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2015年03月 アーカイブ

2013.03.25

これから謝恩会

今日は卒業式。
外に咲く桜がおかしく見えるくらいに寒い一日。
大学院生3名と学群生4名のゼミ生が無事に卒業。
グローバル、生産性、効率的という言葉とはあまり縁のない領域ですが、皆さんそれぞれ、確かな手触り感や手応えを持ち卒業されることと思います。

これからもこのブログは細々と続けていきます。
多分。
皆さんもたまにのぞきにきて下さい。
相変わらず同じこと書いてるなと思うでしょう。
そういう場所があるのも良いことです。
ご卒業おめでとう。

2013.03.18

伊勢神宮

卒業生や修了生は卒業式前に、こぞって旅行にでかけた。卒業生は台湾へ。
ちょうど同じ頃から義妹が台湾で暮らし始めた。
台北にあるグラフィックデザインのオフィスを間借りして仕事をするらしい。台湾滞在のブログがあるのでお暇な方はご覧下さい。ぶっきらぼうで面白い。

3月15日から17日まで、農閑工芸のリサーチで三重県へ。
15日は名古屋で乗り換えて豊田市美術館。「黒田辰秋・田中信行|漆という力」をみる。
黒田辰秋の作品は、機会があるごとにみるようにしている。駒場の民芸館、京都の河井寛次郎記念館や鍵膳良房、滋賀の佐川美術館等々。
数年前、京都の百万遍にある進々堂には大きなテーブルを見に行くもお休みだった。残念。
今回は黒澤明が使用していた椅子とテーブルのセットを初めて見る事ができた。大きくてびっくりするだろうと想像していたが、やっぱり大きさに驚く。
乾漆や木工の作品が数多く展示されていた。そのなかでも紙刀がすごかった。ペーパーナイフなので小さな作品なのだが存在感が大きい。
大学生の頃、お世話になった田中先生の作品も一同に見る事ができた。

16日はいよいよ伊勢神宮へ。
昨年の出雲大社も初めてだったが、伊勢神宮も初めて。今年は出雲大社と伊勢神宮の式年遷宮が重なる年。
神宮に入ってまず、スギやケヤキの大樹に圧倒される。
内宮、外宮に点在する社殿は、大樹の立ち上がる森に佇む。屋根には苔が、そして無塗装のヒノキは思ったよりも早く朽ちてきていた。社殿は自然に帰ろうとしている。
いくつもの社殿のすぐ隣には、新しい社殿の造営が進められている。鉋のかかったヒノキがキラキラと光る。漆で金箔を押した銅板と同じように金色に輝くヒノキ。
樹木から素材へ。素の材としての生まれたての姿が、大げさでなく、金色に光っている。手鉋でしかこの艶は得られない。
遷宮に使用されるヒノキの材は1万3千本程。その76%が木曽から運ばれる。木曽は僕の故郷。
数年前、学生と一緒に赤沢美林を訪ねた。樹齢300年を超える美しい木曽ヒノキの森が広がっている。
伊勢神宮の御用材として、江戸時代から育てられ守られてきた。最も古い樹で樹齢450年と言う話を聞いた記憶がある。
宮大工、西岡常一の話に良く出てくることば。
「法隆寺の檜は、千三百年ほどのところで伐った木が、その後千三百年をたっても材として生きて使われています」
「千年の木は材にしても千年持つんです」
ということは、赤沢美林にあるこの立派な樹齢450年のヒノキは、後550年待たなければ1000年持つ材にはならない。気が遠くなった事を覚えている。

外宮のすぐ近くにあるせんぐう館、少し離れた神宮徴古館・農業館も見学。
農業館に展示されていた「子日目利箒」は正倉院模造の品。
硝子の繊細なビーズの付いたホウキ。根っこの部分も使われていて、美しいデザイン。5色程のガラスビーズがホウキを彩っていた。これは高野箒(コウヤボウキ)と呼ばれるもの。
せんぐう館、神宮徴古館では、恩師が関わった御装束神宝もみる事ができた。

鳥羽まで足を伸ばし、海の博物館へ。
建物もだが、展示が素晴らしい。どちらかというと、建築を見に来る人の方が多いとも聞く。
日本全国より集められた漁業に関わる品々が所狭しと並ぶ。特に、木造船を展示している館に圧倒された。
様々な木造船が80隻ほど連なって展示されていて、壁には櫂等の木製品が並ぶ。ひとつひとつ丁寧に見る時間がなかったが、良い形の物ばかり。
これまでいろんな博物館や資料館を見てきたけど、展示品と建築がこれほど良い関係にある場所は無かったように思う。個人的な意見だが、博物館にある収蔵品の中の、ほんの小さな名も無き器よりも小さく感じる、大きな建築というものが存在する。
垢取り。
以前のブログに書いた、船にたまった水を掬う垢取りも数点展示されていた。
沖縄では刳物による垢取りがたくさん残る。ここでは奄美のものが船と一緒に展示されていたが、沖縄と同様に刳物で削りだされていた。
水を扱う道具なので、一木から削り出されている。板を組み合わせて作るより丈夫なのだろう。

現在も様々な資料が全国から集められているらしい。そういえば、喜多方の三日月湖に浮かぶ木の船も、船大工がいなくなったので直す事ができないと聞いた。全国に2万人以上いた船大工さんもほとんどいなくなったとも聞く。修理されずに役目を終えた木の船が日本中にたくさんある。木で作られる漁具は、無くなっていく。
閉館ぎりぎりで入館したので、小走りで展示を見た。圧倒的な量の展示物があり、もう一度機会を見て訪ねたい場所になった。

伊勢神宮では、式年遷宮により常に新しい社殿が建ち、古い形をそのままに残す。
遷宮により解体された社殿の材は、全国の神社の造営に再利用される。

木の船は、船大工がいなくなり、まだ使える船が直せずに使命を終える。
最近は、直す事のできない物が増えた。
作る、直すという人間の基本的な仕事は、買う、捨ててまた買うという行為に変わってきた。
消費すること、消費活動が僕らの社会を形作っている。
社殿や神宝から、「手間ひまかけて」ということでしか得られない価値を改めて認識した。

 

2013.03.12

かたちのないかたち

展覧会のお知らせ。
「かたちのないかたち」
遠藤章子さんと柵瀬茉莉子さんによる展示。
GALERIE PARISにて。
明治44年に建てられた日本で一番古いオフィスビル、横浜の三井物産ビルに入るギャラリー。
2013年3月18日(月)-23日(土)

遠藤章子さんは、昨年修了し筑波大学で特任研究員として硝子の研究を続けている。
柵瀬茉莉子さんは、木工を修了した後、作家として活躍。
そして、BankART Studio NYKで開催する「UNDER35」にも参加。
こちらは、2013年3月22日(金)-4月14日(日)
35才以下のアーティストによる個展のシリーズ。
卒業生ががんばっているとうれしい。