博士前期課程2年
Shigeno Kanako
奥の細道立石寺紀行
33.5×390㎝
釈文 岩に巌を重て山とし松柏年旧土石老て苔滑に 嵒上の院々扉を閉て物の音聴こえず、岸をめぐり岩を這て仏閣を拝し 佳景寂寞として心澄み行のみおぼゆ。 閑かさや岩にしみ入蝉の声 最上川のらんと大石田と云所に日和を待つ。爰に古き誹諧の種こぼれて忘れぬ。 花のむかしを慕ひ芦角一声の心を和らげ、此道に探足して新古二道に踏み迷ふと 云へども、道標する人しなければと理無き一巻残しぬ。
漢字とかなの融合、静謐な趣の作を志した。
摹刻 呉譲之印二十顆
16.5×200cm
呉譲之の印は、特に六字を選文した朱文印の造型に、腰高の小篆の理想的な姿が 凝縮されているように感じる。一方白文印はどこかユーモラスで、率意の作と思わ れる印もある。優雅な洗練された世界である。
印影参考文献:
・西川寧編『書道講座』第六巻 篆刻(二玄社、1973)
・小林斗盦編『中國篆刻叢刊』第23・24・25 清17・18・19 呉譲之一・二・三(二玄社、1983)
・『中国鉨印源流』銭君匋・葉潞淵著 梅舒適訳編(木耳社、1984)