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2017年10月 アーカイブ

2012.10.31

三日月湖の木の船

「喜多方を、食事会を、遊ぼう!」に向け喜多方で製材ワークショップを開催した。
研究室イベントはいよいよ本番を待つ。といっても待ってても何も起こらないので、11月10日に向けて料理、器、空間の作り込みが本格的に始まる。
ワークショップの前日、27日に講演会やイベント会場のリサーチを済ませて泊まった大川荘は、喜多方の町中から車で20分程山に入り、少し下った所にあった。
農家を営みながら、近くのひっそりとした三日月湖に貸し出し用のボートを浮かべている。
おいしい朝食をいただいてから散歩。
すぐ裏にクワの木が並んでいた。養蚕用に育てられていたクワの木が大きくなっている。横の斜面には漆の木が植えられてあった。漆を掻き取った跡の残る木も。そして畑には白い綿が顔を出し、畦道には拾ってきたクルミの実が集められていた。
さすが農閑工芸の本場。
細い砂利道を三日月湖まで下る。
深い森と林に囲まれた、静かな朝の湖面に鷺と鵜が飛ぶ。
今となっては珍しい釣用の木の船が20艘ほど岸に。
垢取りと呼ばれる、船に入った水を救い上げる道具も船に置かれ、船と同じスギで作られていた。
この垢取りは各地の博物館や資料館で見る事ができる。
簡素で面白い形が見られ、そのバリエーションも豊富。
沖縄では、刳物の美しい垢取りをたくさん見た。駒場の日本民藝館にも陳列されている事が多い。
木の船を見ていて、冬になったら船はどうするんだろう?ふと思った。
氷のはる湖面に浮かべておく事はなさそう。
普段水につかって安定している木の船を水の外に出したら、木は割れてしまう。としたら?
宿に戻って聞いたら春まで湖に沈めておくと言う答え。
春になったら湖から船を引き出す。
なるほど。
地元の船大工さんが廃業したので、木の船を作る人も修理する人もいなくなってしまったらしい。船大工さんの持つ技術や道具は特殊なものなので、今ある木の船が無くなってしまえば、木船が浮かぶ三日月湖はなくなる。
楽しい一晩を過ごした研究室一行は、製材ワークショップのため渡部木材さんへ向かった。
渡部さんは80才を過ぎてまだまだ現役。大きな木材をフォークリフトで動かし、機関車のような製材機を操る。
しかもお洒落。
コラムシフトのベンチシートのブルーグレーの木材配達用のダットサンに45年乗り続け、ボルサリーノの帽子を愛用する。戦前の三越の帽子ケースが事務所に座っていた。
製材ワークショップでは、製材から加工までの作業工程を身体で感じる事が目的。
素性の良い大きなキハダの木を製材してもらった。キハダ独特のパリパリした木の肌と静かな木目が現れた。
テンションが上がる。木が欲しくなる。我慢する。
4年生の福島さんは卒業研究のための木材を吟味して購入。
ホウの丸太を製材し、その木を使って制作したのは「器としてのカッティングボード」。
本番のイベントで活躍してくれる。
渡部さんから木材のことやお洒落のことを教り、いつもの平出竹店で梅干しとお茶をいただき、雨の中つくばへ戻る。
平出竹店さんの髭は20cmはある。そして渡部木材さんの髭は10cmほど。
平出さんは渡部さんのことを髭さんと呼ぶ。

2012.10.31

HARENTIC ZOO

黒猫チェルシーのセカンドアルバム。
Sony Musicよりリリース。
ベースの宮田君は、木工の学生なのだが現在は音楽活動に 専念している。
アルバムを送ってきてくれたので 微力ながら宣伝。

2012.10.26

喜多方を、食事会を、遊ぼう!

中村君がリーダーとなって行うワークショップ。

喜多方を、食事会を、遊ぼう!
~PLAY MEAL!~

内容:
おいしい野菜や、器になってくれる木や竹や漆もある喜多方。手を動かし、五感を使って食べる、遊ぶ。
喜多方の人や食材や工芸がゆるやかに繋がるような。
いつでも、誰でも飛び込み歓迎の食事会を開催します。
会場:漆座 喜多方市寺町4689
会期:2012年11月10日(土)
時間:13:00~16:00
料金・申込:不要
主催:筑波大学宮原研究室miyahara@www.geijutsu.tsukuba.ac.jp
協力:森姫農園 千世繭子さん、雄国竹細工保存会のみなさん、渡部木材さん
※時間内ならいつでも参加いただけます。

最近は忙しく、学生とのミーティングはお昼ご飯を食べながらという感じで、なかなか時間が取れない。
ので、今回のワークショップで試してみたい事を書いておく。みんな読んでおいて下さい。
食事と器について喜多方で遊びながら、食のクリエイティブについて考え実践します。
器の形を考えるとき、制作者はそこに自己投影を試みます。もちろん、そうでないこともあります。
表現としての器が持つ自由さも好きですが、今回は食事の形体に変化をつけて、食材から、料理から器やテーブル等のしつらえを考える機会を作ります。
消費社会といわれて久しく、その言葉も当たり前のように耳にします。
大量生産、大量消費の文化では物の単価が抑えられ、様々な物を手に入れる事ができるようになりました。
前にも書きましたが、拾うほど捨てるほど物に溢れています。
器の形が生まれる方法や生まれるきっかけ等は様々ですが、今回のイベントでは、食事をしながら考える器のデザインです。
消費社会の今、たくさんの人によって考えられた器が、たくさんの国でたくさん作られ、お店に並びます。僕らはその中から好きな物を選んで購入します。
もう少し小さな社会だった頃は、器と料理は風通しの良いやりとりがあったと思います。
そのやり取りとは、ある食材が現れる。例えば僕の子供の頃は当たり前ではなかったアスパラガス。
あのスリムな緑を綺麗に見せる料理を考えたとします。秋刀魚用の器では少し大きすぎる。
もう少し小さく繊細な器が欲しくなる。
そこで新しい器の形が必要になり、制作を依頼する。
料理を提供するお店では20枚が必要になった。
お皿をしまう場所が限られていると、そこに入る幅や奥行き、高さに制限がある。そして、それらを考慮した器のデザインが決まってくる。
意識というより限定された食材、身体性を伴った空間から器のデザインが生まれてくる。
今回は自己投影、自己表現の器ではなく地域や他者との関わりから生まれる器、もしくは食事の形体を考えていきたい。
そのような工程を短いワークショップの中で、体感し考えていきたい。
身体性とは、喜多方の豊かな自然を背景とした人的・文化的資源とも言える。
喜多方を、食事会を、遊ぼう!
調理をしながら皿のようなそうでないような板と棒で食べながら考えたり、それを器として機能させる料理を考えてみたり。
今春、学生と一緒にカゴ・ザルの制作指導を受けた雄国竹細工保存会さんの協力を得て、このイベント用の器を制作してもらっています。
その中には、途中まで編んでもらうものも含まれている。
また、28日の渡部木材さんで行う「製材ワークショップ」でも、木材の製材等その加工の工程から木の器を考える、きっかけづくりにしていきます。
料理では、森姫農園さんの協力を得てチマキやおやき等を作りながら食べる、など。
食事について考えるゼミを兼ねた提案会です。

喜多方を、食事会を、遊ぼう!
学生の皆さん。遊びきりましょう。

2012.10.23

東北の秋

今週から5週続けて週末は喜多方と会津若松。
お知らせと自分自身忘れないために予定を書いておく。
2012会津・漆の芸術祭は開催中。
本年度の芸術祭のテーマは「地の記憶 未来へ」。
喜多方市の二十間蔵で逢坂卓郎先生と約36Mの奥行きを持つ大きな蔵で発表している。

逢坂先生の作品は「Molt -脱皮」。以下、漆の芸術祭HPより。

私たちは震災をきっかけとして、既成概念や制度を見直さねばならない中で、新しい道を見出す為に暗中模索の状況が続いている。
歴史ある二十間蔵の空間の中に漆のパネルを浮遊させ、光と闇を介し、地の記憶を超える、姿を引き出す試を行う。

宮原の作品は「A Faraway Sun- 遠い太陽」。以下。

精神の動きを、漆とその技術で物質化することを試みる。無数の二葉の森を蔵の床に置く。

36Mの床面を僕が使用し、梁から上を逢坂先生が使う。
100個以上のLEDを配置し、会場全体の光がプログラムにより変化する。

大学院2年生の赤木春菜さんも公募の難関を突破して、三十六間蔵で「Whirlpool」を発表。
2010年に続き、蔵独特の空間そのものに漆の作品でアプローチしている。以下。

地は再生の場所である。大地があれば作物を育てることができる。家を建てることもできる。当たり前で忘れてしまっていたこと。
自然の恵みと先祖の知恵を少しお借りして、人は営みを繰り返す。人と自然の分かちがたい共存と協力が再生のシステムにある。それは緩やかで力強く巡るサイクルである。
今小さな気配が渦になってゆっくりと動き出す。

10月26日〜28日。
26日は大和川酒造にて行なわれるイベントに参加。
27日は福島藝術計画×Art Support Tohoku-Tokyo「までいの心プロジェクトⅡ」での講演会。
喜多方ほまれ酒造雲嶺庵にて13:00から15:00。大原美術館学芸委員の柳沢秀行先生、喜多方の金親丈史さんに続いて「農閑工芸プロジェクト」についてお話しをする予定。
28日は会津・漆の芸術祭に宮原研究室で参加している一連の流れで「製材ワークショップ」を行う。喜多方市渡部木材さんと協力して実施。
ゼミ修了生の柵瀬茉莉子さんの展示「製材所の端っこたち」も開催中。柵瀬さんもやはり2010年の芸術祭に参加した。ひと月以上滞在しながら、喜多方市内にある物作りの場から多くを学んだ。
28日の製材ワークショップ。
筑波の木工の学生は、調査などに同行してもらいいろんな場所に行っている。今年だけでも秋田、福島数回、島根など。
製材所はしばらく行っていなかったので、今いる学生は初めての体験になる。これまでは石川県山中の挽き物木地の製材所や長野県木曽の製材所などを見学した。
11月3日、4日はプライベートで喜多方へ。
なにもプライベートで行かなくてもと思うが、息子達に作品を見てもらう。
暗い蔵の空間で次男坊主は多分泣く。
いつもの鈴木家と宮原家でお出かけ。
11/10日のワークショップでお世話になる森姫農園さんで農泊。
森姫さんではピザをみんなで作り、石釜で焼く予定。楽しみ。

11月9日〜11日。
宮原研究室のワークショップ。
漆座にて4年生のDJ中村友貴君の仕切りによるワークショップ「食と器で喜多方を遊ぶ食事会」。
今日はその準備をかねて、企画を練る。木工畑の芋ほり大会が終わった後、ワークショップ開催。
今年の畑には箒草を植えた。今は螺旋階段に並べて干してある。今年の冬は箒をつくる。
それと大和川酒造にて宮原プラン「器の蔵」を10日に開催。
器と食を通して地域の面白さを再認識する事が目的。農閑工芸の研究で、今年の夏に行った竹工芸の展開もここで試みる。

17日〜19日。
筑波大学CRプロジェクトで、会津若松市内に震災後避難されている方々が住む仮設住宅内でお祭りを立ち上げる。
ミーティングを重ね、プランも固まってきた。昨日も16:30から11:30までの長いミーティング。
やっとひねり出したアイデアを育てていきましょう。
皆さんお疲れさまでした。 もうひとがんばりです。

23日〜25日。
2012会津・漆の芸術祭シンポジウムに参加し、クロージングパーティー、そして搬出。
学生のみんなも一緒にたっぷりと動きましょう。

2012.10.22

布束竹杖

竹の杖デザインコンペにて、4年生の福島梓さんの杖「布束竹杖」が最優秀賞を受賞しました。
おめでとう。
授賞式のため島根県まで夜行バスで向かうタフな学生。
読売新聞でも紹介されてましたがこちらでも紹介されています。
竹を使った杖のデザイン。
竹は切るだけで杖になる。しかも、加工しなくとも軽量化されていて構造的にも優れている。
竹という素材もだが、杖というのもシンプルなだけにデザインは難しい。
真竹や孟宗竹などの太い竹で、太さもまばらなものを割り、しなやかな杖を作った考え方が認められたと思います。