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駒井哲郎「 時間の迷路B」

©Ari Komai 2024/ JAA2400004

 

作者生没:1920東京 – 1978東京
制作年:1952年
技法材質:アクアチント・サンドペーパーによるエッチング
寸法:23.2×21.2cm
エディション:21/27
署名等:マージン左下にエディション番号「21/27」;  同右下に署名「Tetsuro Komai」

展覧会歴:「春陽会」第29回展 1952年4月, Salon de Mai, May 1952, Paris; 「茨城県近代美術館コレクション展+筑波大学所蔵 石井コレクション展」 茨城県つくば美術館 2007年10月5日-10月28日 cat. 16。

文献:『駒井哲郎版画作品集』 1979年 美術出版社 no. 54, pl. p. 57, fig. p. 197, ill. p. 133;寺門臨太郎編『筑波大学所蔵石井コレクション Ⅰ. 絵画』、筑波大学芸術学系、2011年、cat. 60。

所蔵番号:2005-JP-IS008

作品解説:
直接銅板を削るのではなく、腐食液を使って間接的に銅板に絵を描く技法を腐食銅版画技法という。腐食銅版画技法の中でも、線の表現に向くエッチングに対し、アクアチントは面による表現に適している。《時間の迷路B》では、白から黒までの微妙な色の変化によって、暗い空間に幾何学的な形が浮かび上がる幻想的な世界を表現している。画面にちりばめられた平面にも立体にも見える無数の矩形は、無限の宇宙を漂っているかのようである。アクアチントは、多様な技法を駆使した駒井が、戦後から取り組み始めた技法である。代表作の一つである《束の間の幻影》(1951年[2010-JP-IS012])にも同じ技法が用いられており、構図や雰囲気にも相通ずるところがある。