新刊案内『美をめぐる饗宴(シュンポシオン)』(筑波大学出版会)

このたび、本学が所蔵し芸術系が管理する「筑波大学アート・コレクション 石井コレクション」の作品にかんする論集『美をめぐる饗宴(シュンポシオン)』が、筑波大学出版会から刊行されました。

石井コレクションは、株式会社図書館流通センター(TRC)の最高顧問、石井昭氏が2005年から2010年にかけて本学に寄贈してくださった美術品コレクションです。わたくしども芸術系では、美術史とミュージアム・スタディーズを専門とする教員がワーキング・グループを組織し、実質的な管理業務と教育・研究への利活用を進めてきています。これまで開催してきた研究集会やワークショップにもとづく論考をまとめた叢書『石井コレクション研究』は7冊を数えます。このたびの論集は、一昨年までの既刊6冊に収載された美術史、版画制作、保存・修復の視座による論考をアップデートしたほか、新稿も加えた、国内外17名の研究者によるアンソロジーです。収録作家は、藤田嗣治、国吉康雄、三岸好太郎、瑛九、桂ゆき、福島秀子、池田龍雄。

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目次

石井コレクション—筑波大学アート・コレクションの中核
一九二〇年代の人物表現について—古典古代にならって
藤田画業における石井コレクション作品の位置づけ
藤田嗣治《靴を履き坐せる裸婦》調査報告
藤田嗣治《靴を履き坐せる裸婦》試料片調査結果
《鯨に驚く姉妹》—アメリカでの美の鑑定士としての国吉康雄の選択
国吉康雄《鯨に驚く姉妹》と「海辺のヴィーナス」
国吉康雄の「牛」をめぐって
三岸好太郎《北海道風景(大通公園)》の基礎的調査
一九二〇年から三〇年代の札幌美術瞥見
三岸好太郎と札幌
天と地をつなぐ光—石井コレクションの瑛九作品について
作品《街》に見る瑛九のリトグラフ制作プロセス
瑛九銅版画の制作工程と刷りについて
桂ゆきの虎と狐をめぐって
福島秀子の一九五〇年代の創作活動について—絵画、詩、オートスライド
池田龍雄《むれ》(『禽獣記』シリーズ)と一九五〇年代の社会と美術をめぐって
社会と芸術—池田龍雄と岡本太郎の一九五〇年代
資料 石井コレクション特集展示;石井コレクションをめぐる研究会およびワークショップ
人名索引

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著者(掲載順)
村田宏(跡見学園女子大学文学部教授/西洋近現代美術史)林洋子(文化庁芸術文化調査官/近現代美術史)渡邉郁夫(修復研究所21代表取締役所長/絵画修復)宮田順一(修復研究所21取締役/化学分析)バート・ウィンザー=タマキ(カリフォルニア大学アーヴァイン校教授/日本近現代美術史、アジア系アメリカ美術史、エコクリティシズム)セシール・ワイティング(カリフォルニア大学アーヴァイン校学長指名教授/アメリカ近代美術史)五十殿利治(筑波大学芸術系特命教授/近代美術史)寺門臨太郎(筑波大学芸術系准教授/西洋近世近代美術史)地家光二(北海道立近代美術館上席専門員/日本近代美術史)苫名直子(公益財団法人北海道文学館学芸課長/北海道美術史)大谷省吾(東京国立近代美術館美術課長/日本近現代美術史)城山萌々(羽陽学園短期大学講師/リトグラフ制作)田島直樹(筑波大学芸術系教授/銅版画制作)関直子(早稲田大学文学学術院文化構想学部教授/近代美術史)西澤晴美(神奈川県立近代美術館主任学芸員/日本近現代美術史)春原史寛(武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科准教授/日本近現代美術史)佐藤玲子(川崎市岡本太郎美術館学芸員/日本近現代美術史)

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書名:美をめぐる饗宴(シュンポシオン)
   筑波大学アート・コレクション 石井コレクション
監修:五十殿利治(芸術系特命教授)
責任編集:寺門臨太郎(芸術系准教授)
装幀:田中佐代子(芸術系教授)
発行所:筑波大学出版会
発売所:丸善出版
A5判 436ページ
ISBN 978−4-904074-62-6
定価 5,940円(本体5,400円+税10%)

筑波大学芸術学美術史学会・令和2年度秋季研究発表会を開催しました。

2020年11月29日(日)14時から16時にZOOMを使ったオンライン学会を開催し、いずれも本学大学院で美術史を専攻し、現在美術館学芸員として活躍している二人の研究者が成果を発表しました。概要は、2021年6月頃発行予定の『筑波大学芸術学美術史学会・学会通信』18号に収載されます。

赤間和美(宮城県美術館)
「青陽社について—石川誠、大塚金吾を中心に」
伊藤たまき(やないづ町立齋藤清美術館)
「1960年代の齋藤清について」

【美術史】フランス École des hautes études en sciences sociales(EHESS)博士・土山陽子先生にオンラインで講義していただきました

2020年10月27日(火)

『エドワード・スタイケン「ザ・ファミリー・オブ・マン(人間家族)」展の日本における展示について』

土山陽子先生

 

学群「美術史特講B-2」の授業の一環として特別講義をしていただきました。フランスで博士号を取得した土山先生より、美術史を専攻する学生のフランス留学について詳細にご説明いただき、近年のフランスでの研究環境、現在の状況について知ることができました。続いてエドワード・スタイケンの企画した写真展「ザ・ファミリー・オブ・マン」(1955)における写真の展示方法についてお話いただきました。

オンラインによる遠隔特別講義となりましたが、ソーシャル・ディスタンスを保って着席した教室のスクリーンとスピーカーから講義内容を視聴し、一方オンライン受講希望の学生は各自PCで視聴しました。マイクあるいはチャットを通しての質疑応答もでき、双方向の遠隔授業が実現しました。

参加者:学群生11名(対面)+オンライン4名、博士前期課程学生オンライン5名

関西学院大学の下原美保先生をお招きし、講演会を開催しました。

「日英美術交流史」講演会
大英博物館のやまと絵コレクションにみる日英文化交流について

講師:下原美保 先生(関西学院大学文学部教授)

日時:2020年02月17日(月)14:00-16:00
場所:筑波大学 芸術系棟 B203会議室

近世やまと絵や在外日本美術コレクションを研究されている関西学院大学の下原美保先生をお招きし、表題の講演会を開催しました。
下原先生は、2001年から2002年にかけてイギリスに留学され、大英博物館などを中心に近世やまと絵のご研究をされました。講演会では、この成果とご著書『近世やまと絵再考− 日・英・米それぞれの視点から』(ブリュッケ、2013年)を踏まえられた英国における日本美術のコレクション形成についてお話しいただきました。

学群生や博士前期・後期の学生および人文社会系の博士後期課程の学生、さらに芸術系教員も参加し、合計25名の参加者が聴講しました。さらに講義後には質疑応答および活発なディスカッションが行われ、参加者相互の研究内容についての情報交換の機会ともなりました。

なお、この講演会は、科学研究費・国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))「サードフォースの美術史 1880-1920ー在英日本人ネットワークの研究」(研究代表者:五十殿利治)の一環として開催したものです。

日台五大学大学院生美術史研究交流会(Japan-Taiwan Five University Art History Graduate Students’ Symposium 2019)に参加しました

2019年12月22日に、博士前期・後期課程芸術専攻(美術史領域)の大学院生3名・教員2名で、九州大学において開催された「日台五大学大学院生美術史研究交流会」に参加しました。本学より1名が英語での口頭発表を行いました。この大学院生シンポジウムは今回で9回目となり、日本からは九州大学と筑波大学、台湾からは国立台湾大学、国立中央大学、国立台湾師範大学の合計5校が参加しています。今回は17人の意欲的な発表があり、活発な質疑応答もなされました。

本学からの発表者:
川村笑子 KAWAMURA Emiko
A Study of Japan’s Artist Associations and Cultural Control by GHQ/SCAP