工芸領域
工芸領域は、ガラス、陶磁、木工・
有史以前から人間は道具、生活具を創意工夫して作り、それらを生活に役立ててきた。この長い歴史、伝統に立った工芸は独自の領域として確立している。手によるものづくりの大切さに気づき、ものを作る喜び、それを生活に生かす心の豊かさを求めて、若い世代を中心に工房の設立、地域産業の再興等の働きがある。その一方で、大量生産や効率化を優先させた廉価で画一化された“もの“の氾濫により日常生活がスポイルされ、同時に生活者である私たちの感受性をも退化させてしまっている。つまり、五感を働かせた手によるものづくりが、あまりにも便宜的になってしまった現在、その行為自体が分割されてしまい、又趣味的なものになりつつある。このような状況から、ものづくりの原点である「何を、何のために、何の材で、どう作るのか」、総合的人間活動であることがいかに大切であるかを確認し、単なるものづくりではないかたちづくりを目指す教育が必要である。
幅広い造形の基礎と素材に関する演習、実習を習得し、ものづくりの文化的背景を探求し創造力と技術力を持った人材を育成する。具体的には家具(椅子、収納箱)、食器、照明器具等の生活具、又、立体造形作品制作をそれぞれの技法、知識を修得しながら行う。綿々と受け継がれてきた技を、現代の生活空間の中でどう生かし活用するのか。新しい材をどのように活用すればよいのか。それには材に対する知識と技術、それをまとめる造形力が不可欠となる。また、さらに深い研究を目指す者のために、大学院博士前期課程、人間総合科学学術院芸術学学位プログラム工芸領域(ガラス、陶磁、木工、漆芸)がある。
指導教員
齋藤敏寿
准教授 陶磁
宮原克人
准教授 木工・漆芸
鄭 然暻
准教授 ガラス