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古民家再生プロジェクト


古民家再生住宅
1 建築意図
つくばの重要な地域資源として、里山と農地、そして民家集落があげられる。これらは近代化、都市化の中で、忘れられた存在となってきた。つくばスタイルとしては、これらの地域資源を生かした循環的な暮らしを21世紀の地域居住のモデルとして提案するものである。
敷地は、もともとこの地域の典型的な里山としての松林と雑木林であった。それをできるだけ保全し、つくば市内に残されていた旧豊島家住宅(明治26年築)の主屋と釜屋を移築、再生し、あらたに板倉構法による付属小屋を付設した。
今回の展示では、主屋を生活の場としてというよりは、人が集い、楽しむ場として再生し、里山芸術展の展示空間として
いる。そこでは、つくばの地域の暮らしや里山の風景をテーマとした芸術作品が古民家空間と一体となって展示される。これらの作品は、つくばの里山の風景と暮らしを郷愁として描いたものであり、里山の未来へのメッセージでもある。
付属小屋は、現代の里山としての杉の人工林の有効利用を図る板倉構法の提案であり、あらたな田園居住のための、農、食、工にかかわる生活空間として提案するものである。そこでは、陶芸、染色、竹細工、そば打ちなどのつくばスタイルとしての里山の暮らしを体験できる。
釜屋はフェスタ会期中に建設されるもので、茅葺きの屋根、土壁、土間の三和土といった、かつて地域住民が共同作業で行っていた建築を再現し、市民が参加し家づくりの原点を体験し、餅をまき上棟を祝う。
2 建築概要
旧豊島家住宅は主屋に釜屋(厩)を別棟とする分棟型住宅としての特徴をもつ。里山の松材を活用して堅牢で耐久力のある構造を構成している。特に幾重にも積み重ねられた松丸太は、この地域の暮らしを支えた松林を象徴するものとなっている。今回の再生工事においては、天井を張らず小屋組空間をあらわすことで、曲がりくねった松梁をいかす大工技量も展示する。土壁は荒壁をそのまま仕上として、土の現代的な表現を試みた。建具は昭和初期に整えられた板戸、ガラス戸、障子、格子戸の技術とデザインの最盛期のすがたを今日に伝える。宅地の前には畑地をつくり、藍とそばを市民の手で植え、収穫する。そしてそばをうち、藍で染める。これらはすべて現代の里山を再生する試みである。




■主屋
延床面積  141.29 m2
屋根:瓦葺き
壁:土壁塗り
床:スギ板張り 一部畳敷き
■釜屋
延床面積 32.01 m2
屋根:茅葺き
壁:土壁塗り
床:土間三和土
■付属小屋
延床面積 39.66 m2
屋根:スギ板大和葺き
壁:スギ落し板壁
床:雑木チップ敷き込み