韓国のサイン雑誌「サイン文化(Sign Munhwa)」のソウル大会の記事を紹介

SignMunhwa1.jpg
Sign Munhwaの表紙、サイズは260 x 376mmと大判の雑誌

SignMunhwa2.jpg

韓日国際学術大会

サインに対する国際的知識交流の機会を提供
─韓国基礎造形学会、日本サイン学会共同主催─

サインを主要な内容とした国際学術大会が開かれた。先日11月4・5日の二日間、国民大学学術会議場で開催された韓日国際学術大会では韓国と日本の学者たちがサインに関する研究論文を発表したり、討論したりする機会となった。この大会は韓国基礎造形学会(会長:趙烈、www.baxic.or.kr)と日本サイン学会(会長:太田幸夫)が共同に用意しサインについて国際的な知識交流の機会を与えたのに意義があった。発表した論文の重要な事項を見てみよう。

横構成要素の分析方法論の共同研究を提示
今回韓日学術大会はテーマを造形、環境、視覚に決めて、研究論文の重要な内容をサインにした。初日は両国学者たちが基調講演をした後に、研究論文を口頭発表した。
基調講演の前に韓国基礎造形学会会長の趙熱漢城大学校教授と日本サイン学会大会実行委員の木村浩筑波大学校教授があいさつの言葉を伝えた。
木村浩教授は「街の表情-韓日の共同研究に向けて」という大会のあいさつを通じて街らしさを把握するため横構成要素の分析方法論を提示しながらこれについて両国が一緒に研究をしようと提案した。
最初の講演者の日本サイン学会会長の多摩美術大学太田幸夫教授は「広告とサイン」という課題で東京都屋外広告物条例を紹介した。
太田幸夫教授は1949年に制定された屋外広告物法に基ついた東京都屋外広告物条例規制を絵で説明しながらその問題点を指摘した。得に最近都市運営バスの赤字を補うため許容したバス広告の混乱性を話しながらその審議委員の数を(現在2名)増やさなければならないと主張した。

看板、街の表示板などのつまらない物にデザインを
次の講演者のカンウヒョン RC contens 代表は「韓国のサイン文化」を話しながらデザイナーの歪んでいるエリ-ト意識をユ-モアにひねた。デザイナーたちはウェブデザインのような尖端分野にしか関心がないし、それこそが真のデザイナーだと思っているといいながら、食堂の看板や街の表示板などのつまらない物、でもその地域のイメージを形成するもっとも重要な物には関与するのを避けていると話した。
それで、カンウヒョン代表はデザイナーたちがつまらない周りのもの、すぐ目につく所や一番足が留まる所にもっと関心を持ってほしいと述べた。

日本サインデザイン協会会長やサイン学会の副会長をしている宮沢功(株)GK設計代表理事が三番目の講演者として登場した。
宮沢功副会長は「都市環境におけるサインの役割」という内容で「埼玉新都市サイン計画」を紹介した。このサイン計画案では視覚と聴覚障害者が一緒に利用する地図システムの設置を設定してあり、情報弱視者についての配慮がみられた。

基調講演の後、韓国学者たちの研究論文口頭発表があった。サイン関連論文では都市環境とサインシステムの必要条件に関する考察(済州観光大学室内建築科金相根教授)、都市環境要素としてサインの役割に関する研究(大ク大学校美術大学金永浩教授)、都市景観における公共建築物の外壁デザインに関する報告書(大クカトリック大学校視覚でザイン科郭明嬉教授)、病院シンボルのイメージ分析に関する研究(建国大学校産業ザイン学科玄東嬉教授以外)などがあった。

五行色に関心を表明する日本学者たち
二日目は討論会の形式で進行し、発表者と参加者の間に質疑応答を行なった。日本サイン学会の副会長九州芸術大学佐藤優教授の「景観問題の視点」についての発表を最初とし討論会が行われた。斉藤優教授は最近、景観問題に対する関心が都市から農村へと移されていると述べている。コンクリートで固まった農業用水路、周りの自然環境に違和感を助成している公共施設、機械的に土地改良をした田畑などを問題点に指摘した。

 また、都市景観や農村景観を作っている主体は主民たからもっとよい景観のためには主民が努力しなければならないと結論した。
「ソウル表情の生成」を課題にしてソウル表情に影響を及ぼしている要素を分析した新興大学産業ザイン学科の明光周教授は陰陽五行思想によって五放色(白、黄、赤、青、黒)がソウル表情に影響を与えていると発表し、日本学者たちに関心をもたらせた。国立高岡単期大学の武山良三教授は「地方都市らしさ」について発表して、サインに地域らしさを踏まえ設置地域景観と調和させるべきだと述べた。ここで問題は全国的に統一されている色とデザインで成り立っている大企業代理店看板などにあると話した。その問題について武山良三教授は地域によって色を変更したマクドナルド看板を紹介しながら地方都市らしさを表現することが企業の利益になれば企業も参与するようになるだろうと述べた。

街の色、街の表情を見よう
安養科学大学視覚デザイン学科の池尚賢教授はソウルと東京を代表する色を分析した「視覚的複雑度とGood Gestalt、色彩地理学に基づいたソウル町の感性効果分析」を発表した。池尚賢教授は大体ソウル人はドラマチックで情熱的なほうなので代表色が赤灰色、東京人は大人しくて端整なほうなので代表色が青灰色だと分析した。
「街の表情」を発表したTJデザインの辻村匡さんは道路を歩きながらその地域を感じてみれば何か新しい事実を発見できると言った。大阪メイン道路の御堂筋は大阪の顔で各々時代の特色を持っていて、国祭感覚を備えた新しい整備が始まったと紹介した。
漢城大学校メディアザイン学部金志ヒョン教授は看板によって一番重要なタイポグラピの問題をあげた。金志ヒョン教授は「ソウル街環境のタイポグラピ研究」を課題にして印刷物タイポグラピの一般原則を看板タイポグラピに適用した。それは視覚環境でタイポグラピが守らなければならないことを提示したので興味深いものだった。
農村景観基準色彩を研究している日本多摩美術大の小泉雅子講師の「農村景観色彩調査について」は農村環境に適合な基準色彩実態把握だったので韓国の参席者から次々と質問があった。小泉雅子講師が2年くらい参加している農村景観色彩調査は農村景観構造と色彩構成、環境イメージ関係を明確にしながら農村景観色彩方法を捜すためた。本調査は国家機関の農水省が大学に依頼した事業で、その結果をマニュアル化して農村整備事業の時に色彩選定方法、環境色彩調査方法の指針書に活用するためだ。
韓国参席者は調査方法について色々な質問をした。
最後に韓国基礎造形学会の会長漢城大学校メディアザイン学部趙熱教授が「ソウルソウブク区屋外広告物改善事例研究」を紹介した。ソウブク区アンアムドウの街を整備の示範地域として屋外広告物実態調査をして見た結果、どんなにデザインがよくても店鋪主や建築物主と共感を形成できなかったら満足する結果は期待できないと結論づけた。

SignMunhwa3.jpg

Mini Interview

サインと造形の幅広いCommunication
趙烈(韓国基礎造形学会)

初めて開催するサイン関連韓日国際学術大会は色々な面で意義があります。造形要素を教育,研究している韓国基礎造形学会としては私たちが理論的に研究した内容が実際にはどんな形で表れているのか勉強するよい経験になりました。日本サイン学会側もやはり今まで研究してきたCommunication作業から理論の幅を広ける機会になったと思います。
実は今回の学術大会は個人的に親密な関係によっておこなれました。私と日本サイン学会大会ソウル実行委員の木村浩筑波大学教授は日本留学時代の友達で、個人的な意見を交換するのではなく日本サイン学会と韓国基礎造形学会視覚環境委員会間の論意に拡張してみようとの意見が一致したのです。
それで、昨年春から学術大会を計画して、ファツクスをしながら課題を決めたり意見を交換したりしました。韓国基礎造形学会と日本サイン学会はサインを見る観点が異なるので「サイン」と「基礎造形」どちらにも偏らない「街の表情」をテーマにしました。ソウルと東京に関する印象を自然に話してみようということです。学会各々の専門的な領域より理解しやすい基本的な、共通的な内容で始めてみようとの意図でした。
今回の出会いがサイン産業の大きい転換点になるという期待より問題提起と視覚環境について論意する機会にしたいのです。それで、両学会がもっと多様な研究テーマを用いる機会となればと思います。

韓日サインは似ていて、共同研究の成果期待
太田幸夫(日本サイン学会会長)

韓日国際学術大会課題は「街の表情」で「らしさ」についてのと各々の都市特性をみつける方法を捜すのでした。サインで都市の表情が変わるのでサイン関連者たちは都市表情について責任を持ってサインを作らなければならないと思います。1989年創立した日本サイン学会は大学教授、デザイナー、サイン会社代表、サイン製作者などが構成員で成り立っています。1年に一回、研究発表会を行い、今回の学術大会もその1つでした。
過ぎた6月にはサインフォラムを開催しました。今回の大会を準備しながら、日本筑波大学韓国留学生たちが韓国基礎造形学会とのコミュニケーションをいろいろ手伝ってくれました。
ソウルと東京の表情は似ているところが多いです。それで、共通の問題も多いと思うのでそれを韓国と日本が一緒に研究すれば大きい成果を得られると思います。一番大きい共通点は建築とサインがばらばらになっていることです。店鋪主は周りの都市環境は考えず自分の目的たけを考えています。また、デザインに対する配慮はなくサイズだけを規定している法的な規制も問題です。
今回の学術大会は情報を交流できる機会を与えたのに意義があります。両国で発生している問題をどうするべきかについて考えることができたのです。
学会と協会、産業体、即ち産学協産3者が協働するばよい環境を作ることができるでしょう。
韓国基礎造形学会とはこれからも交流していきます。また、つい最近発足した韓国サイン学会とも緊密な交流ができるよう期待しています。