山田 協太

私たちの生を支える建築の姿とそのデザイン手法を探求する

山田 協太

芸術系|准教授

南アジアを中心とする環インド洋世界をフィールドに、地域研究、建築デザイン論の研究と、建築デザインの実践を統合しながら、個々人がそれぞれの生を主体的に生きる頼りとなる居住環境の創出と、それを可能にするデザイン理論の構築を探求します。
地域と近代の文化交渉、混交の長期の舞台となった環インド洋世界はその経験から、ポスト・コロニアリズムやケイパビリティなど、学問と生活を貫く独自の理論と運動を生んできました。建築における独自の理論と運動の展開の解明、文化混淆の焦点となった都市と居住環境の形成史の解明をつうじ、環インド洋世界の経験から建築の未来を展望します。
さらに、活力に溢れながら、文化交渉の過程で生じた矛盾の収斂する場となったインフォーマル居住地で、居住環境の直面する困難な課題を解きほぐすデザイン解として、地域学習施設の建設を居住者と進めています。インフォーマル居住地は、近代社会のそれとは異なる独自の動態と仕組みを持っています。他方で、今日の建築は、近代社会の仕組みと秩序を基礎として成立してきました。インフォーマル居住地における実践をつうじて、建築はそのあり方と概念をラディカルに見直す必要に迫られます。一連の過程の記録、分析から、私たちの生を支えるデザインの力と仕組みを解明し、未来のための建築の姿を探求します。

主な研究テーマ

コロンボ(スリランカ)の都市形成史を軸とした環インド洋世界における地域文化と近代文化の交渉、混交の解明
環インド洋世界の建築デザイン運動とエマージング・アーキテクチャー
ライフストーリーから捉えるコロンボ歴史地区の居住環境形成
コロンボ歴史地区における地域学習施設のセルフ・ビルドとその省察をつうじた生を支える建築デザインの手法、理論の構築
大工さんが使える気候応答型居住環境データベースの構築

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