大沢昌助「女性像」
作者生没年:1903 東京 - 1997 東京
制作年:1984年
技法材質:コラージュ、紙
寸法:44.7 x 62.0 cm
署名・年記:右下にイニシアルと年記「84/S.O.」
展覧会歴:「大沢昌助コラージュ展」 渓苔洞画廊(大阪)1984年; 「紙上の技法学 筑波大学所蔵 石井コレクション」2012年1月7日-2月19日 武蔵野市立吉祥寺美術館 cat. 11。
文献:寺門臨太郎編『筑波大学所蔵石井コレクション Ⅰ. 絵画』、筑波大学芸術学系、2011年、cat. 25。
所蔵番号:2010-JO-IS003
作品解説:
大沢は戦前、人物を配した風景画を好んで描いたが、戦後は作風が次第に抽象化し、コラージュ作品も手掛けるようになる。本作は1984年に大阪の渓苔洞画廊で開かれた個展「大沢昌助コラージュ展」に出品された作品のうちのひとつである。画面中央の右寄りには白地を左右に裁断するかのように黒色の紙が貼られ、その一部が人型に切り抜かれる。また、その部分にはスカートを着た女性を思わせるような緑色の紙が貼られている。茶のコンテでフェンスのような線が描きこまれるが、その左端には、中央の黒色から切り取られた部分が貼り付けられており、この人物の影を形作っている。同様の表現は、たとえば1996年の油彩画《空は暗い、海も暗い、そして大地も暗い、人はさまよい、そして遭遇する》にも認めることができるが、白色の人物とその影という対比は、いずれの作品においても画面を静寂で満たしているとともに、人間の孤独を強調しているようでもある。