筑波大学芸術学美術史学会・24年度秋季研究発表会を開催します

令和6年度秋季研究発表会を、下記のとおり対面およびオンライン同時配信にて開催いたします。プログラムは下記の通りです。皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げております。

【日時】2024年12月8日(日)14:00~16:00(受付13:45~)
【会場】対面での開催(筑波大学芸術系棟B203会議室)およびZoomオンライン同時配信
会員の方でオンライン参加を希望される方は、すでに郵送しているご案内をご覧いただくか、以下のアドレスまでご連絡ください。
geigaku[@]geijutsu.tsukuba.ac.jp

【研究発表】
久光 真央(下関市立美術館学芸員)
下関市立美術館所蔵の香月泰男コレクションに関する一考察
濱田 洋亮(福島県立美術館学芸員)
ジョージ・ナカシマとベン・シャーン―「第1回ジョージ・ナカシマ展」におけるインテリアとしてのアート―

公開研究会 石膏「模」像とはなにか——その素材と技法

日時 2024年10月26日(土) 13時30分から16時(13時開場)
会場 筑波大学 東京キャンパス 文京校舎116教室(東京都文京区大塚3−29−1[地下鉄丸ノ内線「茗荷谷」駅から徒歩約3分])
主催 JSPS科学研究費補助金・基盤研究(C)24K03482「石膏模像のアカデミック・リソース化と彫刻史を中軸とする非西洋的視座の美術史構築」

西洋古代から近世の彫刻を原作とする石膏模像は、明治時代に美術教育制度とともに日本に入り、おもにデッサンの教材として普及してきた。こうした石膏模像は、デッサン教育の成立と展開をあとづける文脈においては取り上げられてきたものの、オリジナルとコピー、作品と非作品を差別し階層化する西洋近代の価値観に根ざす美術史研究に おいては、これまで正面から論じられることがほとんどなかった。今回の研究会では、石膏模像を彫刻史のうえに据えて体系化し、日本や東アジア諸国での受容と変容を、受動的で一元的な欧化現象ではなく、能動的で多元的な非西洋化のあらわれと見なそうとする取り組みの初歩段階として、素材と技法に焦点をあてる。報告者として、日本に残る数少ない石膏模像製作者のひとりである脇本壮二氏と、 現存する初期伝来石膏模像をはじめ現存・物故作家の彫刻作品の修復を数多く手がけてきた高橋裕二氏を迎える。

 

趣旨説明 寺門臨太郎(筑波大学/研究代表者)

報告1 脇本壮二(堀石膏制作)

報告2 髙橋裕二(有限会社ブロンズスタジオ)

全体討論+菊地施工模型所「ヘラクレス全身像」(筑波大学所蔵)をめぐって

脇本壮二 髙橋裕二 金井直(信州大学/研究分担者) 田中修二(日本大学/同前) 荒木慎也(多摩美術大学/同前)

 

菊地石膏模型所「ヘラクレス全身像」1914−43年? 石膏 高74cm 筑波大学アート・コレクション(撮影©重松善樹)

 

台湾への学外演習(大学院生)実施報告

9月20日(金)から23(月)まで、美術史領域の学外演習(大学院)で台北市を訪れました。

(博士前期課程学生7名+引率教員1名:林みちこ)

1日目 移動日。宿泊先集合後、台湾円卓料理を味わいました。

2日目 国立師範大学にてTaiwan-Japan Art History Graduate Students’ Symposiumに参加。15名が英語で美術史研究の特定課題を発表し、本学からは博士前期課程芸術学学位プログラムの3名が登壇しました。このシンポジウムは台日五大学(国立師範大学、国立台湾大学、国立中央大学、九州大学、筑波大学)の美術史研究室によって毎年行われてきたものです。2011年から始まりましたがコロナ禍で4年間実施できず、9回目の今回は久しぶりの開催となり再会を喜びました。活発なディスカッションが行われ、よい研究交流となりました。

 

3日目 台北市内博物館、美術館見学。

事前学習にもとづき各館を担当した学生が小プレゼンを行ったあと各自で見学しました。

①故宮博物院

②台北市立美術館

③国立台湾博物館

④台北当代芸術館

途中から土砂降りの雨になりましたが、充実した美術鑑賞ができました。

4日目  市内自由行動のあと、帰国。

出版案内:桑原規子『戦後版画にみる日米交流 1945-1965』

本学で2002年に博士(芸術学)の学位を取得された桑原規子氏の新刊『戦後版画にみる日米交流 1945-1965』をご紹介します。『恩地孝四郎研究 版画のモダニズム』 (せりか書房、2012年;倫雅美術奨励賞受賞)に続く単著となる同書では、終戦から東京オリンピックが開催された時期、すなわち占領期から冷戦初期までのおよそ20年間の版画における日米交流を、日米両国の研究機関や美術館のアーカイブズ、遺族宅に残された資料を探査することにより考察しています。戦前注目を浴びなかった創作版画がなぜ戦後になって高い評価を得ることができたのか、またそうした状況が出現した要因はどこにあったのか、という問いが緻密な調査によって解明されました。

 

著者 桑原規子
判型 A5
ページ数 339頁
定価 4000円+税
ISBN 978-4-7967-0400-7
発行日 2024年7月31日
出版社 せりか書房

鹿島美術財団 出版助成のサイトで同書の内容が詳しく紹介されています。
https://kajima-fa.or.jp/report/publishing/bk24-06/

筑波大学アート・コレクション(UTAC)作品データベースの公開を開始しました。

美術史領域の教員が収蔵品の管理および展示を担っている筑波大学アート・コレクション(UTAC)の作品データベースの公開を開始しました。コンテンツは順次、増えていきます。

https://www.geijutsu.tsukuba.ac.jp/utac/