急速な科学技術の導入と高度なデザイン力とによって世界は成長してきた。今日のプロダクトデザインの領域と手法は、さらに拡張し、あらたな展開の段階にある。さらに世界には解決すべき多くの問題=Sustainable Development Goals がある。
情報・プロダクトデザイン領域は、人間によって造られる道具や機器、設備等の「モノ」と人間との「関わりのありかた」を対象とするデザインの概念や科学を基礎理論として学び、プロダクトデザイナーとして必要な専門的技術を実習や演習を通して取得することを目標としている。人間は言語を操る動物であると同時に道具を操る動物でもある。ゼムクリップからスペースステーションまで、自動車等の輸送機器、生活機器、産業機器、情報機器、家具、レジャー機器、建築設備機器等、私達の周囲のあらゆる人工物がデザインの対象である。子供からお年寄りまで誰にでも使いやすいデザイン、ネットワーク上でのWebデザイン、デジタルカメラや携帯機器などのわかりやすい情報機器のデザイン、ゲームのデザイン、デジタルコンテンツ、状況に応じた機器サービス、環境にやさしいデザインの尊重など、デザインはあらゆるところに活躍する。
筑波大学の[デザイン]は、プロダクト、グラフィックス、建築、環境の専門領域を横断型に連携した新たなデザイン教育プログラムとして、情報・プロダクトデザインを構築し、次のような手法により、デザインを学ぶことができる。
人とモノとの関わりを考える「情報システムデザイン学」「デザインイノベーション論」や人間と機械との適合性(使い易さ等)を学ぶ「人間工学」、何をデザインするかを決定する思考の科学としての「感性デザイン学」、「生産システムデザイン学」、製品の持つ背景と成立に関する「デザイン解析論」などの基礎理論を学び、一方では、具体的なモノやインタフェースの設計を通して、デザインの方法論、製品概念の設計、形態の創造、システムの設計等を学ぶデザイン演習を設けている。さらに本学の総合大学としての利点を活かして、人文科学や、自然科学、社会科学、また情報科学などの方法を総合的に活用し、モノと人間との関わりを知性的な観点に加え、感性科学の研究も基盤としながら、製品を「どのように」デザインをするかという実習・演習に合わせて、製品として「なにを」デザインすればよいかという理論探索にそれぞれが挑戦するのだ。
指導教員
伊藤節
教授 プロダクトデザイン, インクルーシブデザイン, 統合デザイン
小山慎一
教授 実験心理学, 基盤・社会脳科学, デザイン学
李昇姫
准教授 情報メディア, 感性デザイン, 感性インタラクション
内山俊朗
准教授 感性情報設計論,インタラクションデザイン
山田博之
准教授 デザインイノベーション, アプリケーションデザイン
索米亜
助教