「かわいい展」 堀越文佳、他 2015年5月25日~2015年5月29日

展覧会「かわいい展」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2015年5月25日(月)~2015年5月29日(金)
出展者:堀越文佳(芸術専門学群洋画専攻2年)
吉田和美(同上)
鶴見阿未(同上)
成田香月(同上)
下釜早貴(同上)
大迫璃子(同上)
川路奈々世(同上)
野村日向子(同上)
沼田有理子(同上)
酒井光(同上)
大野朱里(同上)
渡辺彩(同上)

出展者それぞれにとっての「かわいい」を展示します。

T+review

そこには11の「かわいい」が存在していた。ふわふわとしていてとらえどころのない「かわいい」。対価を払って作り出された「かわいい」。一見グロテスクでありながらもどこか感じることのできる「かわいい」。ギャラリーの中で私は、これらの作品たちに「わたしたちはこれがかわいいと思うのだけれど、あなたはどう思う?」そう問われているように感じた。
そもそも「かわいい」とは何だろうか。日々のわたしたちの会話、コンビニに並ぶ雑誌、タレントの出演するテレビ番組、とりとめのない呟きが並ぶSNS・・・日常のあらゆる場面がこの言葉であふれている。しかしそれらが指す対象に一貫性はほとんど無い。飼っている子猫がかわいい、電車で見たおじさんの行動がかわいい、あれがかわいい、これがかわいいと人の数だけの「かわいい」がある。それはまるで自分の好みに合ったものにはとりあえず「かわいい」というラベルをべたべたと貼りつけているようにも思える。「かわいい」という言葉はひどく曖昧なものだ。
 ギャラリーに展示された11の作品たち。その中には少し奇妙に感じるものや恐怖を感じ、素直に「かわいい」と感じることのできないものもある。しかしどれも制作者にとって、そしてそれを「かわいい」と感じた人にとって、その作品は間違いなく「かわいい」なのだ。
わたしたちが普段なにげなく使う「かわいい」という言葉。「かわいい展」は自分の中でその言葉と向き合うきっかけとなったように思う。(大藪早紀)

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