ぬくもりの窓辺
2023年11月15日より
筑波大学附属病院けやき棟 2F 渡り廊下
*病院利用者のみの公開となります。
ごあいさつ
ここでは、筑波大学芸術系の彫塑領域学生有志作品をご覧いただけます。昨年の11月から「植物」をテーマにした作品をこの場所で展示していました。結果として、皆様より好意的なリアクションをいただくことができましたので、継続して彫刻作品の展示をすることとなりました。参加メンバーの入れ替わりがありながら、8名の学生による彫刻作品が展示されています。
今回の展示では、この場所に作品を設置することを想定して、どのような作品を形作り、この廊下を通る皆様に、どのように見てもらいたいかを、学生に考えてもらいました。
学生がそれぞれに考えてきた作品のアイデアには、生き物の形があり、その生き物に抽象的なイメージが付与されたものもあります。また、レリーフやモビールの特質を活かして、窓辺から差し込む光を作品に取り込もうとするアイデアもあります。
彫刻は、展示場所の環境によって、様々な見え方をします。また、見る角度や光線の変化で異なる表情を見せてくれることでしょう。学生の手を離れ、この回廊に展示された作品は、皆様の目にどのように映るでしょうか。
ご高覧いただいた皆様の心に健やかな気持ちを宿すことができれば幸いです。
筑波大学芸術系彫塑教室
令和5年11月吉日
伴野 真子 / BANNO Mako
芸術専門学群3年
《案内人》
2023 陶・釉薬
H.14×W.18×D.15(cm)
H.14×W.18×D.18(cm)
H.10×W.24×D.22(cm)
深海のアイドルと呼ばれるメンダコ。飼育が難しく、水族館などで展示されることは滅多にありませんが、深海でゆったりと泳ぐ姿は何とも言えないゆるさと魅力があります。そんなメンダコの活き活きした姿を表現したいと思い、今回は初挑戦の陶土と釉薬を用いて制作しました。深海という未知の世界から来た可愛くて不思議な案内人達です。深い闇に閉ざされた海。暗黒の中、微かに浮かび上がる無数の生命達の躍動を垣間見る旅にいざないます。
會澤 優花 / AIZAWA Yuka
芸術専門学群4年
《雨の日の散歩》
2023 陶土、樹脂、モルタル
H20.×W.22×D.9(cm)
陶で作った犬に透明樹脂のレインコートを纏わせました。雨の日にレインコートを着てでも散歩に行きたい犬のエネルギーの眩しさ。
内藤 千尋 / NAITO Chihiro
芸術専門学群研究生
《ここにある優しさ》
2023 テラコッタH.8×W.30×D.20(cm)
君が僕の隣にいること、永遠じゃない、永遠はない
いつか君の隣にいることができなくなっても、想っているよ、君のことを
どうか君の人生が光で溢れますように
北原 朋佳 / KITAHARA Tomoka
芸術学学位プログラム(博士前期課程1年)
《つくばさん》
2023 ブロンズ
H19.×W25.×D.16(cm)
筑波山に着想を得て制作しました。筑波山の穏やかなかたちと御神徳を、上品でおっとりとした姫様が座しているようなかたちとして捉えています。豊かな自然を表現するために、ブロンズ表面に緑青を吹かせました。
瀬島 那月 / SEJIMA Natsuki
芸術学学位プログラム(博士前期課程1年)
《moon king》
2023 テラコッタ、レジン
H.30×W.22×D.3(cm)
一人で夜空を見ていると色んな気持ちになります。落ち着くとき、悲しくなるとき、自分の心が反射するように空は表情を変え、綺麗に見えたり濁って見えたりします。自分の心を観察できる、素直で楽しいひとりぼっちの時間。今日はどんな気持ちで夜空を見上げることができるのかな。
佐藤 萌 / SATO Moe
芸術学学位プログラム(博士前期課程2年)
《いつどこで誰が何をした。》
2023 樟、小割
H.28×W.32×D.21(cm)
この作品のモデルは私のいとこです。彼がモデルの作品はこれで3つ目になります。この3つの作品を比較すると、できなかったこと、できるようになったこと、できなくなってしまったことが、それぞれの形態の中に点在しているように感じられます。彼の成長を形態化させていく過程で、自身も成長し、できるようになったことを嬉しく思う一方で、できなくなってしまったことに寂しさを覚える。それらを繰り返しながら、私はこれからも成長していくのだと思います。
秋田 美鈴 / AKITA Misuzu
芸術学学位プログラム(博士後期課程1年)
《floating drops》
2023 プラスチック、ワイヤー
サイズ可変
空間の中でたゆたう光に、色と形をあたえてみた。