「ビビリバリビリー」 坂之下典子 2013年6月24日~2013年6月28日
展覧会「ビビリバリビリー」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2013年6月24日(月)~2013年6月28日(金)
出展者:坂之下典子(美術専攻洋画コース3年)
会場:アートギャラリーT+
会期:2013年6月24日(月)~2013年6月28日(金)
出展者:坂之下典子(美術専攻洋画コース3年)
個人的なことで誠に恐縮ですが、ビビリを少しでも克服したくて展示することにしました。
絵を展示します。
見に来てください。
T+review
暗幕に包まれた展示室のドアをあけると、ギャラリー正面に展示された作品が目に飛び込んできた。パネル仕立ての二曲屏風のような画面には女性の顔が描かれている。しかし作品は中心で二つに分かれ、その間からは、中央には呪文のようなものが書かれた曼荼羅が顔を出している。両脇の画面に描かれている女性は同一人物のはずなのに左右で違った表情を見せる。女性はどこか悲しげな表情にも受けとれるし、そうかと思えば殺気に満ちた不穏な空気を漂わせている。女性の脇に描かれた、ひっそりと咲く彼岸花は、死人花、地獄花との異名を持ち、不気味な静けさを漂わせている。
今回の展示について作者は、はじめ「少しでもビビリを克服(バリビリー)するため」展示を決意したと述べているが、その想いはやがて絵を描いている最中の、何もかもとっぱらった、精神がまるっきりまっさらの状態が訪れた時こそ、ビビリを克服できるのではないかという考えに変わっていったそうだ。
一方で作品からはビビリという言葉は感じられず、むしろ非常にダイナミック且つエネルギーに溢れている。そのエネルギーは彼女がただ小心であることに虚勢を張っているわけではなく、それを克服しようと迎え撃つ姿勢によって創り上げられているのだろうか。彼女の創造性は、小心から外界の人目を拒否するのではなく、逆に小心を克服しようとするその情動によっていっそう深く絵と向き合おうとするところから生まれて来るのかもしれない。(高橋和佳奈)