池田満寿夫「ロマンティックな風景」
作者生没:1934 奉天(満州)[遼寧省瀋陽(中国)] – 1997熱海(静岡)
制作年:1965年
技法材質:ドライポイント・ルーレット・エッチング
寸法:36.2×33.7cm
エディション:AP
署名等:マージン左下「 E.P.A」; 同右下「m.Ikeda ’65」
展覧会歴:The 33rd International Venice Biennale, 1966 [Grand Prix, Prints Section]; 「茨城県近代美術館コレクション展+筑波大学所蔵 石井コレクション展」 茨城県つくば美術館 2007年10月5日-28日 cat. 25;「まなびあテラス開館記念 筑波大学所蔵 石井コレクション展 美と出会う:[前期]絵の世界と出会う」、まなびあテラス[東根市美術館]、2016年11月3日〜12月11日、cat. 28。
文献:『池田満寿夫全版画』 1991年 美術出版社 no. 385, col. fig. p. 134;寺門臨太郎編『筑波大学所蔵石井コレクション Ⅰ. 絵画』、筑波大学芸術学系、2011年、cat. 89。
所蔵番号:2005-JP-IS005
作品解説:
池田満寿夫は、この作品のほか本コレクションの《動物の婚礼》《庭を横切る昆虫》《聖なる手1》などにより、1966年の第33回ヴェネツィア・ビエンナーレ版画部門の大賞を受賞した。ストライプの服の女性が自転車に乗り、その後ろに動物と少女たちの姿がある。背景にはゴーギャン、ヴォルス、デュビュッフェ、ジャコメッティ、ヒエロニムス・ボス、パウル・クレー、ルソー、ポロックという、古今の芸術家たちの名が反転した文字で並んでいる。1960年代以降、活動を海外に広げる中で、池田は自分が日本的な感性から逃れられないことを知った。これは西洋の模倣の延長でもジャポニズムでも浮世絵の伝統でもなく、池田が生活の中で体験した今日の日本の表現である。