在学生・卒業生の声

在学生の声

※在学生の学年は2021年度時点

石井 野絵

ビジュアルデザイン 4年
福島県出身

Q. 今一番興味を持って取り組んでいることは?

ビジュアルデザインの視点から、人の個性やその人らしさを表現することをテーマに研究・制作を行っています。人の個性や魅力を「らしい」かたちで表現し、伝えること。そして人と人がお互いの個性を知り、認め合うことで「自分らしく」人と繋がっていくこと。そのために、デザインの力で何ができるのかについて考えながら、友人や先生、様々な学群の学生や地域の方など、筑波大学という環境を活かした多様な個性や考え方を持つ人との繋がりを活かして取材や研究を進めています。

Q. 芸術専門学群に来てよかったと思うことは?

様々な分野を専攻する人達が常に身近な存在であることです。芸専の中でもデザインやアート、書など様々な領域があり、芸専の外にも幅広く様々な学群がある中で、そうした自分の領域外の人たちを身近に感じながら自分にはなかった新しい視点や知識、技術を学ぶことができるのはとても刺激的で楽しいです。領域や学群を超えてお互いの専門を生かしたプロジェクトを立ち上げることも多く、1人ではできない事も力を合わせて実現させることができる環境がとても魅力的だと思います。

Q. 学業以外で熱心に取り組んでいることは?

つくばの「人」や「地域」と関わる活動に企画やデザインで携わることが多いです。その地域や人の個性や魅力、目標や思いなどを汲み取って、同じ目線に立ってアイデアを出し、一緒に企画を考えたり、それらをビジュアルで表現したりする経験は、実際に人の目に触れて反響が届くのでとてもやりがいがあって楽しいですし、課題とは少し違う、自分の意思で幅広くものやことのデザインに取り組むことができるので、スキルアップにも繋がっていると感じています。

大森 春歌

芸術支援 4
岡山県出身

Q. 今一番興味を持って取り組んでいることは?

子ども向け造形ワークショップの企画運営です。1年生の頃から様々な企画に参加したり、つくば市内外の様々な場所に出張し、ワークショップに携わってきました。コロナ禍の現在は対面開催が難しい状況ではありますが、オンライン開催や、小規模での出張など工夫をしながら月に1回程度ワークショップを運営しています。また、現在執筆中の卒業論文でも、ワークショップに関するテーマを扱っており、実践と研究を通じて造形ワークショップを極め、今後もアートを囲んで人々が集えるような場所をたくさん作っていきたいと思っています。

Q.  芸術専門学群に来てよかったと思うことは?

学群に在籍する様々な学生の多様な視点や考え方に触れることで、自分の考えを深め、視野を広げることができます。加えて、力を貸してくれる仲間と出会うこともできるので、自分が取り組みたい活動などを始めやすい環境にあると思います。また、他学群の学生との交流する機会もあるので、芸術やアートに対する客観的な意見を聞くことができ、自分の専門分野が社会の中でどのように捉えられているのかを学生のうちに知ることができるのも、他の美大にはない良さだと感じます。

Q. 学業以外で熱心に取り組んでいることは?

教員(中高の美術科)と学芸員の資格取得に取り組んでいます。4年生の6月に附属中での教育実習を終え、1月には地元の美術館での学芸員実習を控えています。資格取得の課程は、履修すべき単位や課題も多く大変ですが、その分、授業や実習を通じて、専門的かつ実践的な知識と貴重な経験を得ることができます。4年間で、頑張れば複数の資格を取ることができるというのはとても恵まれた環境だと思うので、残すところあと少しですが、最後まで頑張りたいと思います。

打越 結衣

構成 4年
千葉県出身

Q. 今一番興味を持って取り組んでいることは?

「構成」という研究分野において、かたちの見え方や特性そのものに着目した造形表現について学んでいます。具体的に言うと、私はいま「視点の変化によって多様な表情を見せる造形」という研究テーマのもと作品を制作しています。構成という考え方は一見すると難しく感じるかもしれませんが、私が研究や制作で大切にしているのは「かたちを純粋に楽しむ」ということです。自分が感じた造形的な面白さを他者へどのように伝えるか、という事を考えて制作を行っています。

Q.芸術専門学群に来てよかったと思うことは?

美術を多方面から学べることです。芸術専門学群の大きな特徴として、他専攻・他学群の授業を容易に受講できるという点が挙げられます。入学当時の私は興味関心の幅が広く、芸術学や版画などの授業を受講しました。また、美術館の展示における技術的側面を学びたいと考えたのがきっかけで、学芸員資格の取得を目指し博物館学等の授業も受講しています。特定の分野のみならず横断的な知識を身につけることで、美術に関する多角的な考え方が身についたと感じています。

Q.学業以外で熱心に取り組んでいることは?

大学の弓道同好会に所属して活動しています。芸術専門学群の学生は、課題とサークルの両立が難しいのではないかと言われることがあります。しかし弓道は個人競技であり私の場合は元々経験者であったため、練習には柔軟に参加することが可能でした。集中して弓を引くことで自分自身が精神統一しているのを感じ、良い気分転換になっています。またサークルという場を通じて他学群の友人の多様な考え方に触れるのは刺激的であり、この大学だからこそできる体験だと思います。

蛯名 祐一

建築デザイン 3年
東京都出身

Q. 今一番興味を持って取り組んでいることは?

大学では建築を学んでおりますが、私の興味関心は映像の方にあります。映像作品ごとに存在する世界観が好きで、その作り込まれた設定や見せ方の工夫などを学びつつ、私も自分で考えた世界観を映像にすることに挑戦しています。建築についても、これまで授業や課題を通して学んできたことを将来に生かしたいと考えています。もう少し勉強して業界のことやデザインの考え方が分かって行けばより楽しくなっていく予感がするので、この先の進路を映像系にするか建築系にするかで迷っているところです。

Q. 芸術専門学群に来てよかったと思うことは?

一緒に制作をしてくれる仲間に出会えたことです。これまではいなかった新しいタイプの友達で、一緒にいる時間はまだ短いですが、共に何かを作って行く中でいつの間にか深い交友関係を築くことができました。お互い刺激をもらいながら作品を作れるので、自分を成長させてくれる存在でもあります。また、建築領域にいながら、グラフィック系の授業など、映像の勉強にもつながる授業を自由に受講できたこともよかったです。志望する領域とは違う分野の授業を自由に受講できることは、筑波大学の魅力の一つだと思います。

Q. 学業以外で熱心に取り組んでいることは?

今は多くの授業や仕事を抱えてしまい、やりたいことを熱心に取り組めていない状況です。しかし、そんな中でも映像の自主制作のため、毎週時間が開いた時には撮影に行ったり編集をしたりしています。仕事をもらえることはありがたいことです。もらえるようになり始めると嬉しくてそれに熱中しますが、本当にやりたいことと仕事の内容にズレが生じると、仕事に使っている時間をすごくもったいなく感じてしまいます。今の忙しさが落ち着いたら、仕事を受ける量を減らし、自分がやりたいことと学業のために時間を確保したいと思っています。

前田 愛美

工芸(木工・漆芸)3年
茨城県出身

Q. 今一番興味を持って取り組んでいることは?

木のかたまりから削り出して家具を制作することです。日本の現代の生活スタイルに適した低座家具を提案することをテーマにかたちを考えて制作しているのですが、同時に彫刻的な表現も模索しています。木という素材を生かしながら、石のように積み上げて家具にする、などとかたちを考えることはとても楽しいです。制作で大きな木材を扱っていく上で、自然素材のためヒビが入るなど予想外のことも多々ありますが、それも木材の魅力だと言えるような作品が制作できたら良いなと考えながら日々制作しています。

Q. 芸術専門学群の仲間について

様々な専攻の学生とともに授業を受けることができるため、自然と自分の専門分野以外を学ぶ友人がたくさんできます。自分とは違う考え方を持つ個性的な友人が多く、制作において意見を聞くことはとても参考になり、今までとは違った物事の見方が可能になります。お互いの専門分野を活かして互いに助け合うことも多く、日々楽しく制作に取り組むことができています。また、同じ木工の研究室でも、それぞれが制作しているものも様々で、先輩方のゼミでの発表を聞くことはとても良い刺激になっています。

Q. その他アピールしたいこと

時間さえ許せば本当に色々な授業を取ることができます。芸術専門学群以外の興味のある分野の授業を履修することができ、他学群の知り合いを作ることも可能です。芸術専門学群の授業では、多様な実習が用意されていることがとても魅力的だと感じています。私は専門分野以外の実習に参加することで、以前は作品のかたちを考える際は紙にスケッチするだけでしたが、油粘土や発泡スチロールを使用したりするなど様々な方法が身につき表現の幅を広げることができたと実感しています。

草野 剛

書 4年
埼玉県出身

Q. 今一番興味を持って取り組んでいることは?

書のいくつかの分野の中でも篆刻に最も関心を持って取り組んできました。卒業論文では一人の印人に焦点を当て、作品とそれに付随する言語資料をもとに分析を行うことで、篆刻史上における位置づけを再検討したいと考えています。論文を進める中では多くの発見がありましたが、これは制作にも良い影響があると感じています。古人の技法や創作への向き合い方を取り入れつつ、自分らしい表現を模索することが今後の目標です。

Q. 芸術専門学群に来てよかったと思うことは?

他の専攻・領域の授業を受講できたことです。制作の技法や用具用材の使い方、あるいは美術史学の考え方等、書にも応用できるものは少なくありません。例えば、デッサン的な手法を制作に用いることもありますし、美術史学の視点も応用できる部分があるのではないかと感じています。専門家である先生方から教えを受ける機会は非常に貴重なもので、特に書を学ぶ学生にとっては、他大学では得られない経験なのではないでしょうか。

Q. その他アピールしたいこと

字を書くことが好きで書の道へと進むことを決めましたが、それだけが書ではないのだと気がつきました。芸術の中に書が位置付けられている大学はほぼ筑波大学だけといってよく、特に書に関する理論や研究の方法を学ぶには最も適した環境であると考えています。得た知識を実技に活かし、逆に実技を通して鑑賞し分析する目を養いながら、今後も書に取り組んでいきたいと思います。

長谷川 泰斗

情報・プロダクトデザイン 3年
茨城県出身

Q. 今一番興味を持って取り組んでいることは?

デザインそのものに興味があります。デザインという言葉は、世の中にだいぶ浸透してきましたが、それゆえに日々新しい定義や在り方が問われています。そんな中で、今後自分がデザインを生業としていく上で「そもそもデザインってなんだろう」と考えています。その為に、今は敢えて興味の幅を絞らずに、デザインが扱えるあらゆる分野に足を突っ込んで制作に取り組んでいます。

Q. 芸術専門学群に来てよかったと思うことは?

2つの自由があることです。1つ目は、履修の自由です。芸術専門学群は、かなり自由に履修を組むことができ、自分の関心や制作に合わせて学びを進めることができます。2つ目は、制作の自由です。デザインの課題では、テーマを基に制作を進めますが、決まったアプローチではなく、自由な角度からの回答が受け入れられる環境だと思います。自分の関心やビジョンを自由に捉えられる環境で良かったと思います。

Q. 学業以外で熱心に取り組んでいることは?

主に自主制作とコンペに取り組んでいます。自主制作では、3Dプリンターを使った実験的造形や、カメラや日用品のデザインを行なっています。その中で生まれたアイデアを、様々なコンペに応募し、学外のデザイナーとの交流を図っています。自分のアイデアを自分だけで愛でるのではなく、他人に見せることで、デザインのブラッシュアップはもちろん、新たな出会いが生まれるのが魅力です。

比留間 未桜

総合造形 4年
関東出身

Q. 今一番興味を持って取り組んでいることは?

私は、音声や言語を使用せずに物語を伝える短編アニメーションの制作を行っています。アニメーションは最も目に入る画面上の絵や動きのほか、音や時間、上映形態など様々な要素が総合的に関わって構成されています。現在の私の課題はその中でも時間に意識を向け、観客に感じてもらいたいことを場面の進行や緩急に落とし込んで制作を行うことです。映像の特徴をしっかり理解し、自分の行いたい表現に生かせるようになりたいと考えています。

Q. 芸術専門学群に来てよかったと思うことは?

自分の興味や挑戦してみたい事を、他の学生や先生に相談することができる環境がすぐ近くにあることです。私の場合は、課題などで忙しい時期でも、そういった相談の機会がゼミなどで定期的にあったおかげで自主制作のモチベーションを保つことができました。自分の作品の現状に対して意見がもらえるのはもちろんですが、時々思わぬ方向から制作の協力が得られたりする事も良かったと思う点の一つです。

Q. 学業以外で熱心に取り組んでいることは?

学業の延長にある活動ではありますが、積極的に学外のコンペティションなどにも応募しています。学内の反応とは全く違った意見を得られることがとても多く、刺激になります。時にはコンペティションの講評と学内で得た講評との内容のズレでかなり悩む事もありますが、自分の作品を客観的に見つめ直すきっかけになっています。

瀬島 那月

彫塑 3年
東京都出身

Q. 今一番興味を持って取り組んでいることは?

舞踊をやっている留学生の友達(中国出身の方)と先日連絡をとっていたら、「閃いた!粘土の上で踊ってみたい」と言ってくれて、それからダンスのための空間を粘土で作るとしたらどんな風に出来るだろうと考えています。大地の上で踊ることと粘土の上で踊ることは何か繋がりがありそうで、良いアイデアな気がしています。まだ何も決まっていないし、実現できるか分からないけれど、ゆっくり考えて実現できたらなと思っています。

Q. 芸術専門学群の仲間について

芸術専門学群の人たちは優しいなと本当によく思います。私がぽろっと言った自信のない発言やアイデアでも、「それ良いね」「もっと良くするためにこうしようよ」と一緒に考えて広げようとしてくれたことが何回かありました。また、同じ建物にいるのに人それぞれやっていることはかなり違うし、他の領域は知らないことばかりで、たまにそんな人たちと話すのが面白いです。

Q. 学業以外で熱心に取り組んでいることは?

知り合いの美容師の方と一緒に撮影を行っていて、私は空間のデザインや小道具作り、たまにカメラマンをしています。普段制作している彫刻は頑丈にする必要があるけれど、撮影で使用される小道具などは写真として残すだけなので、ある程度の脆さが許されるのが、自由が効いて楽しいです。その一方で何年も保存が効く彫刻ってやはり凄いものだなと思わされます。多くのものを彫塑の学びに還元できるよう、自主制作も頑張りたいなと思います。

シェパード・ジャックリン

日本画 3年
アメリカ合衆国ワシントン州出身

Q. 今一番興味を持って取り組んでいることは?

日本画という伝統的な表現をより広い世界に羽ばたかせることに関心を持っています。古典的なイメージもありますが、現在の多様な日本画表現を将来に向けて発展させていくには、日本画に触れる機会を増やしていく必要があると私は思います。今は工学と情報学と日本画という掛け合わせに興味があるため、デジタル技術を用い歴史画を分析・再現することや、デジタルアニメーションを通して日本画に基づく表現を世界に発信することなど、これから挑戦したいと思います。

Q. 芸術専門学群の仲間について

芸術専門学群では、領域の専門性を養成しながらあらゆる芸術分野を横断し、興味あるものを学習できるということが良いと思います。芸術専門学群は総合大学の一部であることも入学を志望した大きな理由でしたので、他領域のことを学べる環境はとてもありがたいです。私は日本画領域と並行して、他領域のことや芸術以外の分野もより積極的に学習するようになりました。

Q. 学業以外で熱心に取り組んでいることは?

日本画表現の魅力を絵画に限らず、様々なコンテンツを通じて広く発信することが目標であるため、母国のアメリカのアニメーションスタジオ等でインターンできるよう準備を進めています。そのため現在は日本画の独特な世界観をわかりやすく伝えることができるポートフォリオ作りに取り組んでいます。また、留学生としての経験を活かしたアニメーションやショートフィルムを自主制作として作っています。4年間というのは長いようですが、これまでとても短く感じているので、日本の日常で経験することを映像で語り直すことにより、それらの瞬間を大切にしていきたいと思います。

久野 龍之介

版画 3年
佐賀県出身

Q. 今一番興味を持って取り組んでいることは?

版画領域での作品制作です。入学当初から二年生の終わりまでは油絵での作品制作に励んでいましたが、三年生になると洋画以外の領域への興味がわき、版画で作品制作をするようになりました。表現として単発的なドローイングもあり得ることがとても魅力的で、それが版画を学びたいと思ったきっかけでした。現在は版画の自由な表現の特性を生かし、画面や奥行き、線や明暗等の絵画の構成要素が絶妙なバランスを保ちつつも、その線や色が独自性を持つ作品の制作に勤しんでいます。

Q. 芸術専門学群の仲間について

気軽に意見交換が出来る人がいます。芸術を専門的に学びたい人の集まりなので、研究熱心な人が多く、作品について相談すると分析して明確な意見をのべてくれます。専攻が違えば、また違った意見が聞けますし、また、自分も頼りにされる時があり、その時はとても嬉しかったりします。積極的に話すことで意見を言語化する機会になったり、相手もそれに応えてくれるので新しい分野への興味・発見があったりして先輩後輩関係なく学ぶことが多いです。

Q. 学業以外で熱心に取り組んでいることは?

生活を整えることです。大学生活で特に芸術の学生は課題が作品制作だったり、そもそも自主制作をしたりと制作自体〇時間あれば終わるという目安があるものでは無いので制限なくやってしまう人が多いです。一人暮らしになり時間を自由に調整できるようになると人によっては生活が乱れて授業にも遅れがちになるので、私生活と学業、作品制作を両立させるには、まずは、整った私生活からと考え、よく気にしています。

下山 雄大

美術史 3年
東京都出身

Q. 今一番興味を持って取り組んでいることは?

カナダにおける戦後の美術に関する研究です。美術史の授業で養った作品やテクスト、美術をめぐる制度をじっくりと検討する姿勢や、他学群の授業で学んだ学際的な文化や社会へのアプローチを活かしています。また、学群の1~3年生の研究を支援する「先導的研究者体験プログラム」から助成金をいただいているので、お金がかかる調査にも取り組めています。美術や文化について深く追求できる環境に感謝しています。

Q. 芸術専門学群に来てよかったと思うことは?

美術史学の方法を実践的に学べることです。美術史領域は学生数に対する先生方の数が多く、また先生方の専門分野も多様なので、自分に合ったきめ細やかな指導を受けられると感じています。特に演習の授業では発表や文献講読で積極的な参加が求められますし、先生方から専門的で豊富なフィードバックがいただけます。また、美術館の学芸員を中心に美術に関わる仕事に就いている卒業生の活躍からも刺激を受けています。

Q. その他アピールしたいこと

広い視野を持つことを心がけ、海外の美術や学問に携わる人々から学んでいます。現在は筑波大学の協定校であるカナダの大学にオンラインで交換留学し、美術史や文学を学んでいます。また、筑波大学の「CAIR」というアーティスト・イン・レジデンスの企画運営に参加し、海外の美大生と協働しています。国境や言語の違いを越えた芸術や学び、コミュニティの在り方に関心をもち、また自分でも実践することにやりがいを感じています。

福田 優香

洋画 4年
広島県出身

Q. 今一番興味を持って取り組んでいることは?

3学年の終わりごろからテンペラ画に興味を持ち始め、現在はその技法や原理を自身の絵画制作に取り入れようと日々挑戦しています。今までとは異なる方法で、思考錯誤しながらの制作は非常に苦しく悩むことも多いですが、新しい効果の発見や新鮮な感覚を得ることができるのは、とても有意義で魅力的なことだと思っています。テンペラの技法を取得することを超えて、自身の描きたいものを描くための力にできるよう、挑戦を続けていきたいです。

Q. 芸術専門学群に来てよかったと思うことは?

自身の専攻に限らず、幅広い芸術分野に触れることができることと、芸術について共に学ぶ仲間ができたことです。私は洋画領域で油絵を制作していますが、彫塑や版画、デザインなど他の分野の授業も受けることができ、芸術について多様な視点からのアプローチを学ぶことができます。そして何よりそういった多様な視点、考えをもった同期や先輩後輩と、切磋琢磨しながら芸術を追求することができます。芸術専門学群に来るまで周囲に芸術に関心のある人が少なかった私にとって、この環境はとても貴重なものであると感じます。

Q. その他アピールしたいこと

芸術専門学群の先生方は、学生側が意欲をもって制作や関心のある研究に取り組めば、熱心にそれに応えてくださいます。授業や実習をこなしているだけではとてももったいないです。私自身なかなか自分から行動を起こすのは苦手ですが、せっかく自身の制作や芸術についてこれだけ学べる環境と時間があるのですから、やりたいことがあればどんどん挑戦してみてください。失敗しても挑戦した分だけ自身の経験が広がり、楽しく中身の詰まった大学生活になると思います!

卒業生の声

小中 大地

アーティスト、絵本作家、イラストレーター、筑波大学芸術専攻 博士特別研究員、横浜美術大学 絵本専攻/イラストレーション専攻 非常勤講師、共立女子大学 非常勤講師

筑波大学芸術専門学群 ビジュアルデザイン領域
平成11年度 卒業

筑波大学大学院 人間総合科学研究科 博士後期課程 芸術専攻
令和2年度 修了

Q. 現在の仕事について

学群卒業、博士前期課程修了後は、一旦フリーの作家に。それから非常勤研究員として大学に戻り、令和2年度に博士後期課程を修了しました。学群時の制作を発展させ、博士前期課程の頃から現在も、主に2通りの作家活動を行っています。1つ目は社会現場に出向いて行う、人と人とのコミュニケーションを重視する活動的なアート。事物に宿る妖精としてゴブリンと呼ぶ作品を、病院や地域の皆様とともに制作してきました。2つ目は絵本やイラストレーションといった商業美術に関する作家活動です。令和3年度からは非常勤講師として共立女子大学と横浜美術大学での勤務も始まり、知見を伝える仕事も生まれつつあります。

Q. 大学で得たもの

高校生までは想像できていなかった、自分の一作家としての可能性に気づけたことは1つコアにありそうです。遠く知らない地域の人の輪のなかや、病院内で初対面のご家族の場に入っていく制作へと挑戦する勇気があるとはまさか。絵を認めてくださる出版関係者がいるなんて。これら気づきの根底には、かけがえのないものとして、大学で出会った同級生、先輩方、後輩達、また先生方と共有した宝物のようなときが散りばめられているように感じます。

Q. 後輩へのメッセージ

ここは、おもしろい場だと思います。どっしりと腰を下ろして物事に取り組める静かな環境でもあり、すぐにどんどん走り実社会に挑戦していける環境でもあるなと。もしかしたらこの舞台の上で起こるドラマにいざなわれ、描いていた未来のイメージに想像もしなかった彩りが加わるかもしれませんよ。つくばの街の中にもまたおもしろい方々が沢山いらっしゃいます。予想外を許容しつつ、自分のペースも大切に、日々のなかで手がかりを一片でも得てもらえたらと願っています。

岡野 恵未子

公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京

筑波大学芸術専門学群 芸術支援コース
平成26年度 卒業

Q. 現在の仕事について

卒業後、地元・茨城県で実施されたアートプロジェクト「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」の事務局で働いた後、2018年度より公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京に転職し、プログラムオフィサーという肩書きで「東京アートポイント計画」などの事業に携わっています。文化事業を東京都各地で継続的に実施していくため、地域のNPOの方々と協働しながらプロジェクトを実施したり、文化事業に必要な知見を学ぶ「Tokyo Art Research Lab」の企画・運営を行ったりしています。

Q. 大学で得たもの

先輩から声をかけていただいたり、卒業研究をきっかけとしたりして、アーティストの制作サポートやイベント運営など、色々なアートプロジェクトの現場を体験する機会がありました。それによって自分のなかに「アートプロジェクトってこんな感じ」というイメージができ、卒業後の仕事にもつながりました(当時は知りませんでしたが、その現場の中には先述の「東京アートポイント計画」もありました)。また、多様な専攻の方々と同じ場所で学べたことで、「制作」という活動が身近になり、アーティストやデザイナーと仕事をする際の感覚に活きている気がします。

Q. 後輩へのメッセージ

皆さんの卒業後、生活の中に「芸術」が寄り添っていると良いなと思います。私は就職活動で大変悩んだのですが、地域で様々な方と協働するアートプロジェクトに関わっていると、芸術との付き合い方はたくさんあるのだなと感じます。渡り鳥のように、全国のプロジェクトの事務局を飛び回っている方、アート以外の仕事をしながら、休日にアートプロジェクトに関わる方、教師を勤めながら、表現者としての制作の場をキープしている方…。どの関わり方がより良い、学んだことで食べていけるのがより望ましい、ということはないと思います。どのような形であれ、大学で過ごした時間が、その後も皆さんの生活のなかに続いていったら嬉しいです。

安喜 祐真

成瀬・猪熊建築設計事務所

筑波大学芸術専門学群 建築デザイン領域
平成29年度 卒業

筑波大学大学院 人間総合科学研究科 博士前期課程 建築デザイン領域
令和2年度修了

Q. 現在の仕事について

学群卒業後、大学院へ進学し、1年間のスイス留学を経て、現在はアトリエ系設計事務所である成瀬・猪熊建築設計事務所で働いています。入社してから、建築設計競技や、宿泊施設、ビジターセンターのプロジェクトを担当しています。建築デザインの検討はもちろん、法規確認や、スケジュール管理をはじめ、契約関係の書類を作成したり、アルバイトの学生への指示なども行っています。また、アワードへの応募や展示なども担当することもあり、さまざまな業務を並行して行っています。

Q. 大学で得たもの

ものづくりの楽しさと、いろんなことにチャレンジする貪欲さだと思っています。幸いなことに、学群の頃から、さまざまなプロジェクトに参加したり、担当する機会に恵まれていました。比較的、時間に有余のある学生時代、とりあえずやってみようと思って取り組んだ、全てのプロジェクトの大変さと完成した時の感動を今でも覚えています。この経験と感動は、今後の人生でとても重要なものであると感じています。

Q. 後輩へのメッセージ

学生生活は、人生の中でも自由な時間だと思います。それは、自分の本当に好きなことや、得意なこと、一生かけて取り組みたいことを見つけられる時間でもあります。可能な限り、いろいろなものを見たり、聞いたり、触れたり、体験したり、参加したり、失敗したり、してみてください。まだ知らない世界の中に、とても楽しいことがあるかもしれません。貪欲に試してみることで、きっと将来の主題が見えてくると思います。

阿部 潤

私立茗溪学園中学校高等学校教員、陶芸家

筑波大学芸術専門学群 クラフト領域
平成24年度 卒業

筑波大学大学院 人間総合科学研究科 博士前期課程 クラフト領域(陶磁)
平成26年度 修了

Q. 現在の仕事について

学群卒業後、大学院へ進学し、非常勤研究員・講師を経て私立中高一貫校の教員になりました。現在は、中学高校の学級担任や美術の教科指導などを行っています。また、陶芸の作品制作や発表もしています。
近年の中等教育の現場では、知識だけでなく、探究的な思考力を育てる学びが重視されています。正解のない問いに立ち向かうなど、芸術という学問分野が、現在の中等教育に貢献しうる可能性を感じる日々です。

Q. 大学で得たもの

自ら目標を定め、辛抱強く試行錯誤した時間は貴重なものでした。
私は大学に入ってから陶芸を始めたため、制作は思い通りにならないことの連続でしたが、先生方や同期、先輩、後輩と関わりながら自分なりの表現を探っていったことは何事にも変え難い経験だったと思います。
ただ技術を使って物を作ること、ただ表現をすることが作品作りではなく、表現を支える思考の大切さを学びました。

Q. 後輩へのメッセージ

自分に向いているジャンルやスタイル、素材や技法は人それぞれ異なるものです。筑波大学の芸術専門学群では、幅広い分野に触れる機会が得られるので、自らの適正や考え方に合ったものを吟味して選択することが出来ると思います。夢中になれるものを見つけ、時間をかけて対峙してください。情熱を燃やし続けることは簡単なことではないかもしれませんが、それを支えてくれるような出会いや経験があることを願っています。

尾﨑 拓磨

株式会社サンゲツ インテリア事業本部 壁装事業部 商品開発課

筑波大学芸術専門学群 構成領域
平成26年度 卒業

筑波大学大学院人間総合科学研究科 博士前期課程 構成領域(陶磁)
平成29年度 修了

Q. 現在の仕事について

インテリア商材メーカーにて、壁紙のパターンデザインからカタログ紙面のレイアウト、施工例写真の撮影やインテリアスタイリングなど、壁紙やインテリアに関わる業務を担当しています。デザイン的な仕事だけでなく、品質調整や性能試験・商品データの管理など、建築材料を扱うメーカーならではの幅広い種類の業務があり、ゼネラルな能力が求められる仕事です。

Q. 大学で得たもの

壁紙は生活空間の大面積を占めるプロダクトなので、パターンやテクスチャー、色彩や構図などに対してシビアなデザインが求められます。造形に対して強いこだわりを持ってデザインを仕上げていく力は、まさに構成領域での授業や研究を通して培われたものであり、今の仕事にダイレクトに活きていると思います。また専攻や学群を越えたカリキュラムやプロジェクト形式の授業などを通じて、広い視野を持ってモノを見る力・コトを考える力が身に付いたのではないかと感じています。

Q. 後輩へのメッセージ

造形的な技能やセンスはもちろんのこと、思考力や分析力など、デザインの仕事に関わる中で要求される能力にはさまざまなものがあります。それらを研鑽していくことは当然重要ですが、それ以上に「自分がこれをデザインしたい」という主体的で強い想いを持つことも大切なことなのではないかと私は思っています。皆さんが大学生活を通じて、色々なものに触れたり、色々なことを体験する中で、自分自身が一生携わっていきたいと思えるものに出会えることを願っております。

蒲倉 梨南

千葉県立松戸六実高等学校 教諭(芸術科書道)

筑波大学芸術専門学群 書領域
令和 2度 卒業

Q. 現在の仕事について

学群4年のときに地元千葉県の教員採用試験に合格し、現在は県立高校の芸術科書道の教諭として勤務しています。
主要教科ほどには重視されない芸術科ですが、授業では書を学ぶ意味や授業内容を理解してもらえるよう工夫しています。特に、小中学校で書写に苦手意識を持っていた生徒にも「書道は楽しい!」と思ってもらえるように、教科横断的な授業を心がけています。例えば、世界史・日本史と関連させて書の歴史について学習したり、国語科で学んだ漢詩や和歌を作品にしたりしています。

Q. 大学で得たもの

授業で教わった知識や技術は宝物です。大学で教わった知識をかみ砕き、古典の魅力や歴史的背景を豆知識のように話してみると、生徒も興味をもって聞いてくれます。上手に作品が書けない生徒には、大学で先生や先輩に教わった筆使いを伝えると、格段に作品が良くなります。大学で教わったこと、そこで得たことが、今の仕事を支えてくれています。
また、切磋琢磨できる友人と出会えたことも、大学で得た宝物です。在学中は共に書作に励み、卒業後も同じ仕事には就いていなくとも、仕事の相談などで連絡をとり、互いに支え合っています。

Q. 後輩へのメッセージ

私には後悔があります。在学中にもっと図書館に通っておけばよかった、という後悔です。調べたいことをいつでも調べられる環境は普通ではありませんし、これに慣れてはいけないと思います。
教職に就くと、当たり前ですが教材研究をしなければいけません。調べたいこと、知りたいことがたくさん出てきます。教職に限らずどの仕事に就いても同じことがいえると思います。
時間があれば図書館に行って興味のある本を手に取り見識を深める、適当に本を選んで新たな分野に視野を広げてみるなど、筑波大学でしかできないことに時間を有効活用してほしいです。

橋本 千菜美

アーティスト・竹の造形家

筑波大学芸術専門学群 彫塑領域
平成27度 卒業

Q. 現在の仕事について

つくば市北条を拠点として、竹材を用いた造形作家として活動しています。皆さんがイメージする「竹籠」や「竹ざる」といった日常使いのものから、等身大のオブジェまで、なんでも制作しています。材料となる竹は、地権者に許可を得ながら放置竹林などから集めてきます。筑波山の麓のこの土地が肌に合っているようで、地元の人たちにもよくしていただいて、作家活動を楽しんでいる日々です。将来的にはオリジナルの作品制作のウエイトを高めて、竹造形のアーティストとして活躍していきたいです。

Q. 大学で得たもの

大学時代は石彫を主として制作を行っていました。今は素材が「竹」に変わりましたが、自身の造形観は大学時代に、彫塑教室の学びの中で培われたものだと感じています。普段使いの家庭用品は「荒物」と呼ばれますが、日常的に使うものだからこそ心地よい形をつくることが大切だと思います。また、大作に臨む際には、場との関係性を考えながら空間への主張を意識します。表面的な技巧に囚われず自由な発想で制作が楽しめているのも、芸術専門学群での学びが生きているのだと思います。

Q. 後輩へのメッセージ

筑波大学は恵まれた環境にある大学だと思います。それは大学の中だけではなく、街全体を含めてのことです。在学中には大学内での学びだけではなく、是非外にも目を向けて、視野を広げていってほしいです。何かをやろうとする際に、きっと学内外の人々が温かく支えてくれて、繋げていってくれると思います。日々の課題は大変ですが、それをこなすだけではなく、自分自身と向き合う時間を大切に、充実した学生生活を送ってください。

岡野 智史

高等学校教諭

筑波大学芸術専門学群 日本画領域
平成23度 卒業

筑波大学大学院 人間総合科学研究科 博士前期課程 日本画領域
平成26年度 修了

Q. 現在の仕事について

大学院修了から1年間、茨城県の高校非常勤講師として勤めた後、千葉県の高校教諭として採用されました。仕事の内容は美術の授業がメインですが、担任業や学校内の分掌業務、美術部の指導なども行います。授業の計画・実施や成績の評価は、美術を通して生徒が何を感じ、考え、学ぶのかと言うことを念頭に行いますので、私自身が制作活動の中で感じ、考え、学んだ事を生かしながら指導にあたっています。

Q. 大学で得たもの

学生時代、先生から「70歳80歳になった時、どんな絵を描くつもり?」と問われた事がありました。今思えば先生方は、技術も未熟で決して優秀でも真面目でもなかった私にすら、生涯制作活動を続けることを前提に教えてくださっていたように思います。そんな中で学んだ、制作活動や人生そのものに対する「姿勢」のような物は、現在制作を続ける上でも、教員として指導をする上でも、私にとって大切な指針になっています。

Q. 後輩へのメッセージ

高校で進路指導をしていると、将来に「安定」を求める生徒がとても多いのですが、現代はどんな分野でも「安定」のない時代になってきました。芸術を学ぶ中で得られる「問題解決能力」「思考・表現力」「創造性」といった力は、教育現場では不安定な世の中を乗り越えるためのキーワードになっています。将来について様々な不安もあるかもしれませんが、まずは自分で決めた道をとことん追究し、情熱を注ぎ込んでください。芸術に身を捧げる人は必ず、「人物」としても「人材」としても魅力的な存在になれるはずです。

河内 大樹

自治体教育委員会、アーティスト

筑波大学芸術専門学群 特別カリキュラム版画コース
平成25度 卒業

筑波大学大学院 人間総合科学研究科 博士前期課程 芸術専攻
平成27年度 修了

Q. 現在の仕事について

現在は岡山県のある自治体の教育委員会に所属し、芸術普及活動を行っています。具体的には学校・保育園・福祉施設・公民館等の様々な場所で幅広い年齢層の方を対象に、授業のティーチングフォローやものづくりのワークショップ、展覧会等のありとあらゆる芸術活動のお手伝いを行っています。また形式としては一方的に提案するのではなく、学校や保育園の先生方や施設のスタッフの方々と共にコミュニケーションを取り、一緒に組み立てる様な形で実施しています。現状、日本では芸術へ触れたり、議論されたりするのが限られた論壇で終息してしまう事が多く、芸術は難しい、分からないと敬遠される場面も多々あります。私の仕事は自身の制作活動も含め、様々な活動を通して芸術の間口をいかに広くしていけるかという芸術の翻訳の様な取り組みです。

Q. 大学で得たもの

私は大学1年生の終わりに東日本大震災をつくばにて経験しています。 大学にも慣れ、さらに本腰を入れ芸術について学ぼうとした矢先、今、芸術なんて学んでいる場合なのかという状況に直面しました。その問は自身の中だけでなく、社会の風潮としてあった様に感じます。しかし、その状況下だからこそ芸術に何が出来るのかという動きが大学の内外であり、何より芸術について時間をかけて教授や先輩・後輩・友人たちと共に考え、学べた経験は現在の芸術観や芸術への姿勢に大きく影響しています。
また私の在学中はアトリエで制作に熱中するだけでなく、年齢を超えて先輩から後輩まで交え、各々の意見や考えを喧々諤々と議論する雰囲気も筑波大学にはありました。これは他の大学とはまた異なる良いポイントで、特に研究を本格的に行っていた大学院生の話や研究発表を友人たちと聞きに行ったり、ああだこうだと話をしたりした経験を入学してすぐからできた事は、芸術だけでなく幅広い思考力を鍛えることが出来た私にとっての財産です。

Q. 後輩へのメッセージ

今、世の中では合理性や生産性、スピーディーにそれが何のメリットにつながるのかという話がよく出て来ます。それらは確かに大切な要素の1つですが、しかしそればかり求めては芸術の本質の一つでもある多様性や豊かな内包力が抜け落ちてしまうと思っています。社会人になった私も同じですが、何につながるか分からないような事にも取り組んで、早く終われてしまう様な事でもたっぷりと時間をかけて、芸術に朝から晩までどっぷり浸かってみて下さい。どれだけ拙くても構いません。絶えず考え、手を動かし、形にして、伝えて下さい。非合理的、非生産的に多くの挑戦と失敗を教授・先輩・後輩・友人たちと共に経験していく事こそが自分自身を豊かにし、芸術観の軸を育てる肥やしになると思います。

長谷川 祐里

公益財団法人大原美術館 学芸員

筑波大学芸術専門学群 美術史コース
平成25度 卒業

筑波大学大学院 人間総合科学研究科 博士前期課程 美術史領域
平成27年度 修了

Q. 現在の仕事について

学群卒業後、大学院(博士前期課程)で2年間学び、株式会社図書館流通センターに就職。同社指定管理館である、東根市公益文化施設まなびあテラス(山形県)内の東根市美術館で学芸員として勤め、20204月から、公益財団法人大原美術館(岡山県)で学芸員として働いています。現在の日々の仕事としては、所蔵作品の調査や資料整理、展示作品の選定、図録の執筆、学生団体や未就学児の受け入れなどを行っています。

Q. 大学で得たもの

私は高校生のときから学芸員を目指し、当時、大原美術館学芸員の方にアドバイスを受け、筑波大学に入学しました。美術史にも芸術支援にも関心のあった自分にとっては、それぞれの領域の内容を学ぶことができたのは大変貴重な経験であり、学芸員となった今、それが仕事に活かされていることを実感しています。また他領域の授業、学外研修や実習、学会の手伝いなど、研究以外でのあらゆる経験も、現在の仕事に役立っています。

Q. 後輩へのメッセージ

芸術専門学群には様々な分野で学んでいる人がいて、また先生方の専門も幅広い分野に及んでいます。ぜひ、自身の専門以外のことにも関心を持ち、周囲の人と接し、また、美術館やギャラリーにも積極的に足を運ぶなどして、様々なことを吸収していってください。私自身、大学時代にもっと積極的に学び、交流をしていればよかったと思うことが多々あります。貴重な大学4年間を有意義に過ごしてください。

武藤 はるか

常磐大学高等学校 美術教諭

筑波大学芸術専門学群 洋画コース
平成23度 卒業

Q. 現在の仕事について

陶芸家の両親の影響もあり、幼い頃から絵を描くことが好きで、大学では油絵を専門に学びました。卒業後は、私立高校で美術教諭をしながら作家活動をしています。作品は抽象画のつもりで、「肌触り」や「匂い」や「線」や「色」など感じた事を日記のように、日々高校生と制作しています。

Q. 大学で得たもの

まるで宇宙のような「芸術」の広さを実感することができました。たくさんのお世話になった先生方や先輩方、友人に教えていただきました。卒業する頃にはとても好奇心旺盛になっていて、今でも試してみたい道具や材料、行ってみたい美術館、会ってみたい作家さん・・・生徒と一緒にやりたい事が無限に見つかります。油絵を専門に学べたことも幸せのひとつですが、教員として授業の参考作品をつくる度に、他専攻の授業や実習室を思い出しては、もっと勉強すればよかった~と心の中で叫んでいます。

Q. 後輩へのメッセージ

楽しいが一番!楽しくなくなってからが本番!と制作や仕事、常に自分に言い聞かせています。せっかくの大学生活、どんなことも納得ゆくまで追及してみてください。最近は学校を中心に、地域の方々とワークショップや絵画教室をしています。受験生、在校生、卒業生のみなさん!高校生と一緒に何か楽しいことしませんか?興味がある方ぜひご連絡お待ちしています。

© Copyright - Art and Design, University of Tsukuba