「ミスツクバコンテスト」 Gina 2013年7月22日~2013年7月26日

展覧会「ミスツクバコンテスト」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2013年7月22日(月)~2013年7月26日(金)
出展者:Gina

昨年1月に行われたイベント、「MISS TSUKUBA CONTEST」の運営から結成したグループ「Gina」がミスコンを題材にした展示を行います。

T+review

ギャラリーの中に足を踏み入れた人は、その空間の中で展開されているものを観てきっと困惑するに違いない。壁一面に張られた、ポーズをとっている少女たちの写真は加工されていて顔が無い。もう一方の壁には、コスプレをした人たちが映った映像が流れている。ギャラリーの中央には色鮮やかな生花。窓ガラス際には洋服たちが吊り下げられている。謎の映像や謎の生花、謎の写真…以上のように混沌としていて、どこから何を見て良いのかが分からないのだ。
しかし、壁に貼られたコンセプト文を読むと、彼ら、つまり匿名のグループ「Gina」がやりたかったことがじわじわと伝わってくる。「Gina」はこの展覧会のタイトルに関係のある某イベントに関わっていたが、その実施の過程と結果は自分たちが納得のいくものではなかった。その時に感じた、華やかなイベントの光と影の存在、他の運営者との軋轢や自分たちの理想などを自分たちで表現しようとしたのがこの展覧会なのだそうだ。少女たちは、そのイベントの光の部分。顔が消されているのは、そのイベントの影の部分の象徴だ。コスプレをしたGinaが写っている映像は、「全く表には出なかったが私たちも個性があり、そのイベントの中で存在していたのだ」ということの主張だという。
 
 彼らの展示は、混沌としていて不完全だった。もっと内容を整理し、例えば「イベントの光と影の部分に注目する」とか「自分たちが思い描いていたイベントを創り出す」とか、焦点を絞れば確かに鑑賞者には伝わりやすいだろう。ただしかし、この混沌とした状況はGina自身も整理しきれていないこと、そしてそれぞれの消化の仕方が違うことの表れなのではないだろうか。
ギャラリーに置かれたオブジェや映像は、Ginaのメンバーがそれぞれ思い思いに作ったものだそうだ。それゆえ、それぞれのニュアンスの違いが共存し、混沌とした雰囲気を生み出していたのだろう。ミスツクバコンテストは一つのグループによる、一つの方向性を持った展示ではない。グループのメンバーそれぞれの方向性を持つ展示だった。(岡野恵未子)

20170722-ミスツクバコンテスト