「日に花に」依岡みどり 2014年6月23日~2014年6月27日
展覧会「日に花に」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2014年6月23(月)~2014年6月27日(金)
出展者:依岡みどり(筑波大学人間総合科学研究科博士前期課程芸術専攻洋画領域2年)
会場:アートギャラリーT+
会期:2014年6月23(月)~2014年6月27日(金)
出展者:依岡みどり(筑波大学人間総合科学研究科博士前期課程芸術専攻洋画領域2年)
修了研究提出作品展です。
T+review
本展示は展示者の修了研究提出作品展であり、非常に重みのある展示だった。ガラス越しの第一印象で日本画だと勘違いしてしまったことは、描かれた素材を見てすぐに分かった。展示者は油絵の具だけでなく、墨をはじめとする日本の伝統的な描画材を作品の中に取り入れていた。色彩も絹本を思わせるような薄茶で構成されている。その作品の構図もまた、古典的な日本絵画を彷彿させるようなものだと言っていいだろう。そして、瑞々しいと感じた。
雨に恵まれ河川や海の多い島国日本は、水とともに文化が発展してきた。そのためか日本絵画において主として使われる媒体は水である。しかし、本展示で使用された媒体は油であった。本来、相反する物質であるはずの「油」から「水らしい」瑞々しさを感じてしまった。それは不思議な感覚だった。意標を突かれたと言っていいだろう。ここで、ギャラリーの扉を押すまで、ガラス越しに覗き込んだギャラリーの壁に展示されているのは日本画だと思っていたことを述べておこう。そんな私の先入観がその不思議な違和感を勝手につくりだしてしまったのかもしれない。油とは、水とは。くせのない、透き通るような自画像も展示者の強いこだわりを感じさせる。
しかし、見る時間が経過するほど別の違和感を覚えてしまった。前述させていただいたように、彼女の作品は日本独自の古典的な構図や色彩を取り上げて描かれていたが、それが全て自身の中に取り入れきれていないというように思えた。
日本画で真に重要なのは、空間である。あるようでない、有の無。それが日本画に最も求められる精神だ。その先にたどり着いた彼女の作品を見てみたいと思う。兎にも角にも良い刺激を与えてもらった。
