建築設計論と建築のふるまい学と建築の民族誌
貝島 桃代
芸術系|准教授
20世紀の近代化と産業はわれわれの暮らしと自然やスキル、知などの地域資源、に障壁をもたらしました。「建築のふるまい学」はこれら資源へのより良いアクセスビティの創造に焦点を当てたデザイン手法です。その目的は、民族誌的連関の視点から忘れられた可能性を再発見することで、その資源を耕すことです。この過程で、伝統的な道具からコンピュータまで、空間を組織し、実現する上で、建築のドローイングは特異な役割を果たす。建築の将来像を説明する過程で、ドローイングは建築を記録し、議論し、進化させるための観念的手段ともいえます。民族誌のドローイングも利用、要請、願望などを人そして人以外の多様なアクターの視点を通し確かめられ、個別化されたデザインの、また今日のグローバル社会の環境で共有された共通のアプローチの基礎となります。われわれはこの横断的手法を「建築の民族誌」とよび、研究とデザインの架橋となるものと考えています。