第36回MC展

MC展は洋画、版画、日本画領域の学生たちが広報、宣伝美術、会場設営、展示作業など役割分担を決め、展覧会運営を主体的に行います。専門領域ごとに制作・研究を行うだけでなく、領域を超えて協力しながらひとつの展覧会を作り上げていきます。日ごろの授業での制作・研究の成果を学外に向けて発表することで、今後のさらなる制作の糧とするために開催する展覧会です。

36回目となる今回はWEB展覧会となります。コロナ禍の影響により8月までは大学での実習が叶いませんでした。以降も新型コロナウイルス感染拡大防止のガイドラインに従った形での授業となり、多くの制約の中での制作・研究となっています。美術館での展示は行えませんでしたが、それぞれの環境で自らに向き合い、本来行うべき研究に集中し、作品を制作しました。

洋画、版画、日本画を研究する学生の21作品、是非ご高覧ください。

*2020年度は学位プログラムに移行した年につき、MC2年生は前期博士課程芸術専攻の教育課程の学生になります。

私たち洋画領域では、西洋絵画の知識・技能を幅広く学びながら、新たな手法を模索し、絵画とは何かを追及してきました。琴線に触れるもの、言葉にならない感情やビジョン、記憶を抽出し、平面という枠組みの中にそれを表現したいと日々制作しています。

各々の感性、技法で描かれる作品を通して、私たちが絵画と向き合い、格闘した痕跡を少しでも感じ取って頂ければ幸いです。

日本画では、鉱物を原料とした岩絵具・膠・水干絵具・箔など伝統的な材料を主に使用してきました。また、時代の変化とともに新しい表現を模索しながら様々な材料・技法が取り入れられてきました。

私たちも日々の制作で様々なことを学び、考え、自分らしい表現を制作・研究を通して追及しております。ここに掲載された作品は、そのような制作・研究の成果です。

私たちは様々な版画技法を用いて日々制作・研究しています。

版画は絵作り・製版・刷りと、完成までの間に多くの工程があり、描いたものが直接作品になるわけではありません。出来上がりを想像しながら、それぞれの工程を合理的に組み合わせて制作する必要があります。しかしながら、どんなに計算していても、インクの量やプレス機の圧などの微妙なバランスにより、最後までどのような作品になるかわかりません。版画の持つその偶然性が私たちを魅了し続けているのです。

それぞれの作者が思いを込めて刷った、多種多様な版表現をご高覧いただければ幸いです。

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