「続」 山口大空翔 2013年7月29日~2013年8月2日

展覧会「続」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2013年7月29日(水)~2013年8月2日(金)
出展者:山口大空翔 (構成専攻ビジュアルデザイン領域3年)

いま考えている色々について

T+review

続。連続や続編など、つづくものに付けられる言葉だが、この展示で示された『続』とは一体何なのだろう。
 週の前半と後半で入れ替わった作品たちはどれも違う様相を見せていた。下半分が脱色されたリンゴ、あの有名なハンバーガーショップのマークであるМの字に見えるような角度で撮られた車止め、性的なことをイメージさせる言葉を消した小説、「NO BORDER」という文字がボーダーになっている服。私たちが日常的に見ることの出来る身近なものを用いていた。そのひとつひとつが感覚や思考にじんわりと訴えかけ、鑑賞者に小さな発見を提示しているように感じた。
 どこでだったのかは覚えていないが、これらの作品を見ているうちに自身の日常について考えている自分がいることに気付いた。私もたまにこんなことを考えるな、そういえばこの間こんなものを見つけたな、と。この作品たちもそんな日常の中から生まれたのではないだろうか。
 小さな発見は急に現れ、ほっておくといつの間にか日常に埋もれてしまう。埋もれないように、私たちはそれを何らかの形で繋ぎとめようとする。そんな時、私は紙に走り書きをするのだが、展示者はこの「走り書き」に当たる部分を作品という形で繋ぎとめたのではないかと感じた。
 続。つづくもの。それは私たちの生きる日常ではないだろうか。(橋本ゆきの)