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大学リニューアルプロジェクト
[大学を開くキャンパス・リニューアルプロジェクト/貝島桃代]


1.筑波大学附属病院リニューアルプロジェクト
「筑波大学附属病院リニューアルプロジェクト」は大学のリニューアルを目的としたいくつかのプロジェクトの集まりである「大学を開くキャンパス・リニューアルプロジェクト」における、筑波大学附属病院のリニューアルを目的としたプロジェクトです。
筑波大学附属病院リニューアルプロジェクトのメンバー達はアートとデザインで、病院をいつもよりも少し楽しくすることを目指して、このリニューアルチームを“アスパラガス”と名づけました。
アスパラガスは学生と患者の方が直接コミュニケーションできる場を設けることで、病院での日常をちょっと楽しく変えるための提案を行っています。


2.第一回目のワークショップ“window windows window”

2.1.“window windows window”
第一回目のワークショップは2005年12月14日、大学附属病院1階渡り廊下で行われました。
ワークショップ名は“window windows window”、半透明の紙を窓に見立てて、風景にかざしたときに、世界に想像力がはたらきかける瞬間をキャッチするワークショップです。参加者に描いてもらった絵を参加者自身の中にある窓から見た景色として“window”と呼び、それを窓から見える風景に重ねあわせて見る、という体験をしてもらいました。
そして“window”を光る“窓カプセル”に封じ込め、ひとりひとりのいろいろな窓と窓をつなぐ。そしてこのつながった“ひかりの帯び”で病院の夜を彩ります。

窓カプセルの制作手順
・ 窓カプセルの製作
1. トレーシングペーパーを病院の窓にかざして、そこから見える風景や自分が見たい風景を想像を膨らませてトレーシングペーパーに描く
2. 描いた絵のお気に入りの部分を丸く切り抜く
3. 切り抜いた絵を青色ダイオードといっしょに丸いカプセルに入れる

・ 帯渡し
1. たくさんの“窓カプセル”を帯びでつなげ、“ひかりの帯”をつくる
2. 病院の“窓”から“窓”へと渡す。

“window windows window ”の病棟内ワークショップで、80枚のwindowが集まりました。天気が良かったので、かざしたトレーシングペーパーに外光が反射してキレイでした。出てきたモチーフは、「普段見ている風景」「こんな家に住みたい」「カワイイキャラクター」「夕日の色」などでした。「住みたい家」と実際に窓から見えるつくばの町並みを重ねてみてもらったり、「夕日の色」に塗ったwindowを昼間の青空に重ねて見てみたり、キャラクターを筑波山の頂上に重ねて、遊んだりしました。

2.2.窓絵とアスパラガス
12月14日のワークショップでは“窓カプセル”の制作以外に、外来病棟を中心に廊下の窓にスクリーンを貼ってフェルトの切り絵の制作や手作りのアスパラガスの設置を行いました。
窓絵にスクリーンを貼ってフェルトの切り絵を張っていく、まるでグラフィティーさながらの印象でした。制作中に興味を持って話しかけてくれる方がいたり、ひそひそと何を作るのか期待されている雰囲気を背中で受けたりしました。
アスパラガスはワークショップのシンボルとして病院内のあちらこちらに置かれました。病院案内の案内板にはフェルトを切り抜いてつくられたアスパラガスを貼り付け、ロビーや廊下にはフェルトと綿布でつくられたアスパラガスのちょっとした茂みを生やしました。

2.3.まとめと感想
ワークショップの舞台は廊下でした。広いとは言えない廊下の窓側で、私たちは制作したり、ワークショップを行いました。病院の廊下という機能的な場所に、「人の活気」をバッティングさせたとき、いろいろな事に気付かされました。

ブースなどのスペースを持つより、参加者ともっと近くなれる
作り出した雰囲気が直にその場の空気になる
が廊下で「通過する」ことと、ワークショップで「留まる」こととのプロポーション(比率・構成)がよかった。廊下の機能を損なう事は無かった
入院病棟内での出張ワークショップでは、病状別、年齢別、性別でまとまった病室になっていたのに対して、廊下を通る患者さんは男女年齢問わずでバラバラだったことで、動的な場になった

などなどです。 そこにあるものを引き受けるライブ感が、活気と良いモノ(作品)を作り得るのだと思いました。ワークショップ“window windows window ”はアスパラガスのメンバーにとって病院とアートとのよりよい関わり方が見えてくる、貴重な経験となったものでした。また、病院に医療のやりとりの場以上の可能性を感じることができました。
現在続いての企画も検討中です。