【授業紹介】デザイン演習2 展示と講評

10月9日から11日にわたって行われた大イベントと言えば…!筑波大学の学園祭「雙峰祭」ですね。その中の企画「芸術祭」では、私たち芸術専門学群生も、展示や模擬店、ワークショップなどを開催し、大いに盛り上がりました。
そんな中、右の写真のようにずらりと並んだ作品群。これこそ、先日キックオフイベントの記事でご紹介した「デザイン演習2」の、課題作品(kid’s size, kid’s life 3歳から5歳の生活を感性豊かにする家具)なのです。今回は皆、何分の1かに縮小した模型ではなく、実際に1:1スケールの家具を制作しました。
木材、グリッドコア、布、段ボール紙、アクリル…それぞれ自分が選んだ素材の特性を実感しながらの作業は、大変勉強になりました。この先、どんなに熟練した職人さんに依頼しても、自分の思い描くディティールが伝えられないということは、十分に想定できます。そういうときのためにも、プロダクトデザイナーは自分で形を表現できる能力を持っておくべきなのです。不器用な私も、もっと頑張らなくては…
そして、10日には展示会場にて、山中先生から1人1人講評していただきました。講評時間中、ちょうど対象年齢の子供から実際に家具を使ってもらえるという嬉しいハプニングもありました。
また、全体的にハイレベルだったとのお言葉をいただき、積み重ねた労力が報われた学生たちでした。
全体に共通することとして、プレゼンテーション用のパネルについてのご指導をいただきました。作品そのものだけでなく、パネルのグラフィックデザインも大変重要なのだと心に刻みました。また、「~しないように」を重ねるよりも「~できるから」という風に、ポジティブなプレゼンテーションができると良い、とも学びました。作品を活かすもダメにするも、プレゼンテーションの担う部分は大きいです。
形の在り方についてのお話も、大変ためになりました。「座る」行為を誘導する椅子の形、「入って遊ぶ」を誘導する形、「遊びたくなる」大きさ、ギミック…。この辺りは授業でよく耳にする「アフォーダンス」のことが浮かびます。人にある行動を促してしまう形の特性。考え込めば本当にどこまでも考えていけるような…やはりデザインは奥が深いですね。

[デザイン専攻2年 M.I.]

デザイン演習2 作品群

ずらりと並んだキッズファニチャー

デザイン演習2 講評中

公開プレゼンテーション・公開講評です。

デザイン演習2 子供登場

講評時間中、実際に子供に使ってもらえた作品も!


【授業紹介】デザイン演習2 キックオフイベント

まだまだ暑い日々が続いています。
3学期制である筑波大学の、夏休み最終日、8月31日に「デザイン演習2 キックオフイベント」が行われました。
9月2日から始まったデザイン演習2の、最初の課題は「kid’s size, kid’s life 3歳から5歳の生活を感性豊かにする家具」です。
しかし、「3歳から5歳」「身長120cm以下」の世界とは?学生の普段の生活では、なかなかピンと来ないものです。
そこで第1回目の授業に先行して、山中先生やキッズデザイン協議会の福島さん、ラボラトリー工房の田中さんのご厚意により、ラボラトリー工房を見学させていただけることになりました。
キノコのような可愛い椅子や、横にスタッキングできる椅子などもありました。国内材を使った、優しい木工プロダクトの数々。中でもここで、特にご紹介したいのが、ピーナッツのようなコロンとした形のスプーンです。(写真2枚目)
これは生まれて半年~1歳の子供のためのスプーンです。離乳食を食べさせようとしても、子供が上手く食べてくれない、食べこぼしてしまう…。多くの親御さんが直面する事態ですよね。そもそもこれは、上唇の力が弱く、口も小さい子供が「普通の」スプーンで食べさせられるにあたって当然のことと言えるわけです。このスプーンは、(大きい側が持ち手です)子供の小さな口にピッタリのサイズ。一度に口に運ばれる量も適量で、木の質感も気持ち良く、ポンと置いても食べる側が床面に着かないそう。
また、だらだらと長い時間をかけて非効率的に食べるストレスも無く、夜泣きの軽減にもつながるのでは、ということでした。いやはや、素敵ですね。
キッズデザインに携わる上で、安全性は勿論のこと、やはり「実際に子供の目線に立って見る・考える」ことは必要不可欠です。勿論これは子供に対してだけでなく、デザインの対象となる全てのユーザーについて言えることですね。

[デザイン専攻2年 M.I.]

k.o-01

田中さんの作品に囲まれ、いろいろなお話を伺いました。

first spoon

離乳食の時期の子供のための”first spoon”

工房にて

田中さん(右)に、実際に作業中の工房も見学させていただきました。


【活動紹介】ミューズガーデン改修グループ「オニワサンズ」

先日、店舗デザインの話についてに触れましたが、同じように授業外でのデザイン活動をしている学生たちは、まだまだたくさんいます。
今回は、筑波大学内にある庭「ミューズガーデン」の改修活動をしている学生たちに焦点を当ててみたいと思います。
それでは、改修活動を行っている学生グループ「オニワサンズ」のメンバーである、デザイン専攻2年生の多田さんのコメントをご紹介します。
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筑波大学体芸棟の裏に、ミューズガーデンという庭があるのをご存知ですか。
私たちオニワサンズはミューズガーデンをもっと人が集まる楽しい場所にしようと、環境デザイン領域の鈴木先生のご協力をいただきながらミューズガーデン改修の活動を行っています。第一弾の活動は〝ハーブ園を作ろう!″。とはいってもメンバーはみんな造園や園芸に関して初心者です。ハーブ園のデザインや、植えるハーブの種類、造園の方法など、みんなで一から勉強して話し合いを重ねました。そうしてまとまったデザイン案をもとに、先生や友人に協力してもらいながら改修作業を行い、今まで殺風景だった畑にハーブ園が誕生しました。ハーブはまだまだ小さいですがこれからぐんぐん育ってきれいな花を咲かせてくれることでしょう。
もちろん私たちは改修作業だけではなく芝刈りや肥料やりなどの普段のお手入れも行っています。あまり大きくない敷地といっても自然を相手にする作業はなかなか大変です。ミューズガーデンがもっと素敵なお庭になるように、今後も楽しい活動を企画していきたいと思います。みなさんもぜひミューズガーデンを一度のぞいてみてください。
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以上、多田さんからのコメントでした。実際にミューズガーデンへ足を運んでみると、スプリンクラーが回っていて、ハーブたちも幸せそうです。夏休みは明けましたが、まだまだ残暑が厳しい季節です。草むしりなどの作業も、重労働を極めることと思います。私たち一般学生も、出来る限りお手伝いしたいところです。改修して終わりではなく維持・管理などのアフターケアまできちんと行うことは、大変な労力を要しますが、とても大切なことですよね。貴重な経験になっていることと思います。何も無かったミューズガーデンを素敵な空間に成長させていく「オニワサンズ」の、今後の活躍にも大注目です!

[デザイン専攻2年 M.I.]

ミューズガーデンに変化が…!?

ミューズガーデンに変化が…!?

光る汗…

光る汗…

素敵なハーブ園に!

素敵なハーブ園に!


【授業紹介】デザイン演習1・発表会

夏休み直前の7月1日に、「デザイン演習1」の建築デザイン領域課題の最終プレゼンテーションが行われました。
今回のテーマは「つくば市内の子供を元気にする遊びの地域拠点施設(児童館)」です。
実際に児童館を見学し、設計するための敷地を決め、みんな思い思いのコンセプトをもつ児童館を設計しました。

部屋を壁で区切らず児童館全体を1つの繋がった空間として使ったり、人の行動や感じ方のスタイルに注目した造りであったりと、それぞれに魅力のある設計が目立ちました。
また、先生からは「図面を疎かにしない」ように注意されました。
実際の設計では、建築の専門家だけに自分のイメージを伝える訳ではありません。一般の人にも分かってもらうためにも、模型は大切です。
しかし、模型だけではなく、図面での表現力もまた大切です。魅力的な図面を提示することが出来てこそ、説得力も増すものです。
具体的には、スケールや利用イメージが湧きやすいように人を描き込んだり、周りの建物などを書き込むことで周囲との関係を明らかにしたり、といったことをするのです。

「もっと勝手な設計をすること」「夢を見ること」とも促されました。
建築にしろプロダクトにしろ、何だって夢のあるデザインって良いですね。

[デザイン専攻2年 M.I.]

すばらしい作品たち。

素晴らしい作品たち。

テクスチャーまで、細かいです。

テクスチャーまで、細かいです。

勉強中!

勉強中!


【活動紹介】店舗改装に携わる学生の紹介

筑波大学には、「ADP(大学を開く アート&デザインプロデュース)」という授業があることはご存知でしょうか。
全学群の生徒を対象とし、実践的なデザインを行っていく演習です。例えば病院の方々と話し合い、病院内の家具を作ったり、ワークショップを行ったりしています。

しかし、それとは別に、個人で集まってプロジェクトを引き受けている学生たちもいるのです。
今回は、そんな学生たちにも光を当ててみたいと思います。

何やら話し合いをしている学生たち…
実は、自家焙煎コーヒー豆と茶葉のお店、「まめぽっと」さんの改装をお手伝いさせてもらっています!
具体的には現在、看板作りを進めているところです。イメージスケッチの時点で突如リスのキャラクターが発生。ほのぼのとした世界が広がり始めました…。ちょっと足を運んでみたくなるような、優しく可愛い雰囲気の看板が出来上がると良いですね。

お店の方と話し合い、実際に必要とされるデザインについて考えることは、とても楽しく、やりがいがあります。
まだまだデザイナーのたまごで、時には周囲の方々に心配や迷惑をかけますが、こういった「デザインする喜び」を積み重ねていくことは大切なことだな、と実感します。
それぞれの学生が、将来どのようなデザインをしていくことになるのかは分かりません。デザイナーになっていないかもしれません。しかし今積み重ねている経験は、必ず未来の自分を形成する糧となっていくことでしょう。

[デザイン専攻2年 M.I.]

お店にてミーティング中

お店にてミーティング中

ブラッシュアップ会議。白熱!?

ブラッシュアップ会議。白熱!?

看板のイメージです

看板のイメージです