津久見調査 2020夏 その2

津久見調査の追記です。

前回の報告から、だいぶ時間が経ってしまいました。

 

今回の調査でも、「かつてのみかん畑」を歩きました。

遠くから見ると杉林や雑木林の様に見える山の中に入っていくと、苔生した石垣の段々畑に遭遇します。

 

昨年度に同じ様な光景を目にした時は、フォトジェニックな場所だな〜としか感じませんでした。

今回はもう少し深く考えることができ、石垣の段々畑に木々が生えることにより、斜面の保水力が上がるとともに崩れにくくなるなど、防災の効果があるのではないか・・・と想像しながら調査していました。

一方で、手入れが行き届かず、石垣が崩壊して危険な状態になっているところもありました。

みかん畑がなくなった斜面地の石垣を保全・補修する意義が多面的にありそうです。

 

その他にも、防風垣の跡や山の上部に開拓されたみかん畑など、あらたな発見もあった調査でした。

 

斜面上部の一画に切り開かれたみかん畑。
枝を切り落とされたイヌマキが。おそらく、かつては防風垣だったのでしょう。
斜面の上まで石垣が続いています。
モノラックのレールがあると、この先にみかん畑があったのだなあ、とわかります。

津久見調査 2020夏 その1

大分県津久見市に行ってきました。

みかん小屋の調査です。

出発間際になって台風が発生しましたが、なんとか調査を実施できました。

曇ったり、雨が降ったり、晴れてきたり、台風と秋雨前線の影響を受けて毎日お天気が変わるなか、斜面を登ったり降りたり。

橋本は主に斜面地を調査してきたのですが、ふくらはぎがパンパンになりました。

 

それから、これまでの調査でお世話になった、津久見市役所の五十川さんと、浜茶屋の加茂さんに、水畑さんの卒業論文をお渡しすることができました。

 

住民の方からは、牛を使ってみかんを運んだとか、道路が整備されるまでは臼杵まで山を越えてみかんを運んだといった、昔のお話を伺うこともできました。

細部に目を向けると津久見のみかん栽培やみかん小屋のタイプには地域性があるようで、ますます興味深くなってきました。

 

雨の日もがんばって調査しました。
斜面地集落には「石垣ストリート」とでも呼びたくなるような景観もあります。
気候地名「風抜」を発見。

奄美調査 2020夏

ちょっと、どうしても現地で確認しなくてはならないことがありまして、奄美大島に一人で行ってきました。

これまで何度も奄美を訪れていますが、一人で行ったのは初めてだと思います。

台風と台風の合間の日程で行くことができ、なんとか目的は達成してきました。

初日は雨交じりのあいにくの天候でしたが、二日目は晴れました。

実質、3時間しかほどしか太陽の下にはいなかったのですが、結構、肌がヒリヒリしまして。

奄美の紫外線を侮ってはいけませんね。

 

ソテツバテ。蘇鉄の防風林に囲まれた畑です。
奄美の海は本当にきれいです。

龍ケ崎調査 2020夏 その2

龍ケ崎に行ってきました。

今回は龍ケ崎市史の編さん当時に水屋・水塚の調査をされた方にお話を伺いに、龍ケ崎市歴史民俗資料館へ。

当時の写真などを見せていただいた後、現地を案内していただきました。

今までに見たことのない、とても大きな水塚などを紹介していただきました。

その後、足を延ばして利根町へ。

茅葺民家がありました。

龍ヶ崎市歴史民俗資料館の屋外展示物。
写真ではわかりにくいですが、他と比べて規模が大きい水塚がありました。
利根町に現存する茅葺民家。

取手調査 2020夏

今回は取手市取手地区に行きました。

小貝川流域での水屋・水塚調査シリーズです。

少しずつですが、調査対象の確認をしつつ、調査へのご協力を依頼してまわっています。

今回も魅力的な水屋・水塚が見つかりました。

新型コロナウイルスだけでなく、熱中症にも気をつけながら、徒歩でテクテク調査します。

 

龍ケ崎調査 2020夏

小貝川周辺での水屋・水塚の調査を久しぶりに再開しました。

3月以来です。

もちろん、コロナウイルス対策を行いながらの調査になります。

橋本研究室もそうですが、現地調査に重きを置いている研究室はコロナウイルスの影響でかなり苦労しているのではないでしょうか。

その上、梅雨がなかなか明けなくて困っています。

曇り空の日の午後になんとか歩き回ることができたのですが、それなりに日焼けしました。

3月は取手市藤代地区を中心に調査を行いましたが、少し範囲を広げて、お隣の龍ケ崎市で水屋・水塚の確認を行いました。

シュロの木が良いアクセントになっていましたよ。

藤代調査 2020春

少し前に、取手市の藤代地区で伝統民家等の現存状況を調査しました。

水害常襲地域である藤代では水屋・水塚がみられます。

約30年前の調査報告を参考にしながら数日かけて地区内をまわりました。

茅葺民家はほとんどなくなってしまいましたが、水屋はまだいくつか残っています。

その中には、ただの防災施設ではなく、庭の一部としてデザインされているものもあり、興味深いです。

シラカシ、イヌマキ、マサキ、ツバキなどの生垣も印象的でした。

 

飯豊町調査 2019冬

山形県飯豊町にヤシキバヤシ・カザライの調査に行きました。

冬季の小気候観測調査です。

残念ながら強い風は吹かず、期待していたようなデータは取れませんでした。

気温が1.5度でも、風がなく、日差しがあれば暖かいということを体験的に再確認できました。

やはり冬季の防風・日射取得はパッシブデザインの中でも大事なのだなと感じました。

 

現地に着いた時は雪景色。向かって右の家にはカザライが、左の家には木柵とネットが設置されていました。
ヤシキバヤシ、カザライ、主屋、土蔵。
屋敷側から見たカザライ。
調査のイメージ その1。
調査のイメージ その2。
帰ることには、すっかり雪がなくなりました。背後の山並みの積雪状況の違いが印象的でした。

会津若松調査2019年8月

会津若松に調査に行ってきました。

今回の調査では、水土里ネット会津大川のみなさんにお世話になり、

水路に関する資料をいただいたり、水路の水源を案内していただいたりしました。

集落を流れる水路網が江戸時代以前にまで遡る歴史を持つとのこと。すごいです。

 

ここが北会津町の水路の取水口である「馬越頭首工」。
堰に段差があるのがわかりますか?手前が改修済み、奥が改修前。水の力で削られていくとのことです。水の力はすごい。
水路の歴史を説明した「うつろ堰碑」。「うつろ」という字は創作とのことで、変換してもでてきません。

2019夏 前期ダイジェスト

前回報告した対馬の夏季調査以後の主な出来事についてダイジェストで報告します。

この夏はいつもよりもスケジュール的にタイトな上、台風の影響も受けていて大変です。

まず、対馬の後は山形県飯豊町に小気候観測調査に行きました。

屋敷林(ヤシキバヤシ)・散居・カザライに関する調査です。

夏にはカザライはありませんが。

冬季はこの辺りにカザライが設けられるとのこと。
WBGT計を用いての調査。

 

そして、8月1日に木ゼミがありました。

水畑さんの発表の様子。

 

続いて、8月3日に大学説明会(オープンキャンパス)がありました。

今年も多くの高校生・ご家族が筑波大学芸術専門学群に来てくれました。

中には小学生の姿も。

留学生からの大学院受験に関する問い合わせも増えてきているように感じます。

オープンキャンパスの様子。

 

翌週からは大分県津久見市へ。

名城大学・石井研究室との合同調査で、みかん小屋の現地調査を行いました。

津久見に行くたびにみかん農家の方をはじめ、地元の方々とのご縁が広がりつつあります。

みかん小屋調査の様子。
加茂さんの家の裏庭で行ったバーベキューパーティー。調査の合間の楽しい一夜を過ごしました。ごちそうさまでした。