自然から学び自然に還す「和」のクリエイティビティ
伊藤 節
芸術系|教授
平成の30年間イタリアを中心にデザイン活動を展開してきました。ルネサンスから500年の時を経て人間中心の個の解、「差」を求める西欧思想の科学技術の発展は、ここに来て私たちの住む社会環境や自然環境に対し様々な環境破壊や、AI社会における人間性欠如の危機という歪みを生んできています。世界は今新型コロナウィルスによるパンデミックに揺れています。令和の時代が開けた今日、森羅万象を大切に考えるアジア、日本発の自然との共生、異なる分野間の協調、「和」の科学技術による問題解決力が求められます。その鍵を握るのは感性、情緒あるクリエイティビティ、人間性を発揮してバランスのよい問題解決の提案を行い、未来の社会生活を創造していくアート&デザインの力です。今後世界は2030年に向けたSDGs, ESGをはじめ、あらゆる人を受容するインクルーシブな社会のデザインと構築が極めて重要になってきます。私たちの研究室ではnature- centered と inclusive society をメインテーマに科学技術とアート&デザインが同時進行する新しい和のクリエイティビティを打ち出していきます。