美術史領域(学群)学外演習2024報告

今年は大学院生は台湾、学群生は国内での学外演習となりました。
学群生は①11月15日(金)から17日(日)までの2泊3日の宿泊研修と②12月6日(金)の日帰り研修をおこないました。
参加学生:学群生9名、引率教員: 林みちこ

11月15日(金)
熱海のMOA美術館に集合。
特別展「光琳 国宝「紅白梅図屏風」×重文「風神雷神図屏風」」でMOA美術館の所蔵品および他の美術館・博物館から集められた琳派の作品を多数鑑賞。それほど混雑していなかったため、「紅白梅図屏風」などの名品を熟覧することができました。そのあとは広大な庭園へ。学生たちは、復元された光琳屋敷や茶庭に咲くさまざまな草花、竹林などたくさんの写真を撮っていました。
小田原駅に移動して小田原泊。

11月16日(土)
朝一番で箱根に上がり、仙石原のポーラ美術館へ。
講堂にて学芸員の東海林洋氏に美術館について建築、コレクション、運営などの詳細な解説、開催中の「フィリップ・パレーノ この場所、あの空」展の概要説明を頂いてから展示室へ。驚きに満ちた仕掛けの映像作品、インスタレーションの数々を鑑賞しました。コレクション展も見学したあとは屋外の遊歩道へ。森の中に設置された現代アートの作品も楽しみました。事前課題として訪問先の美術館のコレクションから各自選んだ1点について解説を書いていたため、他の学生の書いた文章を読みながら作品を熟覧することもできました。

   

その後、彫刻の森美術館へ移動。広い敷地内を散策しながら鑑賞しました。途中、雨が降り始め、山の天気の変わりやすさを実感。


小田原に戻り、小田原2泊目。

11月17日(日)
朝、ふたたび箱根に上がり、小涌谷の岡田美術館へ。スマートフォン含む全ての荷物を預け、金属探知機を通って身一つで展示室へ。東洋陶磁、日本の近代陶芸、日本の近世絵画の膨大なコレクション。見ても見ても終わらない圧倒的な収蔵品数です。一部の学生は、外に出たところにある「足湯」に入って3日間の足の疲れを癒しました。
その後、解散。

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12月6日(金)
水戸の茨城県近代美術館へ集合。
館長の荒屋鋪透氏から講義室にて企画展「没後100年 中村彝展」の開催意図や展示に関する工夫について解説をしていただき、そのあと展示室で自由見学。
西洋絵画を雑誌や画集で学び、自作に生かしていったことを示す多数の関連資料も含め、病で早世した中村彝の絵画がジャンルごとに展示されていました。画業の変遷がよくわかる以上に、彝の生きるための闘いが心に迫ってくる展覧会でした。コレクション展での関連展示も鑑賞したあと、美術館の隣に移築されている中村彝のアトリエも見学。モミジが真っ赤に色づいており、そこに、絵の中にも描き込まれた赤い鳥かごがひとつ。中村彝の見た風景が再現されていました。