「かくかくしかじか」 大島玲子 2012年11月12日~2012年11月16日

展覧会「かくかくしかじか」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2012年11月12日(月)~2012年11月16日(金)
出展者:大島玲子(構成専攻総合造形領域4年)

どうもこんにちは、私です。

T+review

 
 ギャラリーにぽつんと置かれたモニターから、何気ない日常の一コマが絶えず流れている。わたしはひとりモニターの前に立ちながら「自分」をつくりあげる日々の行為を淡々と見詰める展示者の眼差しを感じていた。
 モニターの中では寝て、起きて、新しい一日が始まるというサイクルがただひたすら繰り返される。そう、全世界の誰もがこのサイクルを繰り返し生きている。そしてそのサイクルに付随する「洗う」という行為は、わたしたちの生活に直結する行為ではないかと考えた。ここに何か示唆的なものを感じた。
 一日の終わりに身体を清め、生きる為に必要な食物の摂取に使用した道具を清め、それを噛み砕いた口を清める。
 その行為はまるで、一度ずつ丁寧に「自分」をリセットしていくみたいではないか。
 「自分」とは決してひとつの個体として留まらない。常に変化していく。何の変わりもない日常の中で淡々と変化していく「自分」を探し、肯定し、その変化を受け入れることができたとしたら、そんな「自分」を好きになれ、愛することができたとしたら、わたしたちがいま生きるこの世界はほんのすこしだけ鮮やかに色づくのかもしれない。(太田夏希)