Shigeno Kanako
博士前期課程1年
金子みすゞの詩
170×70cm
金魚
月は息するたびごとにあの柔らかな懐かしい月の光を吐くのです
花は息する度毎にあの清らかな芳しい花の匂いをはくのです
金魚は息する度毎にあのお噺(はなし)の継子(ままこ)のやうに綺麗な宝玉(たま)を吐くのです
継子とは血の繋がらない子のこと。
ペローの童話に、老人のふりをした仙女に親切な継子は、話す度に口から宝石が飛び出すようになったという物語がある。
みすゞはそれを詩にしている。
この不可思議な最終節を作品にした。