Robot Magnet
掲示物と共存するマグネット型ロボット
筑波大学における学生向けの情報伝達は、基本的に掲示板が利用されていますが、休講情報を友達からのメールで知り、提出物の〆切を学年のメーリングリストで知るなど、掲示板に直接足を運ばなくても、情報が伝わってくるケースが多くあります。この背景には情報のデジタル化・ネットワーク化が大きく関わっていると思います。
卒業論文の調査で、筑波大学のキャンパスを隅から隅まで歩き回り、1643 枚の貼り紙のデータを収集しました。そのときに分かったことの一つとして、収集した貼り紙のうち364枚、実に4 分の1 近くが東日本大震災に関係するものだったということで
す。その枚数の多さから、現代においても、重要な情報の伝達手段として、いまだ紙の掲示物の需要やメリットがあることを実感しました。
ロボット・マグネットは、そんな紙の掲示物と共存するマグネット型ロボットです。磁力で掲示板にくっついて、光センサとマイコン制御、バイオメタルを用いて、垂直面をゆっくりと自動的に移動します。機能はとてもシンプルですが、この小さなサイズで実際に動作させるには、多くの試行錯誤が必要で、約100個のプロトタイプを作
りました。
私はロボット・マグネットを、人の目を盗んでは動く昆虫のように「人間にとって何か気になる存在」となることを意識してデザインしました。そして、直接足を運ぶのが億劫な掲示板でも、ロボット・マグネットの存在によって「見に行くことが思わず楽しみになってしまう」というところを目指し、この作品を制作しました。
MEMBERS:
- 齋藤暢儀
- 内山俊朗
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