと、いつでも種まきができる状態に準備されていた。
種まき。
両足を広げ、足を鍬のように動かし畝をつくりながらゆっくり前進。ふたつの畝ができる。
手は後に回して下で組む。学生は酒井さんの真似をしながら畝作り。もちろん手は後ろ。下で組む。
酒井さんと学生が並んで足を開き畝を作る。
足で作られた畝にぱらぱらと種をまく。
その後、また両足で土をかけ作業終了。シンプル。
足の動いた軌跡が残る不思議な畑の完成。
1週間程で芽がでて、お盆の頃には収穫できるということ。
収穫したホウキ草を使って酒井さんの指導のもと、それぞれのデザインでホウキの制作をおこなう。
農閑工芸の実践。
酒井さんの工房へ伺うのは今日が初めてだった。
名刺代わりに僕が持っているホウキの一部を持参。いろんな国のホウキ持っている。
今日持って行ったホウキは韓国、中国、フランス、ウズベキスタン、イスラエル、インドのもの。
日本では佐渡、長野、岩手、高知。
ホウキはその土地の植生や生活を反映していて、比べてみると面白い。気が付くと、いつの間にかホウキ持ちになっていた。
ほとんどは学生や友人からのお土産。ホウキが好きと公言していたら自然とたくさん集まった。
インドへ自分探しの旅へ出かけるという学生がいた。
その彼のまなざしは少し遠くへ向けられていた。
そんな彼へ、自分はどうでもいいから良いホウキを探してきなさいと適切な指導を行った。
結果、見事に美しいホウキを探して帰ってきた。
持って帰ってくるのに苦労したと思われる長いホウキ。
そう、それで良い。
しかし、ホウキがあり過ぎると掃除が難しい。ホウキでホウキを掃くためのホウキ掃き用専用ボウキを探してみよう。ついでにホウキ掃き用専用ボウキ用チリトリも。

酒井さんと奥さんは、僕の持参したホウキに興味しんしん。使われている植物の種類は様々だが、ほとんど知っていた。さすがである。
畑仕事のあと、おいしいトマトと冷えた三矢サイダーをごちそうになった。少し早めの夏休み。
お土産に畑で育てたキャベツにラッキョウ、ニンニクの芽、そしてみずみずしいタマネギをいただく。何から何まで、本当にありがとうございました。
今回のホウキ制作では、素材を育てるところから造形までを一貫して行う。
これはとても楽しみ。自然、学生のテンションも上がる。
秋に行う予定の「農閑工芸の展覧会」で発表する予定。これには卒業生の参加も企んでいる。
連休中に耕した工房畑の野菜も順調に育っている。こちらも収穫が楽しみ。
そして今週末からは青森県弘前市の斎藤さんの工房へ。津軽塗の調査。
弘前は2回目で、前回も斎藤さんの工房への旅。
大学院生のジョアナも調査補助として参加。また報告します。