「6A214のための接点」 タムラサトル 2011年11月7日~2011年11月18日

タムラサトル展「6A214のための接点」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2011年11月7日(月)~11月18日(金) ※土日休館
開館時間:9時~17時
出展者:タムラサトル
企画主催:アートギャラリーT+
入場無料

アートギャラリーT+は、筑波大学の芸術の学生、教職員の制作の発表の場として設けられ、毎週個性溢れる展示が行われています。T+のスタッフはギャラリーの管理だけでなく、筑波大の芸術を内外に発信しようと様々な活動を行っており、卒業生へのインタビューも大事な活動のひとつと位置付けています。2010年8月に、総合造形領域のOBであり、国内外で活躍するタムラサトル氏を訪ねてインタビューをしたことがきっかけとなり、今回母校で初となる展覧会が実現しました。ここアートギャラリーT+でしか成立し得ない「6A214のための接点」、どうぞお楽しみください。

■トークイベント
開催日時:11月10日(木)18:15~
会場:6A208
入場無料
ゲスト:タムラサトル、小田井真美(アーカスプロジェクトディレクター)、ヴォイチェフ・ギレヴィチュ(2011年度アーカスプロジェクトレジデンスアーティスト)
展示作品、アーカススタジオ、そして現在のアートシーンについて語ります。

Tzuham
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タムラサトル HP http://www.tamurasatoru.com/


「恋人」 藤田奈々子 2011年10月31日~2011年11月4日

展覧会「恋人」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2011年10月31日~2011年11月4日
出展者:藤田奈々子(芸術専門学群構成専攻VD領域4年)

写真の展示

T+review

ギャラリーに入ると、柔らかい光に照らされた沢山の写真たちが並んでいる。縦横の列や並びなどは関係なしに並んだ写真は、展示空間全体に動きを生み、いきいきとした印象を与えている。散り散りになっているこれらの写真は、浮かんでは消える頭の中のイメージのようである。「恋人」と聞いたときの心の様子を表しているのかもしれない。
 作者はこの展示で、恋人の存在を示そうとしているわけではないだろうし、観る側にとってもそのような印象は受けない。感じるのは、写真という形で切り取られて作品群となった、「恋人」に関する多様なイメージ。そして彼に対する、幸せで、強い作者の気持ちである。作者は、恋人について浮かぶものを切り取り、カメラで時間を止めて作品としていく過程で、自分も恋人のことを再認識したかったのだろうか。
 写真に写っているのは、恋人との生活の点景である。彼が写っているものあるし、風景の一部の写真もある。そしてカメラを覗く目線は常に彼女のもので、恋人をやさしく見つめているような視点や、彼と過ごしているときにぱっと見上げたような視点で撮られた木々などにより、彼女の存在を感じとれる。まるで自分が作者になったような気分になる。
 自分の恋人を作品にすることは、もしかしたら勇気のいる行為だったかもしれない。主観が入りすぎてしまったり、見せ方が難しい部分もありそうだ。しかし、思い切って恋人のことを表現したこの展示は、その表現を肖像など、恋人を直接的に写すもののみに制限していないためしつこくなく、観る側にためらいを与えることもない。素直に作者の、「恋人のイメージ」が再現された展示だった。(岡野恵未子)


「未定」 池田傑 2011年10月24日~2011年10月28日

展覧会「未定」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2011年10月24日~2011年10月28日
出展者:池田傑(人間総合科学研究科芸術専攻洋画領域2年)


「ナンシィ★ハウス」 ナンセンス(★)(★)ナンシィ 2011年10月11日~2011年10月14日

展覧会「ナンシィ★ハウス」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2011年10月11日~2011年10月14日
出展者:ナンセンス(★)(★)ナンシィ

美死展★パフォーマンス★出演者:石田カズミ、天野葉子、寺崎成美、中林マドカ、松添由夏

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「i.m.y.m.e.」 藤田渚 2011年10月3日~2011年10月6日

展覧会「i.m.y.m.e.」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2011年10月3日~2011年10月6日
出展者:藤田渚(総合造形M1)

I love me, and love me.

T+review

ギャラリーの窓、壁、床には作者のさまざまな時期の個人写真が所狭しと並べられていた。作者は部屋の中央に置いてある背もたれの深い椅子にゆったりと腰かけて、時たま訪れる知り合いと写真を見ながら談笑していた。
 私は、自分の日常の記録に囲まれながら平然と座っているなんてとても恥ずかしくて真似できないと思った。ひとしきり見回ったあと、作者に疑問に思ったことを尋ねた。T+ギャラリーで展示をする理由、自分の写真を並べ、本人がそこに居る意味、等々である。作者の言葉を要約すると「自分に興味はないし、個人写真を並べることに意味はないが、他人と触れ合った私の人生を一度振り返ってみたかった」ということであった。私はこれらの言葉に、作者の強い意志が感じられた。作者にとって、すべての行動は肯定されて当然なのだ。自分に興味を持たないのは難しいことだが、作者はそれをやってのけている。その証拠に、写真やポートフォリオには裸体やそれに準ずる作者の姿もあった。どんな姿をどこにさらしても、作者にとってはなんの問題でもないのである。
 作者はこの展覧会を通じて、人間の素晴らしさを伝えていると私は感じた。私たちは、日常で起こる事象の嵐のなかで生活をしている。自分の身に起こるさまざまな出来事に喜怒哀楽を感じて翻弄されたりもするし、意味のないことをするときもある。人間の感情や行動の確実な観測は不可能に近い。しかし、作者のように行動の一瞬を切り取った写真に取り囲まれても、構えずに座っているその自然な姿の「私」を常に忘れないでいれば、自分や他人のどんなことも受け入れられるのではないだろうか。展覧会の題名である「i.m.y.m.e.」は、英語で自称を表すときに使う「I.My.Me」を意味すると考えられるが、これにはたとえどんな状況に置かれていても、自分のことすべてを肯定しようという作者からのメッセージが込められているのだ。今回の展覧会の情景と題名は、私の心の深いところで強く残った。(内藤航)

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