秋田へ

秋田県に行ってきました。

私は、一応、47都道府県すべての土地を自分の足で踏んだことがあります。

ですが、「訪れたことがある」とハッキリ言い切れないところが3箇所ありました。

その一つが秋田県です。残りの2箇所は青森県と佐賀県です。

今回は、山形大学の濱先生と秋田県立大学の李先生にご案内していただき、堆肥小屋と風除けの板塀を中心に現地調査を行ってきました。

堆肥小屋、想像していたものと異なり、組積造が魅力的な立派な付属屋でした。百聞は一見に如かず。現地に行ってみてよかったです。

板塀もなかなか興味深いものがありました。現在でも新設したり補修したりしているとのこと。じっくりと調べてみたいな、と思いました。「風」の研究は私の原点ですし、新しい研究テーマとして魅力を感じました。

秋田を再訪出来る日が楽しみです。そして、青森県と佐賀県もちゃんと?訪れて、早くスッキリとした気持ちで「47都道府県に行ったことがあります」と言えるようになりたいな、とあらためて思いました。

堆肥小屋の例。
堆肥小屋を撮影する山形大学の濱先生。
沿岸部で見られる風除けの板塀。
板塀と松林と風力発電。秋田沿岸部の「風の気候景観3点セット」。
畑の敷地境界にも板塀が。
秋田県の沿岸部にはたくさんの風力発電施設があり、風が強いことを教えてくれます。

奄美調査 2021年8月

再び、奄美大島へ調査に行ってきました。

今回は、大同大学の渡邊先生、名城大学の石井先生との合同調査でした。

高倉の空間実測と温熱環境実測を行いました。

奄美に着いたその日に台風が発生し、調査が実施できるか、帰りの飛行機は欠航にならないのかと、不安な状態でのスタートでしたが、幸いなことに前半は晴れの日もあり、帰りの飛行機も無事に飛びました。

学生たちは雨の中を頑張って調査してくれました。

 

板倉構法住宅の室内温熱環境調査

オリンピックの開会式まであと一週間。

いよいよ関東地方も梅雨明けでしょうか。

 

今週は、2軒の板倉構法住宅にお伺いしました。

室内温熱環境の実測調査を実施すべく測定機器を設置してきました。

 

千葉県流山市のE邸。山武杉が使用されています。

設置した測定機器。

奄美調査 2021年7月

奄美大島で一週間ほど調査を行なってきました。

今回は主に高倉に関する調査を行なってきました。

 

かつては大切なお米や黒糖などを保存するために用いられてきた奄美の高倉。

現在ではその多くがトタン葺きとなり、形も変わり、住宅敷地内に現存するもののほとんどは物置となっています。

 

ですが、床下に形成された半屋外空間は、コミュニティスペースとして受け継がれてきているように感じました。

公共施設等に移築された高倉は東屋のように利用されています。

きっと、金属製の屋根の東屋よりも快適な空間が形成されていることでしょう。

地域を象徴する伝統的な建築物を移築して新たな役割を与える・・・こんな保存・活用方法も「アリ」ではないかと思います。

 

調査中の学群4年生の井本さん。

庭の東屋としてリノベーションした高倉の事例。

公園に隣接して移築された龍郷町の高倉。

高倉を利用する人たち。吹き抜ける風が心地良かったです。

雀も高倉の下がお気に入りのようでした。

津久見調査2021年5月

みかん小屋などの調査で大分県津久見市に行ってきました。

梅雨入り前に・・・と思って計画したのですが、運悪く、梅雨入り。

あまりにも梅雨入りが早すぎる気が・・・。

 

雨の中、雨後の蒸し暑い中、調査を進めて、なんとかノルマ達成。

脹脛がちょっと筋肉痛です。

 

アメニモマケズ。

まるでお城のように石垣の上に建てられています。かっこいい。

ちょうど、みかんの花の季節でした。空にはモンシロチョウが飛び交っていました。

河内町調査 2021春 その2

再び、河内町へ水屋・水塚の調査に行ってきました。

この日は春というよりも、初夏のような陽気でした。

河内町の水塚は本当に規模が大きいです。

水屋がなくなった水塚を庭としてきれいにしている例が散見されました。

 

庭として整えられた水塚。ソテツを植えているところもいくつかありました。

きれいな生垣もありました。

鬼滅の刃!?

河内町調査 2021春

水屋・水塚の調査で河内町に行きました。

コロナ禍で外出する機会が減り、久しぶりにたくさん歩いた気がします。

現地調査や学会などへ気兼ねなく行ける日が早く来ることを祈ります。

河内町の水塚は規模の大きいものが多かったです。

水屋の建築物が、倉や納屋ではなく離れの住宅のものもいくつかありました。

 

離れ(住民の方は「書院」と呼んでいました)が水塚の上に建てられています。

舟を所有している方も。

津久見調査 2020夏 その2

津久見調査の追記です。

前回の報告から、だいぶ時間が経ってしまいました。

 

今回の調査でも、「かつてのみかん畑」を歩きました。

遠くから見ると杉林や雑木林の様に見える山の中に入っていくと、苔生した石垣の段々畑に遭遇します。

 

昨年度に同じ様な光景を目にした時は、フォトジェニックな場所だな〜としか感じませんでした。

今回はもう少し深く考えることができ、石垣の段々畑に木々が生えることにより、斜面の保水力が上がるとともに崩れにくくなるなど、防災の効果があるのではないか・・・と想像しながら調査していました。

一方で、手入れが行き届かず、石垣が崩壊して危険な状態になっているところもありました。

みかん畑がなくなった斜面地の石垣を保全・補修する意義が多面的にありそうです。

 

その他にも、防風垣の跡や山の上部に開拓されたみかん畑など、あらたな発見もあった調査でした。

 

斜面上部の一画に切り開かれたみかん畑。

枝を切り落とされたイヌマキが。おそらく、かつては防風垣だったのでしょう。

斜面の上まで石垣が続いています。

モノラックのレールがあると、この先にみかん畑があったのだなあ、とわかります。

津久見調査 2020夏 その1

大分県津久見市に行ってきました。

みかん小屋の調査です。

出発間際になって台風が発生しましたが、なんとか調査を実施できました。

曇ったり、雨が降ったり、晴れてきたり、台風と秋雨前線の影響を受けて毎日お天気が変わるなか、斜面を登ったり降りたり。

橋本は主に斜面地を調査してきたのですが、ふくらはぎがパンパンになりました。

 

それから、これまでの調査でお世話になった、津久見市役所の五十川さんと、浜茶屋の加茂さんに、水畑さんの卒業論文をお渡しすることができました。

 

住民の方からは、牛を使ってみかんを運んだとか、道路が整備されるまでは臼杵まで山を越えてみかんを運んだといった、昔のお話を伺うこともできました。

細部に目を向けると津久見のみかん栽培やみかん小屋のタイプには地域性があるようで、ますます興味深くなってきました。

 

雨の日もがんばって調査しました。

斜面地集落には「石垣ストリート」とでも呼びたくなるような景観もあります。

気候地名「風抜」を発見。

奄美調査 2020夏

ちょっと、どうしても現地で確認しなくてはならないことがありまして、奄美大島に一人で行ってきました。

これまで何度も奄美を訪れていますが、一人で行ったのは初めてだと思います。

台風と台風の合間の日程で行くことができ、なんとか目的は達成してきました。

初日は雨交じりのあいにくの天候でしたが、二日目は晴れました。

実質、3時間しかほどしか太陽の下にはいなかったのですが、結構、肌がヒリヒリしまして。

奄美の紫外線を侮ってはいけませんね。

 

ソテツバテ。蘇鉄の防風林に囲まれた畑です。

奄美の海は本当にきれいです。