カリキュラム
書領域の授業科目は、「書基礎演習」や「書漢字演習」「書仮名演習」などの実技科目のほか、「書概論」「書鑑賞論」「書学方法論」など、理論の科目も充実しています。歴代の名筆を直接制作の糧とする書の特質上、実技においても理論的な知識の習得は不可欠です。逆に、実技を通して培った鑑賞力によって、理論的な研究が進展することも少なくありません。
こうした理論と実技の相乗効果を重視し、卒業研究では、制作と論文の双方を要件としています。
充実した専門学群の授業
書領域での学習を深化させるうえで、学群開設の他領域の授業が果たす役割は極めて重要です。例えば、洋画・日本画・彫塑・版画の各領域は、ともに心象表現の仲間として、書表現の可能性に大きなヒントを与えてくれます。また、美術史・芸術支援領域の授業では、理論的研究の基本的な考え方や方法について、構成領域では、造形的な原理について、デザイン領域では、適応表現としての可能性について、それぞれ書を直接対象とはしないものの、書芸術の理解を多面的にサポートしてくれます。
これらは、学群共通の専門基礎科目、領域毎の専門科目から履修できます。
視野を広げる専門科目
更に、他の学群・学類で、柔軟に関連科目を履修できるのも、総合大学である本学ならではの特徴です。書を芸術としてのみならず、東洋独自の伝統文化として広く捉える場合、そこに密接に関わる思想や文学、歴史などの知識は欠かすことができません。書領域では、特に日本文学、中国文学、日本史、東洋史などの科目を選択の専門科目に位置づけ、書を広い視野から理解する一助としています。
もちろんこれだけではなく、本学では人文、社会、自然ほか、様々な学域の科目が開設されていますので、指導教員との相談のもと、自身の学習テーマに応じた関連科目を履修することが可能です。
取得できる免許・資格
他学群の開講科目をあわせて受講することによって、教員免許状(高等学校芸術科書道、中学校および高等学校国語科)の取得資格が得られます。
また、関連科目の受講によって、博物館の学芸員になる資格なども得られます。
- 高等学校芸術科(書道)教諭第一種免許
- 高等学校国語科教諭第一種免許
- 中学校国語科教諭第一種免許
- 司書教諭資格
- 学芸員資格
- 司書資格
- 社会教育士(養成課程)
進路
書家・篆刻家、中・高・大学の教員、博物館・美術館の学芸員、出版社など、書に関する多方面の進路が開かれています。
また、大学院へ進学する卒業生もいます。
卒業生の主な進路(大学院修了生も含む)
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- 大学の教員(専任および非常勤講師)
- 高等学校の教員(専任および非常勤講師)
- 博物館・美術館の学芸員
- 出版社(書道関係、教科書、一般書籍)
- 書道塾・カルチャーセンター講師
- 書道関係機関事務
- その他、公務員・一般企業
主な卒業生
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- 1990年卒業 小倉 太郎 聖徳大学准教授
- 1991年卒業 島田 和幸 教育出版執行役員
- 1993年卒業 矢野 千載 盛岡大学教授
- 1995年卒業 佐藤 美和 徳島県立文学書道館学芸員
- 2001年卒業 中村 信宏 台東区立書道博物館研究員
- 2001年卒業 山田 佳葉 齋田記念館学芸員
- 2005年卒業 西 勝子 台東区立朝倉彫塑館専門員
- 2008年卒業 六人部 克典 東京国立博物館研究員
- 2013年卒業 山田 千穂 皇居三の丸尚蔵館研究員
- 2015年卒業 井田 明宏 安田女子大学助教
- 2015年卒業 剣持 翔伍 兵庫県立美術館学芸員
- 2016年卒業 新井 恵理佳 東京国立博物館アソシエートフェロー
- 2020年卒業 春田 賢次朗 台東区立書道博物館学芸員
- 2020年卒業 黒松 愛華 筆の里工房学芸員
- 2021年卒業 笠原 綺華 ふくやま美術館学芸員
*1990年以降。大学院修了生も含みます。
履修例・時間割
芸術専門学群開講科目の履修例です。
このほか、免許・資格に関わる科目や、卒業要件に関わる科目を履修します。
芸術専門学群開講科目の時間割の例です。
このほか、免許・資格に関わる科目や、卒業要件に関わる科目が入ります(年度により、科目・曜時限が変更される場合もあります)。