作者生没:1903 札幌(北海道)- 1934 名古屋(愛知)
制作年:1934年頃
技法材質:油彩、カンヴァス
寸法:33.5 x 24.5 cm
所蔵番号:2010-JO-IS012

作品解説:
桃色の岸辺には、大小さまざまの貝殻が無造作に転がっている。空には雲ひとつなく、海は目も覚めるばかりに青い。対して貝殻は、とりどりの色が塗り重ねられ、ごつごつとした質感までもが表されている。あっけらかんとした大空と海原を背景に、これらの貝殻は浜辺に濃い影を落とし、命の抜け殻としての空虚さを想起させつつ、シュルレアリスム的な静謐さを呈している。 三岸好太郎の画家活動はわずか十年余りであるが、その最晩年を飾るのが、一群の貝殻や蝶を取り上げた、日本におけるシュルレアリスム絵画の記念碑的作品群である。彼は、1934年に開かれた第4回独立美術協会展に、現在福岡市美術館所蔵の《海と射光》、同じく北海道立三岸好太郎美術館所蔵の《のんびり貝》など計7点の油彩画を発表し、また自作の詩を添えた筆彩素描集『蝶と貝殻』を刊行した。本作は、構図とモティーフが名古屋市美術館所蔵の《海と斜光》(72.8×60.5 cm)をにも一脈通じ、三岸の最晩年に描かれたものである可能性があろう。