筑波大学芸術専門学群美術史領域(旧芸術学専攻等を含む)の出身者による卒業研究(論文)の題目をご紹介します。


2022年度
シモーネ・マルティーニ《マエスタ》における政治的性格―図像と注文主に関する考察
J. E. ミレイ« アフタヌーン・ティー(ゴシップ)» について―ヴィクトリア朝における仮装の少女像をめぐって―
ロイ・キヨオカ研究―1970 年日本万国博覧会とStoneDGloves における芸術実践を中心に―
月岡耕漁の生涯と作品について―能画を中心に―
レンブラント《三本の木》をめぐる考察―17世紀オランダの風景版画とイタリア

2021年度
「山越阿弥陀図」に見られる山水表現―禅林寺本を中心に
川端康成『舞姫』における仏教美術の描写
福田豊四郎の芸術思想における「素朴さ」について―《ふるさとへ帰る》,《雪国》に至る風土の表現をめぐって―
岡本太郎《明日の神話》の制作背景と公共空間への設置について
古代ギリシアの白地レキュトスにおける死者の表象―「墓辺図」の作例に基づく考察

2020年度
棟方志功作品における「鯉」─岡本かの子の短編小説『鯉魚』をめぐって
近代絵画における女性同性愛の表象について―クールベ《眠り》を起点に
平家物語扇面図の展開−海の見える杜美術館本を中心に
明治期における宝物調査と文化財保護
日本美術院における音曲画題について

2019年度
クルト・シュヴィッタースの「初期メルツ絵画」の生成− 1917 年から 1920 年の作例におけるイメージの断片化と結合
桃山時代における洋風画の学習 ―「三聖人像」を中心に―
日本の商業美術における女性像と歯の表象
豊臣家における美術戦略:木幡山伏見城の描写を例として

2018年度
山名文夫研究 - 1950 年代の都民劇場パンフレットデザイン
ローマ模刻に見られる翻案と創意 -ポリュクレイトス作品を中心に
初期ネーデルラント絵画における風景表現―ヒエロニムス・ボス《快楽の園》を中心に
歌川広重の琳派受容について-『略画光琳風立斎百図』を中心に-

2017年度
弘法大師像の造立背景について —高野山金剛峯寺萬日大師像を中心に—
古代ギリシア美術における「ネグロイド(黒色人種)」の表現について—ヘッドベースに見る「他者」—

2016年度
戦後美術における国際的同時代性についての考察
龍池会と明治初期の美術行政
薬師寺東塔水煙の飛天に関する一考察
川端龍子の戦争画について
フェルナン・クノップフ研究 ―ホイッスラーとの関係を中心に―
熊野速玉大社神像の造立背景について

2015年度
高麗象嵌青磁における菊花文様の研究
世紀転換期におけるサロメ図像に関する考察―グスタフ・クリムト作≪ユディトⅡ≫を中心に
ピーテル・ブリューゲル研究 ―≪イカロスの墜落≫を中心に
クリティオスとネシオテス ―厳格様式の成立と2人の先進的彫刻家―
近代美人画における菊池容斎作『前賢故実』の図様的影響について
宗達筆≪舞楽図屏風≫の制作背景―近世初期における舞楽図の受容から―

2014年度
鎌倉における宋代様式の受容―神奈川・円応寺初江王坐像を中心に―
桃山末~江戸初期にかけての絵唐津

2013年度
木版画家としての清宮質文
商工省工芸指導所と輸出工芸
フェルメール作≪真珠の耳飾りの少女≫―17世紀オランダ絵画と東方趣味
慶長初期の嵯峨本

2012年度
イーゴリ・ゴロムシトク著『全体主義芸術』について
《バイユーのタピスリー》における物語場面と縁飾りの意味的相関についての考察

2011年度
ロココ・リヴァイヴァル再考―ゴンクール兄弟と装飾芸術中央連合におけるロココ美術再評価を軸に
小出楢重と1920年代の関西
古代ギリシア・アルカイック彫像成立期におけるエジプト美術の影響―古代における美術と死生観に関する研究―
アンリ・マティスの空間装飾―舞台美術を通した造形と思考のプロセス
明治期における石版画の受容―煙草広告、三越呉服店ポスターを中心に

2010年度
日本近代洋画における自画像 ─村山槐多を中心に
一九三〇年代初頭の戦争美術 ─創作版画誌『白と黒』、『版芸術』を中心に─

2009年度
鏑木清方の画業 ─《妖魚》の解釈を通して─
曾我蕭白筆『群仙図屏風』について

2008年度
木喰仏の研究 ―微笑仏の成立と大黒天像との関連性を中心に
ヤン・ファン・エイク作≪聖バルバラ≫について
勝利を司る女神アテナ ―「将棋」図像におけるアテナ介入の意義に関する考察
明治時代における工芸品の輸出

2007年度
Africaness in Transition: Pre-colonial West African Ivories and the ‘Curious’ Others
鈴木其一筆「歳首の図」に関する考察
恩地孝四郎による「出版創作」  ― 詩画集と写真の関連性を中心に ―
日本近代写真における女性裸体について  ― 新興写真から前衛写真の時代 ―
五姓田義松《細川護成像》に関する考察
雲岡石窟における供養者像についての一考察
岩村透の美術評論  ― 日本におけるジョン・ラスキン受容の側面から ―
漢代画像石における陜北画像石の特殊性に関する考察
オルジェイトゥ廟の内部装飾に関する考察

2006年度
ハン・ファン・メーヘレンのフェルメール贋作に関する考察
房総の大日如来信仰について ―妙楽寺 大日如来坐像を中心に―
伊藤若冲筆「鸚鵡図」に関する一考察 ―肖像画としての解釈の可能性について―
岡倉天心と日本美術史
ヒエロニムス・ボス《快楽の園》に関する一考察 ―左翼及び中央パネルの建造物を中心に―

2005年度
現代人形劇の革新 ―劇団DRAKにおける人形遣いと人形との関係
山名文夫の女性像 ―資生堂時代を中心に―
山東京伝と歌川国芳 ―異り絵を中心に

2004年度
戦後住宅史と最小限住居に関する考察
伊勢音頭考察 ―人と神宮の係わりを中心として―
中原淳一について ―少女誌・女性誌の表紙画を中心に―
パパ・タラフマラ考 ―1960年以降の日本のパフォーミング・アーツについて―

2003年度
「一つ家」考 ―歌川国芳の絵馬『一つ家の図』を中心に
西洋近代美術に果たした日本の伝統的工芸意匠の影響 ―『The Studio』を中心に
風神考
アウトサイダー・アート考
地方自治体の「行政型」美術館の理念と現状 ―水戸芸術館を中心に―

2002年度
昭和戦前期の美術教育機関について
イサム・ノグチについて ―プレイグラウンドを中心に―
オノ・ヨーコ 初期作品考
唐三彩と唐墓 ―陝西省・河南省を中心として―
元代・景徳鎮窯における青花磁器について
アメリカの美術館教育について―メトロポリタン美術館を中心に―

2001年度
ルドン作 フォンフロワード修道院壁画「昼」「夜」にみられる光と闇の融合
プロレタリア美術運動とその周辺
中央アジアにおける涅槃美術の展開
M.C.エッシャー:「不思議な世界」の考察
しりあがり寿について ―『弥次喜多 in DEEP』を中心に

1999年度
ラテンアメリカの植民地芸術 ―キリスト教建築装飾を中心に―
島成園「伽羅の薫」 ―近代美人画における近代的表現としての日本版ファムファタル像―
絵本「役者夏の富士」について
中国漢代画像石に表された西王母画像の研究
≪肇国創業絵巻≫の研究

1998年度
メディア・アートの研究 ―ふくい・ビエンナーレのあゆみ―
東北地方における毘沙門天像と田村麻呂伝説の関連について
エゴン・シーレ研究 作品≪家族≫について
松本竣介研究 ―≪序説≫を中心に
麦積山石窟における西魏窟の研究
美術の文化経済学的考察
岸田劉生研究
美術作品に対する表現規制について
歌川豊国の役者大首絵について

1997年度
「決定的瞬間」という言説 ―戦後日本写真界におけるカルティエ=ブレッソン受容をめぐって―
フォード・マドックス・ブラウン研究 ―ラファエル前派団との関わりの再考―
光琳様式の成立過程に関する若干の考察 ―水の表現を中心に―
亜欧堂田善に見る銅版技術の実用化 新訂万国全図と蘭学に関する考察
アングル研究 ―オダリスク画を中心に―
デューラー作「多くの動物のいる聖母子」について
長谷川等伯筆智積院障壁画のうち楓図について
マリア観音像研究 徳化窯及び平戸焼マリア観音像を中心に

1996年度
陝西省の碑像群について ―円盤文様の図像解釈を中心に―
ミロの初期作品について ―「農場」を中心に―
昭和戦前期の抽象絵画について―吉原治郎の1930年代をめぐって―
尾形光琳作『燕子花図屏風』について ―物語絵の制約からの解放―
虚偽としての芸術 ― F. ニーチェ『悲劇の誕生』を中心に―
誰が袖図屏風について
藤田嗣治作『秋田の行事』について
キジル石窟壁画について

1995年度
伊藤若冲研究 ―鹿苑寺障壁画群を中心に―
国芳の武者絵論
世紀末ポスター芸術研究
中国吉州窯の白地鉄絵文様について
与謝蕪村筆「夜色楼台図」ついて
佐伯祐三論

1994年度
ウィリアム・モリス研究
国分寺本十二天曼荼羅について
石橋和訓研究 明治洋画における肖像画の諸問題を中心に
オリュンピアのゼウス神殿破風彫刻
マックス・エルンスト研究 ―「コラージュ・ロマン」『百頭女』(1929)を中心として―

1993年度
柳瀬正夢研究 ―大正期前衛画家として―
ギリシア幾何学様式における陶器装飾の意味 ―いわゆる≪ディピュロンの壺≫を中心にして
太田・辺垂時代の雪村―雪村周継の初期作品について―
ジョージ・グロッス研究
エル・グレコ作『キリストの復活』について

1992年度
江戸下向期の尾形光琳作品の推定とその特色について
サン・サヴァン教会堂の壁画について―地下室の壁画「聖サヴィヌスと聖キプリアヌスの殉教伝図絵」を中心として―
アリストテレースに於ける批評の問題
金剛寺本日月山水図屏風に関する考察

ゴヤのカルトン考 ―第三の連作(1778-1780年) エル・パルド宮、皇太子夫妻の寝室、及び寝室控えの間を飾る

  タピスリーのためのカルトンについて―
レオン・バクストと装飾 ―ロシア・バレエ団の舞台装飾家としてのバクスト―

1991年度
白隠と禅画およびその表現について
ニコラウス・クザーヌスのARS
靉光論
河鍋暁斎の人と芸術 ―地獄太夫図を中心として―
ラオコオンについて
ビアズリーについて

1990年度

K. Malevich 論 ―「太陽の征服」を中心として―
フェルメール初期作品考
ヒンドゥー教石窟寺院 エレファンタ第1窟について
菱田春草初期作品について
安倍文殊院文殊菩薩騎獅像及び侍者像について
現代芸術における「テクノロジー・アート」の研究 ―「テクノロジー・アート」の基礎概念の規定への試み―
『画家の像』考察 ―1941年の松本竣介―
ドゥッチオ作『ルチェライの聖母』について

1989年度
俵屋宗達「源氏物語関屋澪標図屏風」について
ジョルジュ・スーラ論「パレード」「シャユ踊り」「サーカス」の三作品を中心に
ヨーゼフ・ボイスと社会彫刻

1988年度
パブロ・ピカソ論
青木繁作≪わだつみのいろこの宮≫に就いての考察
ジャン・フランソワ・ミレー研究
フェルナン・クノップフの主題・図像研究

1987年度
フラ・アンジェリコ “受胎告知” について
レオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』研究

1986年度
織部陶について
法隆寺金堂壁画
ボッティチェルリ作「春」について
帝冠様式の研究
ギリシヤ古典期における劇場の研究

1985年度
「おくに歌舞伎図」の展開に関する考察
「春日曼荼羅」について ―「鹿曼荼羅」を中心に―
S・K・ランガーの芸術論の批判的検討 ―芸術モデル論としての読みかえ―
古代エジプトの絵画・浮彫に於ける人体描法について
Kandinsky 研究
ヤン・ヴァン・エイク研究 ―≪アルノルフィーニ夫妻の結婚≫を中心に―
法隆寺金堂釈迦三尊像 光背銘文の書風による刻入年代の考察
創造活動における教育的意義 ―描画の意味の研究を主題とする―
平安後期の阿弥陀来迎図について
イラン・ミニアチュール研究―「夜の旅」図について
ピエロ・デラ・フランチェスカ作『聖十字架物語』について

1984年度
尾形光琳筆「白楽天図屏風」に就いて
富岡鉄斎筆、安倍仲麻呂明州望月・円通大師呉門隠栖図屏風について
仏師快慶の研究―主として初期造像と勝賢一族との関係―
Ch. ドレッサー研究 ―形態学的造形理論を中心に―
内山永久寺造時造仏考

1983年度
グリューネヴァルト研究 ―イーゼンハイムの祭壇画を中心に―
「民芸」に関する一考察
パウル・クレーの制作過程についての一考察

1982年度
ヨゼフ・アルベルス研究
趙孟覜の基礎的研究
ヴェネシアン・グラスのガラス工芸史上の位置 ―フィリグラーナ技法を中心に―
フェルメール研究
『鑑真和上三異記』にみる創建期唐招提寺の史料の性格について  ―創建期唐招提寺美術序説―
エレクティオンのカリアティードに関する一考察
ヨハネス・イッテンの造形教育の教えるもの ―美術アカデミー史と個の解放をめぐって―

1981年度
藤島武二の風景画における装飾性
中村彝論 ―特に晩年の三作品に集約された画風―
Aperçu historique des ètudes sur le Livre de Saint Jaques
et sur ses diverses formes
芸術分類における理念問題
古代インドにおける装飾モチーフのデザイン処理について ―メダイヨンの植物文を中心に―
20世紀における芸術作品の位置に関する一考察
芸術論のアラン
Frank Stella ―’60年代の展開を中心に―

1980年度
ケルト美術における必然的造形表現について ―宗教・習俗からの考察―
挿画にみるシャガールの本質考
岸田劉生の「装飾」概念について ―油彩静物画制作にみられるその形成と変容―
P.クレーの線描の特質について
薬師寺聖観音考 ―その造形的意味の解釈―
ドイツ表現主義に関する一考察 「総合への志向」 絵画から舞台芸術、建築へ

1979年度
水墨画考 中国水墨山水画の発生と意義
ヘレニズム絵画における建築様式による空間表現
現代における芸術の機能
現代芸術の研究におけるフロイト主義
京博本興福寺曼荼羅に見る二躯の維摩詰像の相違について
扇面法華経小考
新治郡新治村向上庵庭園について

1978年度
『風姿花伝』の花について ―世阿弥芸術論考序説―
我国の七宝技法の萌芽について
モンドリアンの芸術論についての一考察
印象主義からセザンヌ・キュビスムに到る近代芸術理論についての一考察
『和菓子考』