公開研究会 石膏「模」像とはなにか——その素材と技法

日時 2024年10月26日(土) 13時30分から16時(13時開場)
会場 筑波大学 東京キャンパス 文京校舎116教室(東京都文京区大塚3−29−1[地下鉄丸ノ内線「茗荷谷」駅から徒歩約3分])
主催 JSPS科学研究費補助金・基盤研究(C)24K03482「石膏模像のアカデミック・リソース化と彫刻史を中軸とする非西洋的視座の美術史構築」

西洋古代から近世の彫刻を原作とする石膏模像は、明治時代に美術教育制度とともに日本に入り、おもにデッサンの教材として普及してきた。こうした石膏模像は、デッサン教育の成立と展開をあとづける文脈においては取り上げられてきたものの、オリジナルとコピー、作品と非作品を差別し階層化する西洋近代の価値観に根ざす美術史研究に おいては、これまで正面から論じられることがほとんどなかった。今回の研究会では、石膏模像を彫刻史のうえに据えて体系化し、日本や東アジア諸国での受容と変容を、受動的で一元的な欧化現象ではなく、能動的で多元的な非西洋化のあらわれと見なそうとする取り組みの初歩段階として、素材と技法に焦点をあてる。報告者として、日本に残る数少ない石膏模像製作者のひとりである脇本壮二氏と、 現存する初期伝来石膏模像をはじめ現存・物故作家の彫刻作品の修復を数多く手がけてきた高橋裕二氏を迎える。

 

趣旨説明 寺門臨太郎(筑波大学/研究代表者)

報告1 脇本壮二(堀石膏制作)

報告2 髙橋裕二(有限会社ブロンズスタジオ)

全体討論+菊地施工模型所「ヘラクレス全身像」(筑波大学所蔵)をめぐって

脇本壮二 髙橋裕二 金井直(信州大学/研究分担者) 田中修二(日本大学/同前) 荒木慎也(多摩美術大学/同前)

 

菊地石膏模型所「ヘラクレス全身像」1914−43年? 石膏 高74cm 筑波大学アート・コレクション(撮影©重松善樹)