,

レオナール・フジタ(藤田嗣治)「靴を履き坐せる裸婦」

©Fondation Foujita/ ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2024  G3430

作者生没:1886東京 – 1968チューリヒ(スイス)
制作年:1926年頃
技法材質:油彩、布
寸法:46.0×65.0cm
署名:画面右下に署名「Foujita[横書] 嗣治[縦書]」

展覧会歴:「茨城県近代美術館コレクション展+筑波大学所蔵 石井コレクション展」、茨城県つくば美術館、2007年10月5日-28日、cat. 2;「まなびあテラス開館記念 筑波大学所蔵 石井コレクション展 美と出会う:[前期]絵の世界と出会う」、まなびあテラス[東根市美術館]、2016年11月3日〜12月11日、cat. 1。

文献:Sylvie Buisson et Dominique Buisson, La vie et l’oeuvre de Leonard-Tsuguharu Foujita, Courbevoie (Paris): ACR, 1987, p.382, no.26.20: Nu assis à la chaussure, fig.;寺門臨太郎編『筑波大学所蔵石井コレクション Ⅰ. 絵画』、筑波大学芸術学系、2011年、cat. 7;寺門臨太郎編『石井コレクション研究3:藤田嗣治』、筑波大学芸術系、2014年、cat. 1;林洋子「藤田嗣治画業における石井コレクション作品の位置づけ」、『石井コレクション研究3:藤田嗣治』、2014年、29−43頁;渡邉郁夫「藤田嗣治《靴を履き坐せる裸婦》調査報告」、『石井コレクション研究3:藤田嗣治』、2014年、45−51頁;宮田順一「藤田嗣治《靴を履き坐せる裸婦》試料片調査結果」、『石井コレクション研究3:藤田嗣治』、2014年、52−55頁;五十殿利治監修、寺門臨太郎編『筑波大学アート・コレクション 石井コレクション 美をめぐる饗宴(シュンポシオン)』、筑波大学出版会、2021年、口絵1;林洋子「藤田嗣治画業における石井コレクション作品の位置づけ」、『美をめぐる饗宴』、2021年、35−55頁;渡邉郁夫「藤田嗣治《靴を履き坐せる裸婦》調査報告」、『美をめぐる饗宴』、2021年、57−67頁;宮田順一「藤田嗣治《靴を履き坐せる裸婦》試料片調査結果」、『美をめぐる饗宴』、2021年、69−73頁。

所蔵番号:2005-JO-IS005

作品解説:
本作品は、藤田がパリで華々しい成功をおさめた時代の様式的特徴を端的に示している。彼は、日本の伝統的な浮世絵と西洋の古典的な女性裸体像とを巧みに融合させ、繊細かつ優美な線で描かれた乳白色の肌の裸婦像をつくりだした。本作品では、波うつ布の上で横向きにすわった裸婦が、両手両足を前方に伸ばしながら、左足に靴を履くしぐさを示し、憂いのある眼差しをこちらに向けている。構図も寸法も本作品と極めて近い、習作と思われる個人蔵の素描がある。また、天蓋付きの寝台に横たわる裸婦を描いている点では、茨城県近代美術館所蔵の油彩画と類似している。