「おいでよ!しりとり大会」 町田紗記、田中みさよ 2013年11月5日~2013年11月8日
会場:アートギャラリーT+
会期:2013年11月5日(火)~2013年11月8日(金)
出展者:町田紗記(美術専攻洋画コース3年)
田中みさよ(芸術専攻総合造形領域博士前期課程2年)
T+全体を使って、しりとりをしちゃいます!一緒にしりとりしようよ! ※最終日は15:00までなので、ご注意を!

T+全体を使って、しりとりをしちゃいます!一緒にしりとりしようよ! ※最終日は15:00までなので、ご注意を!
日頃から制作するいろんな華が咲いています。ぜひ芸術祭の前に一度、私の「庭」へお越しください。
石川さやかと和田絢太郎によるコラボレーション展示です。二人の個性をうまくまとめられたら、と思っております。
見に来てくれたらわくわくといやしを提供します!!!!
イラストレーション作品の展示
T+review
「逃亡」という展覧会タイトルをつけられた作品たちは、黒一色でシンプルにまとめられたイラストレーションである。インクを使った濃い黒のやわらかな線が特徴的だ。作品は人間の頭部のような形が描かれているものの、どれも顔のパーツが描かれていない。顔の複雑な要素が取り除かれたことで線そのものの美しさや体のラインがストレートに伝わってくる。「書道のようなイメージで自分が納得した線を描いています」と作者は言う。描かれているモチーフから離れて線だけに目を向けてみると、ゆるやかに伸びたラインは見ていて心地良い気分にさせてくれる。また、具体的な要素が少ないことで見る者は幅広くイメージを膨らませることができる。こうした鑑賞の自由度の高さも彼女の作品の魅力のひとつと言えるだろう。
ギャラリーに入ってまず目につくのは、顔の輪郭が曖昧でブレたような表現がされている作品だ。「ブレる」という動きはある時点を描いた一コマから少しだけ前後の時間に幅を持たせた表現である。それは一所に定まらない不安定さを生み出し、今ある実体から逃げているような感覚をもたらす。反対に、もう一方の壁に並んだ5つの作品は、まるで交差点ですれ違った人の一瞬を捉えたかのような、静止した時間を感じさせる。彼女が捉えた「瞬間」は私たちがどこかで見たことがあるような場面をもう一度頭のなかに再生させる。
この展覧会の題名「逃亡」は、現実逃避のそれとは違う。批判されがちなその行動は、逃亡の先に輝かしい未来があるとすれば自らを成功へと導くひとつの過程にすぎないのだ。彼女の描いた逃亡は、その一コマを切り出したものなのかもしれない。(高橋和佳奈)
文字と模様、そして布。
T+review
それは不思議と心地のいいものだった。布と文字。普段見慣れたその素材たちが合わさり、混じり合って太陽の光、電光に照らされる姿は、普段、このギャラリーで見ることのない空間を演出していた。
文字と模様と、布と。そしてそこに選ばれたマザーグース。
マザーグースとは、英米を中心に親しまれている英語の伝承童謡のことを指す。模様になるために選ばれたマザーグースを目にしたとき、思わずおやと思った。そこに書かれていたのが「月曜日の子ども」だったからだ。個人的に気に入っている童謡であることもあったが、布に描かれ選ばれたそれぞれの曜日の色彩を見ることで、作者が曜日に込めた思いも感じられたように感じた。
文字とは模様であったことをギャラリーを見渡しながら改めて思い出した。記号のように模様のようになったその文字は一見しただけでは読み取れず文字としての機能を果たしてはいない。だが、その文字が集積することで原型となる童謡の真の意味が香ってくるようで、文字として情報を伝えるだけでなく、感じることで伝わるものがあるのだと、文字の持つ意味と力を改めて考え直すことで、新たな何かが生まれるのではないかと考えた。(太田夏希)