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2017年10月 アーカイブ

2011.10.30

秘密基地

以前のブログ「カレーとラーメン」でお知らせしましたが、TOKYO DESIGNERS WEEK 2011に学生が出展します。
今、4トントラックに積み込み終了。ほっとしてブログに取りかかっています。
ナリタ君の登場にはいつもやられます。そう、お洒落すぎて。昨年の沼の中からの登場に続き今年はN・Yスタイル。着実に力をつけてます。
これから明治神宮外苑の会場に移動して明日の夕方まで設営開始。ひとつの大きな作品の中にそれぞれの学生の作品が入る面白い構造。作品全体の構想やもろもろのまとめ役はいつもの中尾文哉君+塩満俊彦君。このふたりを含め学生8名+部長アキラさん。昨年、喜多方市にある大和川酒蔵北方風土館昭和蔵で行った能講演の舞台美術でも活躍してくれたメンバーが中心。
作品について学生がまとめてくれたものを以下に。

作品「un-secret base」
秘密基地を作ったことはありますか。
子供のころ、そのへんにあるもので作ったそれは不格好だけどカッコいい自分たちだけの小さなせかい。
私たちはそこにこそ、ものを作るドキドキ感があるのではないかと考えました。  台風16号で落ちた小枝。それを集めて作った基地。 あの頃は大人たちには内緒だったけど 今は私たちの思いを伝える発信基地。

ここからは個人の作品。

赤木 春菜 「magic branch 」
いつもの木の枝、 今日はちょっと違うかも。 枝の先には誰かからのメッセージ、 すこしびっくりしてすこしうれしい。

塩満 俊彦 「color」
枝から生えたいろ。いろづく枝。いろづける鉛筆。

田淵 裕基 「動物インスピレーション」
知っている動物のかたちに見えた枝を集めてみた。 他の人にも同じように見えたらいいなと思って、少し加工した。 枝と動物のちょうど真ん中のかたち。

中村 友貴 「ブランチ・ツールズ 」
その食器たちがもともとどんな格好をして生えていたかを知るだけでブランチもさらに楽しくなると思います。

成田 敬 「sweep 」
そこにあるものを見つめなおすことで新しい形が生まれた。素材に無理をしない自然な形。

福田 藍 「furnituring 」
ほぞを使って継ぐという行為で素材は家具になりうる。

水本 隆朗  「branch case」
枝の一つ一つに何かものを入れられる。 枝から特別な何かが生えているかのように。

秘密基地。いい響き。 そのへんのもので作るということも大切なキーワード。いつかこのブログで詳しくかきたいと思います。

2011.10.28

農閑工芸

TOKYO DESIGNERS WEEK 2011のお知らせやブログの中で農閑工芸という言葉がちょくちょく出てきます。きっとみなさんには耳慣れない言葉であり、一般的にも用いられない言葉です。僕の考える工芸や芸術のあり方を探るうちにたどり着いたような造語で、まだしっかりとした定義付けが自分でもできていません。この農閑工芸という言葉を思いついて喜んでいたところ、もしやと思い検索してみたら既にありました。びっくり。残念なようなうれしいような。
日本民藝協会『民藝』編集部の『民藝』編集部だよりに、
大川亮氏(早くから弘前にて「こぎん刺し」の資料収集を始め、1915年に農閑工芸研究所を作り、復興に尽力。柳宗悦は、美しい「こぎん」を郷土の人に認められ保存されるようになった最初の人は大川氏であったと書いています)
とありました。ネットで拾える資料は少なく、今後調べて行きたいと思っています。
今のところ農閑工芸という言葉を仮に使っているという段階です。僕のイメージする言葉はまだ手に入れていません。これから研究や制作、教育を通してしっかりとした輪郭を捕まえる事を自ら祈ります。
農閑工芸という言葉を思いつくに至る考えは色々ありました。ものを作るとき、人が素材の特性に寄り添う事。自然との対称性の中から生まれるものの価値。また、作る喜びそのものに価値があるということ。展示のせまったTOKYO DESIGNERS WEEK 2011に出展する学生の作品は、そのようなアプローチから生み出されます。
農閑期の工芸というと、ワラジや木の器、カゴ等の民芸品が想像されると思います。農業を生業としている人々が、農閑期に制作するもの。それらは雪深い地域の冬の仕事としても今も多くの素晴らしい物が生み出されています。我が家でも色んなものが活躍しています。僕が取り上げたいのは、それらの素晴らしい物が生み出される背景にあるものです。以前、他の所に書いた農閑工芸についての僕の記述をうつします。バラバラな所から持ってくるので文章はつながっていません。

森林資源を有効に扱う「農閑工芸」は日本各地に見られ、身近な自然素材から器物が作り出されている。作業効率を追求した画一的な物作りではなく、自然素材の特徴に沿いながら、工夫された制作道具で形が決められる。器物の形体は、用途に適した素材と適切な加工方法から生まれ、「用の美」を持つ優れたものが多い。

大量生産、大量消費が文化的一面ともなっている現代では、使い捨ての物にあふれ人と物の関係が危うくなってきている。生産効率を求める分業制の生産現場では、素材への深い理解力の喪失とともに、物を作り出す喜びも失われている。

比較的生産方法が容易である「農閑工芸」では、原材料の調達、加工から完成まで生産物は生産者の手の内にある。福島県檜枝岐での木杓子制作の調査では、ブナを釜で茹でセンで削る刳物技法を見る事ができた。長野県秋山郷での木鉢制作の調査では、原木を切出し大きな水槽に入れておき、取り出しては前カンナで加工する方法がとられていた。これは、水に入れておく事で生木加工の乾燥による割れを防ぐ方法である。また木材内の余分な樹脂分も取り除き、手加工も容易となる。木材を使用した造形教育の現場では一般に、製材後人工乾燥され均一化された木材や合板等を専門業者から購入して造形される。一方「農閑工芸」では、永年にわたる創意と工夫から自然素材の特性に従った柔軟な加工方法が見られる。

主として農業を生業とする人々が、農閑期の現金収入のために行われてきた「農閑工芸」が、日本各地で作られている理由のひとつに、生産方法が容易である事があげられる。もちろん樹種の選定方法、加工技術等には専門的な知識と技術が必要とされるが、他の制作方法と比較し大型の設備等の必要性は少ない。この生産方法が容易であるという事が造形教育の応用に繋がる。

今後も「農閑工芸」については、色々書いて行きます。単にものを作る事にとどまらず、色んな角度から掘り下げて行きます。

2011.10.25

LIFE!

LIFE!のホームページができました。
http://www.geijutsu.tsukuba.ac.jp/~life/life_blog/
wordpress/ 以下、ホームページにある紹介文を転載します。

「LIFE!」は、筑波大学人間総合科学研究科博士前期課程芸術専攻在籍の8名からなる脱領域的なグループです。2010年の「会津・漆の芸術祭」に参加した学生が中心となり発足しました。東日本大震災後、アートにできることを真摯に考え、東北・福島の文化・地域資源から学び、新しい生き方を提案します。大きなゆらぎのある時に、どこに身をよせるのか。その場所に気づくことから始めました。

現在は福島県を中心に活動しています。様々な人や地域との有機的な繋がりから様々なプロジェクトが生まれています。展覧会やLIFE!祭り等の情報も是非ご覧下さい。

 

2011.10.21

カレーとラーメン

11月1日(火)から11月6日(日)にかけて、明治神宮外苑にて「TOKYO DESIGNERS WEEK 2011」が開催されます。学生の作品が「学生作品展プラス」のブースに展示されます。是非ご覧下さい。詳細はおってこのブログでお知らせします。http://www.tdwa.com/

農閑工芸の手法で「ありもの」を有効に活用した造形表現の試み。僕が体調を崩していたためリサーチや制作にかける時間が大幅に少なくなってしまった。さて、開催が迫る。

ここでカレーとラーメンの話。
2日の時間があったとする。
カレーであれば、食材を吟味し、仕上がり具合をみこして全体が良いぐあいに仕上がるようカットされた材料を揃え、タマネギを炒める事から始める。2日あれば自分の技術を存分に発揮してイメージ通りのカレーをつくる事ができる。インスタントラーメンでは、3分の調理時間以外はいらない。他の時間は遊んですごすか、うまいラーメンをリサーチしお取り寄せするか。もしくは、絶食してラーメンに辿り着く辛くて楽しい道のりをゆっくり味わうか。
3分の時間しかなかったとする。
カレー、これはむずかしい。ミキサーで野菜をペーストにしている間にお湯を沸かし、鍋に合流。そこへいきなりルー投入でフィニッシュ。おいしくなさそうだけど、何か新しい料理が生まれるかも。インスタントのカレー、これOK。ほか、隣人がおいしいカレーを作り終わってまさに今食べるという奇跡の瞬間に出会う。ラーメン、問題無し。

学生のみんなには、出展に対し制作時間が少ししかないというマイナスをプラスに転じることを期待する。厳しい条件だからこそ新しい何かが生まれる可能性があるでしょう。そうなれば僕も体調を崩したかいがあるってもんです。がんばって下さい。