構成領域
構成領域は、広く造形に共通した基礎的で重要な問題について理論及び実技を通して専門的に教育するところである。
学問の発達に伴って、各分野にわたり専門の細分化が進められているが、造形の分野においても各種のデザインが発達し、長い伝統をもつ絵画や彫刻等と同様、それぞれ独立したジャンルとして認められるようになった。それらは社会の要請に基づくものであるが、現代はまたそれらに共通する基礎的学問の深い研究をも必要としている。
どのようなアートやデザインも形や色がなければ成立しない。形や色をどのように決めるかということは、すべての造形にとって共通した基本的な要件である。それらに対する学習は、初心者用の「初歩的」段階に止めるべきではなく、「専門的」に深く追求する必要がある。それ故、構成領域では、「形体」を例にとると、二次元の観点からも(平面構成)、三次元の観点からも(立体構成)、さらにコンピュータ等のテクノロジーを用いても研究する(機器による構成)というように、各方面から探求の手を休めない。このような幅広い専門的探求の結果身についたものは、卒業してから従事する専門的職業において必ず役立つであろう。
「形体」の他にも、各種造形の共通的・基礎的重要課題は「色彩」「テクスチュア」「コンポジション」「発想法」「美的センスの洗練」「機器・材料による造形的可能性の探求」、等種々あり、そのどの1つを取り上げても専門的に深く研究することは、現代造形にとって不可欠のことがらである。
自然科学の分野で各種工学が発達すればするほど、その基礎をなす数学や物理が大切となるように、各種造形の発達に伴って構成領域もその重要性を増していくであろう。
卒業後は各種デザイン、印刷、編集、工芸などの方面への就職や造形作家への道も開かれている。また、進学して大学院を修了した者は、大学、短大、専門学校、高校の教員等になっており、進路の幅広さに特色がある。
指導教員
山本早里
教授 色彩構成
大友邦子
准教授 構成学
上浦佑太
助教 平面構成、立体構成