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「Home Sweet Home」村山明里紗 2017年1月4日~1月6日

「Home Sweet Home」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2017年1月4日(水)~1月6日(金)
出展者:村山明里紗(版画3年)

スクリーンプリントによる
自作のコットンプリントの一枚布を、
自らの縁の地である2つのまちのなかにそっと広げる。
景色に焦点が生まれる。

ささやかな活動記録写真展。


T+review

 全体的に落ち着いた色合いで素朴な感じの作品が並べられており、心落ち着くような空間であったように思います。「Home Sweet Home」というと「ああ、我が家だ」とか「愛しき我が家」みたいな意味になるかと思いますが、そういった語感と同じような感覚で制作をしたのでしょうか。
台の上に置かれた置物のような作品は、不気味さとかわいさが混じった不思議な感じがします。引き伸ばされた目や下まつげが印象的ですが、個人的には丸くちょこんと描かれた口が好きです。こういう口の表現はどことなくあどけない感じがします。
壁に掛けられたスクリーンプリントの作品に刷られている模様は、パンのように見えるものや、コーヒー豆のように見えるものもあり、視覚的にとても面白いものでした。抽象的な表現は人によって見え方が違ってくることがよくあります。「何に見えるかは見る人の自由ですよ」と意図的に多義性を持たせている作品もあるでしょう。もちろん多義性のない特定の物を描こうとするときもありますが、そのような表現でも見る人にとっては作者の意図とは違うものに見えてしまうこともあるかもしれません。そういう事例は単に作者の技術力が足りないだけかもしれませんが……。(市川太也)


「DIG DIG DIG」桑原拓巳、他 2016年12月19日~12月22日

「DIG DIG DIG」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2016年12月19日(月)~12月22日(木)
出展者:桑原拓巳(芸術専門学群1年)
    岩崎奈々美(構成専攻VD領域3年)

”ストリートアート”を、発掘する


T+review

 たまに町中で見かける落書きの中には、なかなか面白い絵もあったりして、つい見入ってしまうことがあります。落書きするという行為自体は褒められたものではありませんが、純粋に絵画として鑑賞してみることもできるのではないでしょうか。
 落書きの絵柄は多種多様ですが、それでもどこか似通っているように思います。文字の落書きなんかが特にそう思うのですが、どれも一目瞭然で「ああ、落書きっぽい絵だな」という表現になっています。自由奔放なようでみんなどこか共通性があるように感じられるのです。落書きするというのは、なんとなくアウトローな感情を伴っているように思えるのですが、そういう反社会的なものも一つのファッションなのかもしれません。
(市川太也)

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「Lights on Earth」武智玖海人 2016年12月12日~12月16日

「Lights on Earth」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2016年12月12日(月)~12月16日(金)
出展者:武智玖海人(生命環境科学研究科博士前期課程1年)

昼でも夜でもない束の間の瞬間、
いつもどこかで街が輝き始める。
世界の様々な場所で撮影した、街の明かりの写真展。


T+review

「マジック・アワー」とは日没後に訪れる薄明のわずかな時間帯のことを指す。武智玖海人の写真は世界中の街の風景をその間に撮影したものだ。それらの一枚いちまいはまばゆいばかりの光を放ち、長時間露光での撮影によってカメラにとらえられる光の一つひとつは画面のなかに軌跡となってあらわれている。その光をもった街の風景は綺麗であり、人を魅了するような印象をうける。これは、人の眼ではとらえられない、人のもつ感情的な部分で撮影している。つまり、現実をそのまま写すという全くの写実性ではないところが彼の写真にはあらわれているのだ。ただ撮影した風景写真ではなく、作品のなかでは大きな演出がなされており、それがありのままの都市の風景とは違った意味合いをもたせている。だが、煌々と輝く光はその街の秘めるうつくしさを我々に迫力をもって伝え、それは見えないもの、作者自身の感じ取ったものを表現しているという点で、ひとつの芸術写真として成功しているように思う。(濱田洋亮)

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「洋画展」洋画専攻 2年 2016年11月21日~11月22日、11月24日~25日

「洋画展」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2016年11月21日(月)~11月22日(火)、11月24日(木)~11月25日(金)
出展者:洋画専攻2年

洋画コース2年総勢12名による「洋画」展を開催します。「洋画」という言葉は歴史的定義を持ちつつも、現在においてはその意味が曖昧になっている現状があります。本展では、「洋画」が生まれた日本の過去、「洋画」と他の絵画作品の境界がぼやけた現在、「洋画」の衰退が予想される未来に目を向け、出品者それぞれが「洋画」について思考した結果を提示します。

T+review

一見ただ学年で集まって好きに作品を展示するというありがちなグループ展にも見えるが、この展示の特徴は各々が「洋画」に対して考えていることを文章にして作品に添えているということだろうか。洋画をどのように捉えそこからどのように作品に表したかを説明する人もいれば、やはり洋画とは何かを自分の中で決定するのは難しいので自分の描きたいように描いたと述べる人もおり、展示者たちの顔を見知っている立場からすると、ああこの人はこんな風に考えていたのかと新たな一面を知ることができて面白かった。
 作品に対して文章で説明をつけるという展示の方法には賛否両論があるが、私は描いた人の考えていることを知ることができるという点で文章はあると嬉しい方だ。ただ文章によっては内容が抽象的すぎて余計に作者の考えが分からなくなってしまったり、ぱっと見で持ったイメージをよくよく近づいて読んでみたキャプションで変えられてしまう場合もある。難しい問題だが、そのギャップも楽しめるようになれば私も鑑賞者として更に成長できるのではないかと思った。(堀越文佳)

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「ユメイロウミウシ」澤田ナオミ 2016年11月14日~11月18日

「ユメイロウミウシ」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2016年11月14日(月)~11月18日(金)
出展者:澤田ナオミ(構成専攻VD領域 3年)

ウミウシのイラストレーションを展示します。


T+review

 ふわふわと、綿菓子のような作品がギャラリーの白い壁に浮かんでいる。小さな画面にパステルカラーで描かれたウミウシたちは、一見すると抽象画に見えるほど大きく画面からはみ出していたかと思うと、昆虫の標本のように行儀よく画面に収まっていたり、花のように小さく縮こまっていたりと、様々な姿を私たちに見せてくれていた。
 この展示を見ている間、私はまるで夢の世界にいるかのような感覚を味わった。実際のウミウシも非常にカラフルで不思議な姿をしているが、今回描かれていたウミウシたちからはそれとはまた違った印象を受けた。その理由は、おそらく実物よりもずっと淡い色彩と、空気に溶けてしまいそうな柔らかなタッチで表現されていたからだろう。冒頭で述べたとおり、まるで綿菓子のようだ。
どこかおぼろげなウミウシたちが、作品を鑑賞するわずかな時間だけ、私たちを穏やかな夢の世界へ引き込んでくれる展示だった。(戸田遥)

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