第8回日本サイン学会'97筑波大会
- 開催日:1997年9月12日〜13日
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- 研究発表会場:
- 筑波技術短期大学聴覚部講堂
- エキスカーション:
- 茨城県立医療大学保健医療学部作業療法学科
- 筑波技術短期大学視覚部・聴覚部
- 筑波技術短期大学視覚部・聴覚部
筑波大会の主旨
日本では超高齢化社会を目前にして、バリアフリーに対する社会的必要性が非常に高まっている。1981年の国際障害者年を契機にノーマライゼーション(すべての人が普通に暮らすことができる社会を意味している)という言葉がクローズアップされた。しかし、それを実現するためには障害者や高齢者、妊婦、子供などさまざまなハンデを持つ人々を取り囲むたくさんの障壁(バリア)を取り除く必要があるのが現状である。 デザインを進める際に、バリアフリーについて配慮することは今や欠くことのできない要件のひとつとして認識されている。建築やプロダクトデザインの分野を中心に研究が進められ、成果が反映された製品が開発されている。しかし、サイン・コミュニケーション・デザインの分野においてはその重要性を知りつつも、難しい問題として遠巻きにしている場合が多いことも否めない。E&Cプロジェクトが行ったハンデキャッパーの生活上の「不便さ調査」によれば、例えば「高齢者」の外出時の問題点について見ると、表示・案内の見にくさ、わかりにくさ、自動券売機の不便さ…といった項目が上位に並んでいる。良質な環境づくりを目指すサイン・コミュニケーション・デザインに関わる者には多くの課題が与えられていることが確認できる。 一方、パーソナルコンピュータなどの機器の普及は、主に情報、通信の分野でのバリアフリーの実現に大きく貢献する可能性を持っている。いろいろな人が情報を共有できるツールとして、教育機関などでは積極的に活用している事例が見られる。エキスカーションの見学先である筑波技術短期大学、茨城県立医療大学などはその好例である。見学やレクチャーを通じ、私たちがこれからのサインによるコミュニケーション・デザインのありようについて考え、実践していく上での問題点や可能性について見つける契機になればと願っている。
日本サイン学会筑波大会実行委員会
木村浩
小泉雅子
松井智(筑波技術短期大学)
宮沢功
太田幸夫(日本サイン学会東京事務局)
坂野長美(日本サイン学会東京事務局)
石原伊都子(日本サイン学会東京事務局)
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協賛
日本サイン株式会社
表示灯株式会社
株式会社中川ケミカル
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協力
加藤宏(筑波技術短期大学)
鷲田孝保(茨城県立医療大学)
(社)日本サインデザイン協会
林税務会計事務所
報告書表紙(目次)(pdf)
A4版・全40ページ・1998年3月発行