石井コレクションについて

2005年夏,筑波大学は株式会社図書館流通センター代表取締役会長(当時),石井昭氏から80余点の美術品を受贈しました。日本近代の作家たちによる絵画や,中国・朝鮮・日本の近世陶磁などからなる同氏寄贈の美術品は,2010年の夏に200点を超え,現在にいたっています。

筑波大学では,美術史学と博物館学を専門とする教員による管理グループを組織し,大学所蔵のアート・コレクション600余点の核として,教育・研究に活用しています。 石井コレクションは、その一部が筑波大学メイン・キャンパスの大学会館内にある「筑波大学ギャラリー」で常設展示されているほか,毎年1回,同館内の「アートスペース」を会場に「特集展示」で公開されています。それに加えて,2011年度には茨城県陶芸美術館と武蔵野市立吉祥寺美術館でそれぞれ陶磁約100点と版画・水彩など約50点による展覧会が開催されるなど,学外でも積極的に展示され,国内外の美術館における企画展にも随時出品されています。2015年には米国スミソニアン研究機構傘下のアメリカ美術館で開催された国吉康雄の回顧展に《鯨に驚く姉妹》が貸出・展示されました。

芸術系の研究組織では石井コレクションに含まれている作家と作品に焦点を当て,美術史・美術制作者・保存修復家など多領域の専門家による研究集会を開催しているほか,他の大学の附属ミュージアムとの連携事業も展開しています。一連の教育研究事業の成果は,『石井コレクション研究』として編集・刊行され,これまで瑛九,国吉康雄,藤田嗣治,三岸好太郎,桂ゆき・福島秀子,池田龍雄,トリスタン・ツァラ『反頭脳』の7冊を数え,今後も継続されることになっています。

2021年夏、『石井コレクション研究』の6冊目までに収載された論考をアップデートし、さらに新稿も加えた17名の執筆陣によるアンソロジー『美をめぐる饗宴(シュンポシオン)』が筑波大学出版会から刊行されました。

(筑波大学芸術系 寺門臨太郎)

石井コレクションに関するお問い合わせ

→ 芸術系社会貢献推進室[石井コレクション管理担当]

sct#A#geijutsu.tsukuba.ac.jp

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