「話し出す前は、少し静かになる。」周作 2016年7月4日~7月8日
「話し出す前は、少し静かになる。」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2016年7月4日(月)~7月8日(金)
出展者:周作(洋画MC1)
会場:アートギャラリーT+
会期:2016年7月4日(月)~7月8日(金)
出展者:周作(洋画MC1)
何から話そうか、なんて自分を隠す言い訳はもうやめにしよう。
経験が私達を作る。
経験は過去である。
過去は思い出になる。
思い出は美化され、肯定される。では我々自身は、美化そして肯定されうる存在であるのか。
T+review
アーティストは良い作品をつくることが全てだと思いがちだが、その作品を取り巻く空間をどのようにつくっていくかも同じ位重要である。今回の作者はそれが上手い。前回の個展でも作品を最大限魅せるための綿密な展示作業を行っていたと記憶しているが、今回は更に大胆でのびのびと空間を活かしている印象だ。カウンターの横には制作の参考にしたという本が並べられ、壁のドローイングは一面を覆いつくし、床にはテープで絵が描かれている。展示のコンセプトを綴ったプリントは数枚にも及び、作者のこれまでの人生さえも細かく記述されている。作品全体の印象としては過去にあったことを思いのまま描いているといった感じだが、この作品群はこの空間が無ければ作品として成り立ち難いだろうと感じた。
よく現代アートと呼ばれるものはよく分からなくてつまらないという声を聞くが、それはそこの空間が作品を活かしきれていないのではないかと考える。作品に沿った空間作りがされている展示は、たとえよく分からなくてもそれはそれで楽しいものだ。それを考慮した時にこの展示は非常に見る人を楽しませるものになっていると感じた。
(堀越文佳)
