「銀河(よかろう)」 鈴木沙織、中村純典 2012年3月5日~2012年3月8日
/カテゴリ: 展覧会情報/作成者: t-tasu会場:アートギャラリーT+
会期:2012年3月5日~2012年3月8日
出展者:鈴木沙織(博士前期過程芸術専攻日本画1年)
中村純典(日本画OB)
「星獣戦隊ギンガマン」が放送されていた当時、私は小学校の中学年だった。不人気作の超力戦隊から二年、コメディ作やネットサーフィンを挟み、放送枠も日曜朝に移っていた。正直に言おう。その頃、私の興味は戦隊物から別のジャンルに変わりつつあった。世の中には、もっとかっこよくてもっと大人びた事柄がたくさんあると、何も分かっちゃない、ませ始めたガキの耳には「銀河をつらぬく~伝説の刃~♪」だの「ガンガンギギーン♪」だのいうのは、どうにも子供じみて聞こえたのだ。
銀河。ロマンと、それと背中合わせの子供だましを含んだ、壮大な書き割りのような言葉だと思う。長じてこそ分かった気になるかっこよさの類だろう。結局、素直になるのはいつも何かが終わってからなのだ。
ま、それはさておき、これでもまじめに描いてるのです。
「素のまま展 next」 原田多鶴×北尾典子 2012年2月13日~2012年2月17日
/カテゴリ: 展覧会情報/作成者: t-tasu会場:アートギャラリーT+
会期:2012年2月13日~2012年2月17日
出展者:原田多鶴×北尾典子(芸術専門学群 デザイン専攻2年)
個々のパラダイムこそがユニークなのではないか という仮説から、「そのまま」を展示。
T+review
“物を再認識するような感覚を作品に”
展示のコンセプトは、身の回りにある、何気ない物のカタチを再認識できるような作品を生み出すこと。クリップや色鉛筆、パンの包装紙など、作品の素材はすべて日常生活の中のありふれた物たちだ。
デザイン専攻2年、原田多鶴。彼女の作品は、普段は「道具」として使用されるもの、つまりそれ自体が注目を浴びることのないような素材を用いている。
4色のカラフルなクリップを45℃になるように開いたものを円形に配列した≪45°≫は、今まで気づくことのなかったクリップの有するかわいらしいカタチ を提示してくれている。工業製品に内在する、人工的な数字。45°という数字から生まれる規則正しい形態は、シンプルながらも新しい感覚として自然と鑑賞者の記憶に取り込まれていく。また、≪arranged dots (study)≫と題された作品は、何種類もの小さな○がきれいに並んで描かれた、観る者の心を明るくさせるようなユニークな作品である。油性ペンを使用するときに紙の裏面にできる「しみ」。このしみは、本来意図して描かれることも、意図して見られることもない。私たちの意識の外にあるこのしみをあえて意図して配列することで、「意識と無意識の共存した不思議な画面が出来るのでは」と考えたという。これらは重ね合わせた紙の繊維のごく小さな隙間を通り抜けてきたインクの形跡である。
ギャラリーの奥の壁には、一際目を引く斬新な作品が展示されていた。同じくデザイン専攻2年、北尾典子さんの≪Evaluation≫である。垂直に交わる2本の矢印と、壁一面に散りばめられた無数のランチパックの包装紙。タイトル(evaluation=評価・査定)からもわかるように、色みや雰囲気の違いによって配された包装紙からは、その一つ一つがデザインされたアート作品であるということを主張しているかのような印象を受ける。(菊池美里)