,

国吉康雄「鯨に驚く姉妹」

作者生没:1889 岡山 – 1953ニューヨーク(アメリカ)
制作年:1923年
技法材質:油彩、カンヴァス
寸法:38.4×56.3cm

展覧会歴:Recent Paintings and Drawings by Yasuo Kuniyoshi, Daniel Gallery, New York, January 1924; 「ニューヨークの憂愁:国吉康雄展」東京都庭園美術館・岡山県立美術館・京都国立近代美術館 1989-90年、 cat. 20 《くじらに驚く姉妹》col. pl. p. 64;  「国吉康雄展」東京国立近代美術館・富山県立近代美術館・愛知県美術館 2004年、 cat. 21《鯨に驚く姉妹》 col. pl. p. 54; 「茨城県近代美術館コレクション展+筑波大学所蔵 石井コレクション展」茨城県つくば美術館、 2007年10月5日-28日 、cat. 3;The Artistic Journey of Yasuo Kuniyoshi, Smithsonian American Art Museum, Washington, D. C., April 02−August 29, 2015.

文献:Whitney Museum Papers, Archives of American Art, Smithsonian Institution, New York, 1948, Microfilm Roll No. 668;『YASUO KUNIYOSHI ネオ・アメリカン・アーティストの軌跡』 福武書店編 、1991年、福武書店、no. 97 《くじらに驚く姉妹》col. fig. p. 77;寺門臨太郎・赤間和美編『石井コレクション研究2:国吉康雄』、筑波大学芸術系、2013年、col. pl. p. 9;セシール・ホワイティング(五十殿利治訳)「国吉康雄の『海辺のヴィーナス』」、『石井コレクション研究2:国吉康雄』、2013年、11−27頁(Cécile Whiting, “Yasuo Kuniyoshi’s Venus at the Shore,” pp. 52−70);バート・ウィンザー=タマキ「《鯨に驚く姉妹》−アメリカでの美の鑑定士としての国吉康雄の選択」、『石井コレクション研究2:国吉康雄』、2013年、28−39頁(Bert Winther-Tamaki, “Sisters Frightened by a Whale: Yasuo Kuniyoshi’s Choice as an Arbiter of Beauty in America,” pp. 71−86);寺門臨太郎編『筑波大学所蔵石井コレクション Ⅰ. 絵画』、筑波大学芸術学系、2011年、cat. 8、col. pl.;五十殿利治監修、寺門臨太郎編『筑波大学アート・コレクション 石井コレクション 美をめぐる饗宴(シュンポシオン)』、筑波大学出版会、2021年、口絵2;バート・ウィンザー=タマキ「《鯨に驚く姉妹》−アメリカでの美の鑑定士としての国吉康雄の選択」、『美をめぐる饗宴』、2021年、77−98頁;セシール・ワイティング(五十殿利治訳)「国吉康雄《鯨に驚く姉妹》と『海辺のヴィーナス』」、『美をめぐる饗宴』、2021年、99−126頁。

所蔵番号:2005-JO-IS003

作品解説:
岡山に生まれた国吉は17歳で単身渡米。様々な職を転々としながらロサンゼルス美術学校、アート・スチューデンツ・リーグで学んだのち、米国内での個展や展覧会に出品し高い評価を受けた。1919年に美術批評家でコレクターのハミルトン・イースター・フィールドと出会い、彼の支援で米国東北部のメイン州にある海辺の町オガンキットに夏季のアトリエをかまえ、海や農場、動物などをテーマに多くの作品を制作した。その時期の国吉の作風は、ずんぐりとした姿の人物や極端な遠近感の表現に特徴があり、本作も例外でない。同時にまた、「性」と「女性」は彼にとっての重要な主題であり、本作でも生命の源としての若い姉妹と水面に見え隠れする鯨の対置に反映している。